追加の処分品 手を抜いちゃダメな部分
「ちわー、処分品の追加でーす」
「もう要らんから持って帰ってー」
「品物を見ずに拒否とは酷いなぁ」
「まだ持ち込まれたロッドとリールの確認と値付けは半分くらいしか終わってないんだよ、その状態で追加されたらさすがに置場もなければ業務も滞る」
「今日持ってきたのは2つ3つよ?」
「少なければいいってものではないけど…持ってきたのは?」
「2馬力エンジン付きコンパクトカヤック、春のカヤック限定大会用に新しいのを買ったから古いのが不要になってねぇ、いろいろカスタムしてそれなりに使ってきたけどここいらで処分しようかなと。
積載量は大体150キロ、200くらいまでは行けるだろうけどそれ以上はさすがに水没して沈むかな?カスタムしてるからクッション付き座椅子と2馬力エンジン、転覆防止用フロートにロッドスタンド、それと旗とオールを付けた一式」
「あー…あれね、エンジン付きで売っていいの?他にもいろいろバラして再利用できると思うけど?」
「エンジンも座椅子もカスタマイズ用のパーツも新しいのを買ったから、再利用するよりはもう全部まとめて手放してって感じかな?それにエンジンは旧式でガソリンを使うタイプのやつだし、今度のカヤックは本体の素材が違うからそのまま使いまわすにしても不都合が出るかもしれないからねぇ」
「なるほどねー、コンパクトとはいっても店内に運び込めるほど入口は広くないし、ちょいと隣の倉庫に放り込んで確認するかー。
で、2つ3つって事はカヤック1つってことはないよね?絶対他にも何かあるよね?」
「あるね、一番大きいのはカヤックだけど、それとは違うのが2つほど、そっちは置き場所には困らないかな?」
「まあ、とりあえずまとめてみればいいか、花井ちゃーん、ちょっとカヤックとか見てくるからロッドとリールの確認と値札を付けるのよろしくー」
「えー、まずカヤック本体が3万で買えるやつのちょっと擦り傷ありのカスタムしてるからねじ穴がいくつかの、2馬力エンジンが新品で15万のちょっといいやつで使い込んでて、スクリュー等の動作問題なし汚れほぼなし、エンジンもかかりがよくて緊急停止も正常に動作、ロッドスタンドは塩ビパイプを使った自作で固定はしっかりしてるけどちょっと安っぽくて、追加の転覆防止用フロートもちょっと擦り傷ありで固定するための鉄パイプは錆なしで強度十分、旗と立てる棒自体は何でもいいからこれは値段がつかなくて、オールも少々傷あり…
んー…状態はいいけど全部合わせて7万ってところかな?擦り傷がそれなりにあるのもあるし、エンジンはバラして整備して調子が良くても音を聞く限りこれもそれなりに摩耗してるし、7万で買い取りの13万くらいで中古販売って感じかなー?」
「じゃそれで、そして次がこれ、自作のフカセ用ヒシャクとコマセミキサー、これも新しいのを作ったからもういらないなーって感じで」
「竹製のヒシャクはともかく適当に溶接しただけに見えるミキサーを欲しがる人いるかなぁ?」
「ミキサーは要はコマセさえ混ぜる事が出来ればいいわけだし、見た目は関係ないと思うんだけどね、一応オキアミを切りやすいように下側ヘラっぽくしつつ、その上は混ぜやすくするために棒を2本左右の長さと上下の幅は不均等にって拘ってはいるけど」
「使えばこれのよさがわかるんだろうけど、何も知らない人からしたら変なミキサーだなーって感想しか出ないよね、メーカー品でもなく自作だし、ヒシャクの方は柔軟性もあって近距離から遠距離まで、握りやすくてすべり止めもしっかりしてて軽いからヒシャクは自作高級モデルとして3500円くらいで売れそうかな?」
「竹製の道具が好きな人って結構いるしね、ヘラなんかでも竹製のタモを作る人がいるし、竿受けも竹で作るし、竹製のロッドといえばのべ竿みたいなところがあるけど投げ竿とかルアーロッドも作れるし、好きな人はとことん竹で自作するよね」
「花井ちゃんのコレクションにある竹竿は自作ではないけど作ってた人がもう死んじゃったからすんごいプレミアがついてるし、プレミアがつくということは愛好家とかにかなり需要があるってことでもあるんだよね。
とりあえず値札を張って中古コーナーに放り込んでおくか、カヤックは写真を撮ってついてくる装備とスペックを書いて値札つけときゃいいか、それとこれはさすがに通販不可だから車に積んで持って帰れる人限定で」
「リヤカーに積んで歩いて持って帰る人は…」
「そんなやつはお兄さんくらいしかいないよ、この辺りの漁師もカヤックは要らんっていうだろうしね、そもそも自分の船があるし」
「だよねー、ま、査定も終わったしお店の方に戻るかー」
「ロッドはまだざっと180本くらいあるから、追加でポンポン持ってくるのは出来れば止めてもらいたいところ」
「やっぱり置き場所?」
「それもあるけど新品の販売数が減って売り上げが落ちる、変な店だと傷入りひび割れ気にせず売るけど、うちは一応全部チェックしてちゃんと使えるやつだけを売ってるでしょー?ダメなやつは別のロッドと組み合わせてまあまあ使える程度にしてサビキ用とかそんな感じで投げ売りしてるし。
ここの中古は値段相応とか中古でも十分信用できるって感じで、中古があればあるだけ売れて新品がピタッと止まっちゃうんだよねぇ…実際値付けし終わった中古100本とリール100台、まあリールはいくらかはサビキとか穴釣り用に回ったけど、そうじゃないやつ、ちょっといいエントリーとミドルの値付けが終わったやつは大体捌けたよ。
それなりに使っているというのもあって定価の50から60%引きだし、去年の10月11月に出た新しいやつというのもあってあっという間だったね、だから今確認と値付けをしてるやつも並べたら一気になくなるんじゃない?」
「信用があるからこそ中古も飛ぶよう売れる…なのかねぇ?」
「たぶんねー、お店によっては見た目だけ見て良品粗悪品ってわけるし、見た目が綺麗な新品に近い良品判定した物を定価の10%20%引きと中古の割に高い値段で売るし、その高い値段で売ってるものは見た目綺麗なだけで内部に亀裂が出来てて一発で折れるとかよくある事だし、そういうところに比べたら信用はあるといってもいいね」
「んーむ…ここはコンポタ風かぼちゃのポタージュにするか」
「このメーカーは何を思ってかぼちゃを使ってコーンポタージュにしようと思ったんだろうね」
「すみませーん、近々南の島に出張で行くんですが打ち込み用のサルカンってどこにおいてます?」
「打ち込み用の小物はGTコーナーって書いてあるところー、この辺りじゃあまり使わないし現地で買った方が安いから数はそんなにないよー?」
「現地で買うほうが安いですか?」
「安い、向こうで作ってるのを仕入れてるからどうしてもちょっと高くなる、それでも取り扱ってるのは漁師が漁具として使うからだぁね、現地だと1割から2割くらいは安くつくよ」
「なるほど…じゃあ現地で買うほうがいいですかね?」
「ばら売りもしてるから1つ2つならこっちで買って行ってもいいけど、打ち込みで使うサルカンって消耗品だから数が必要、だからまとめ買いするなら現地がおすすめ、ここにいるお兄さんも打ち込みをちょこちょこやってるけど、重りだのサルカンだのは全部現地購入よ」
「だねぇ、重りは捨て重りになるからほぼ毎日の釣行だと100からはあっという間に使うし、サメも来るからラインもどんどん切られて消耗していくから、基本的には100単位で揃えた方が色々と安心できる感じ。
毎日じゃないにしても10個ずつは揃えたいところだから…現地で買うほうがいいんじゃないかな?重りも軽くて20、潮の流れによっては50とかそれ以上を使うし、重りだけで重量がすごい事になるよ?」
「20号…って何グラムなんですかね?」
「1号3.75だからそれかける20で75グラム、場所によっては60号で200グラム超えてくるから重りだけでキロ単位で持ち歩く事になる、それもあるからできるだけそういう小物は現地で買おうねってやつ。
リーダーもうちなら200号とか取り扱ってるけど、現地の釣具屋だとここいらの釣具屋じゃ見られない物が置いてあるよ?」
「リーダーの種類も凄いよね、マグロ用の30号からとか、タマン用12号から30号とか、50から300号なんて言うリーダーを100メーター単位でばら売りしてたり、このお店と同じでやっぱり漁師も利用するからサメ用の針とかリーダーもあるんだよね。
リーダーじゃないハリスもタマン用だけで12から30号まであるし、50号ハリスっていうのも普通においてある」
「国内に流通してるラインはほぼすべてクロートーが作ってるから、300号リーダーも変わらない値段で仕入れる事が出来るけど、この辺りだとやっぱり使わないからクエとかマハタ用に50から200までをちょろっと置いてあるくらいだね」
「なるほど、じゃあサルカンと重りは現地で買う事にします」
「そうしなさいな、それと現地で何を対象にした打ち込みをするかを伝えて重りとサルカン、それと針を出して貰う方がいいね」
「わかりました、それじゃあ打ち込みに使うロッドをちょこっと見てきます」
「はーい、よくわからんってなったらまた聞きに来てねー、高いのはちょっと…ってなったら堤防シリーズの450か500のXH辺りにしときー、アレ値引きして1万以下だけどすんげぇ頑丈で40キロくらいのガーラなら相手に出来るから」
「お金があるならフカセでも打ち込みでもサメ釣りにも使える昇竜壱、ハイエンドでいいやつならクリムゾンウルフロングをHからXXHの150から180で揃えるといいかな?」
「さすがにハイエンドを買うと嫁にド突かれるのでちょっと…堤防シリーズにしておきます」
「はいはーい、色は3色あるから気に入ったのを持って来てねー」
「すいませーん、横からちょっといいですか?」
「さっきの人は堤防シリーズを選びに行ったからどうぞー」
「マキシマのシーランナーシーバスとワールドの海宴スズキ、ネレイドのシーディス、同じ値段帯のシーバス用ロッドを置いてますけどどれを買えばいいんですかね?後何が違うんですか?それとシーディスとシーディスAGの違いは?」
「まず最初の質問ね、メーカーが違いますというと冗談に聞こえるけどメーカーが違うというのが大事、どこのメーカーが好きどこのメーカーが好きというのがあるから同じ値段帯かつ同じロッドパワー、同じ長さのロッドを3つ揃えてるわけだね。
性能自体はさほど差はない、値段相応だなーっていう性能で後はメーカーによってリールシートの位置が多少上下したり、ロッドが軽かったりちょっと重かったりするくらい、だからその3つから選ぶなら直感というかこっちが格好いいなってのを選べばいいね。
次に通常シーディスと1個上のAGの違い、まずAGはお値段が通常に比べて1500円ほど高い、これは以前の生配信でさほどお金をかけずにやるならスキードCEがいいよーって言ったんだけど、それと同じようなやつで、ブランクスやガイド、グリップの素材等は同じ、何が違うのかというとここ、アップロックのねじがむき出しになってにぎり心地が悪いかいいかだけ。
シーバスロッドだから…まあ4000番でいいか、これをリールシートにつけまして…はい通常シーディスを握って軽く振ってみてー、そして次にAGで同じことを」
「んー…AGのほうがしっかり握れて通常の方は振った時にちょっとねじで擦れますね」
「通常とAGの違いはそれだけ、にぎり心地がいい、振った時に手があまり痛くならないほうがいいならちょっと足して1つ上を買う、グローブをつけたり特に気にならないって人ならねじむき出しの通常シーディスとかシーランナー、それと海宴でも十分」
「安くシーバスを始めるならどれがいいんですかね?」
「まず予算を聞こうか、それでガラッと変わってくる」
「予算は15000円くらいですね、シーディスを買ったらそれだけで予算が1万円飛んでいくので大分悩んでます」
「最新の新品じゃないとダメ?」
「長持ちするなら新品でなくてもいいです」
「はいはい、じゃあちょっと待っててねー、えー…花井ちゃーん、お兄さんが持ってきた中古ロッドの中にシーバスが出来るやつの確認と値付け終わってるー?」
「全部ではないですが4本は、とりあえず目についたのと近くにあって手がすぐ届くのからやっているので」
「はいはい、じゃあこの4本と…んー…カタログで定価を見ないとわからんけどこれも持っていくか、後リールも4000とC5000貰ってくねー」
「どうぞ」
「ってな感じでお待たせ、とりあえずこの4本は値付けが終わってるからちょっと触ってみつつお財布と相談してみてー、残りはちょっとカタログを見ながら最終確認と値付けをするからそれが終わってからでもいいけど、今ここに並べたのは全部去年の10月11月にでた新しいやつの中古ね、連日連夜使用されて結構使い込まれてる感が出てるけど、値付けが終わってるやつは内部に見えない亀裂もなくガイドが錆びてたり割れてたりという事も無く、問題なく使えるけど使い込んでるからという事で定価の50から60%オフになってるってやつね。
えー…とりあえずこれが定価22000の60%で8800円の、こっちが13000の50で6500の29000の55で13050、40000の50で20000と15000の60で6000に17000の55で7650…はい、中古のシーバスロッドの追加はこんな感じ」
「60%オフはかなりお買い得ですけど50%との違いは?」
「使い込み具合、こっちの60%とこっちの50%、ブランクスに傷は付いてないけどグリップエンドにちょっと傷が入ってたり、フォアグリップにちょっとうっすら指の形がつくくらい擦り切れてたりするから60%オフ、50%オフの方はグリップも綺麗でグリップエンドも綺麗、ただ使い込まれてるだけ、55%はそのどちらか。
予算内で納めるなら8800円と7650円、6000円の3本の中から選ぶのがいいかな?物でいえば定価22000円のやつがおすすめ、長さが240MLとちょっと短めで柔らかく扱いやすくてリールシートはダウンロック、グリップがコルクでエンドはカーボンモノコック、ガイドはトップがトラブルレスになっているからゴミを巻き込んだりトップガイドにラインが絡む事はない。
もうちょっと余裕を持たせたいってなってくるとこっちの6000円、270Mでちょっと長くなるけどまあ割となんにでも使える長さとパワー、こっちはアップロックだけどさっきのシーディスAGと同じでねじが手に当たらない、ちょっと長めにとってあるのとフリーロックシステムっていうどのリールの型番でもぴったり、こんな感じで500番だろうが8000番だろうが締め上げて固定した時に隙間がなくなるシートを使用、さらに少し長めにとってあるから握り心地はダウンロックと同じ。
まあ、そこにお金がかかってちょっと高くなってるだけで、ブランクス自体は同じマキシマのシーランナースズキと同じというのを頭に入れておいてね?8800円の方はクアッドクロスっていう捻じれにも潰れにも強く曲がるけど折れないっていうブランクスも使ってるから別物だけど。
んで最後に7650円のやつ、これは6000円のやつと物は同じで長さが違うだけね、こっちは300Mで長くなった分少しお高く、でもサーフからぶん投げるならこっち、長いロッドは慣れると軽く振るだけで結構飛ばせるようになるからね」
「んー…こっちの8800円にします、リールはどれがいいですかね?」
「シーバスをやるなら4000かC5000のHGまたはXG、んでさっき取ってきたのが4000番のHGとXG、それとC5000XGの3台、4000番のHGが定価18000の60%で7200円、XGが24000の60で9600、C5000XGが19000の60で7600、4000HGとC5000XGは搭載しているものが違うだけで性能はほぼ同じ、4000XGはトラブルレスフィンとラインローラーが付いてて、ニューメタルギアっていう酸にでも漬けない限りは早々劣化しないかつ錆びず丈夫なギアを使用、ハイエンドと違ってニューメタルをふんだんにではなく要所要所のギアのみで他はちょっと丈夫で錆びにくい程度って感じだけど。
それ以外だとサイレントモジュールっていうハンドルを回した時にシャラシャラ音が出ないようにするやつとか、フェザーローターっていうハンドルを力を入れず軽く回せる物も積んでる」
「4000XGだと予算オーバーですねー…ジャストじゃなく2万持ってきてるので出せない事はないんですが…」
「トラブルレスは4000XGだけ、C5000XGはフェザーローターとサイレント、4000HGがサイレントモジュールとパワーギアっていうちょっと古いけどまだまだ使えるやつを搭載」
「巻いた感じだとどれも同じような感じですね」
「パワーギアが入ってると車のパワステと同じ効果が得られて軽く巻けるのと、フェザーローターはそのパワーギアを必要とせず軽く巻ける新型のローター、これはマキシマのリールにしか入ってないやつだね」
「巻いた感じ同じですけど何が変わってるんです?」
「重さかな?パワーギアは巻いた時に発生するわずかな電気を使ってパワーステアリングと同じ効果を生み出す機構を搭載、つまり部品とかが増えて重量が増す、微々たる物だから大して気にならないけど昔はパワーギアを搭載すると20から30グラムは重量が増えてたんだよね、さらにボディも収納するためにちょっと大きくなる、今現在の進化したパワーギアなら10グラムも増えないし大分小さくなったからコンパクトに纏めれるけどね。
で、フェザーローター、これは追加パーツでも何でもなくスピニングリールを構成するのに絶対必要なパーツでして、これの動きが悪いと全体的に硬い重い感じになるんだけど、これを動きを羽のように軽くして巻いた時の感覚はパワーギアを入れているのと同じかそれ以上、さらにパワーギアを入れる必要がなくなったからさらに軽くボディもすっきりコンパクトに、ってのがメリットでデメリットは特にない、強いて言えば新しい技術だからパワーギアよりちょっと高くつくってくらいかな?」
「んー…それなりに長く使うことになりそうだし…ここはちょっと多めに出して4000XGにします」
「はいはいー、ラインなんかは大丈夫?」
「あ、それも選んでいただけると」
「はいはーい、じゃあお兄さんちょっと要望を聞いて選んであげてー?私はさっき堤防シリーズを見に行った人の対応をするから」
「はいはい、それじゃちょっとラインコーナーに言って物を見ながら決めようか」
「わかりました」
「堤防シリーズライトグリーン450XHが1点、グラディエイターPE5号300メーターが1点、フェムトナイロンリーダー20号50メーターが1点、以上を合わせて18700円になりまーす、ラインはここで巻きます?それとも自宅で?」
「車から取ってくるので巻き替えお願いします、ストラトス8000番とベルセルガ15000番だとどっちがいいんですかね?」
「打ち込みだけでなく船でキャスティングもやるなら後者、堤防とかサーフメインで船には乗らずのんびり打ち込みたまに軽くルアーを投げるだけなら前者」
「あくまでも仕事の出張で…なので前者ですね、休日にのんびり竿を出してぼーっとやる感じですので」
「じゃあ8000番にPEを巻く感じで、南の島でやるなら300メーター全部だね」
「100メーターで3回に分けないほうがいい感じですか?」
「分けないほうがいい感じ、まず打ち込みって100メーターとか軽く投げたりするのね?その時点で100しか巻いてないと下巻まで確実に出る、じゃあ150ってなってもそのくらいは軽く持って行かれるからやっぱり足りない、それなら200ってなっても30キロ40キロのGTが来ると100メーターからは軽く持っていかれたりもするから巻けるだけ巻いておくのが大事。
本気で30キロからのを狙おうとするとサーフからの打ち込みでもPEの8から10号が300とか欲しいところだけど、休日にのんびりだとそこまでごついのにしても疲れるだけだし、不意な大物でも大丈夫なように多めに巻いておくのがいいのよ。
まあ、PEがグラディエイターの5号なら根擦れにも強くて140lbまで耐えるし、リーダーもフェムトの20号なら60号並みの強度はあるし擦れにも強いし、走られてもいいようにたっぷり巻いておけば大丈夫」
「GT…はあまり相手にしたくないですねぇ…かなり疲れそうですし」
「実際かなり疲れるね、でも南の島で打ち込みをやってるとふらーっと回遊してきたGTが食って来たり、かかってる魚を追い食いしてきたりもあるし、さらにはサメの可能性もあるからしっかり場所を選ぶ事かな?
大体決まった場所を回遊していてこないところには全く来ないから、ここはGTが釣れないよーってところに行けばタマンとかウムナガーとかにターゲットを絞れるね、餌取りとかそういうのはどこにでもいるけど」
「なるほど、あえてGTが釣れない回遊コースに入ってない場所を選ぶと」
「そそ、そういう不人気で誰もやっていないところだからこそのんびり出来るし、それほど大きくない、50くらいの程よいタマンなんかが釣れたりもする。
大体の人は30キロオーバーのGTを目指して、10キロのタマンを目指して、ってなって大きいのが固まってるところとか回遊コースを狙うけど、逆に言えばそういう人は絶対と言っていいほど実績のない場所にはいかない、たまに穴場を探してって感じで来るけどたまに人が入るくらいで実績がないってわかるとすぐどこかへ行く、だから休日のゆったりとした釣りには最適よ」
「じゃあ現地に行った時に実績のある場所とない場所を聞いてある場所を避ければいい感じですね」
「そんな感じ、はいお釣り、巻き替えの用意をしておくからリールをもっといでー」
「終わったならこっちのお会計もおねがーい、巻くのは予約が入ってるから…まあお手伝いって感じよね」
「すまんね、私の腕は2本しかないんだ、それじゃお会計、えー、中古のロッドと中古リール、スフィアPE1.5号の200メーター、スフィアフロロリーダー10号50メーターで…21700円になりまーす」
「いいものだとわかっていても予算オーバーはさすがにお財布に響く…」
「これから長い付き合いになると思えば安いものよ、この店じゃ取り扱ってないメーカー、そこの1万からするリールを買っては壊して買っては壊してで最速1年、遅くても3年でで3台4台と買い換えて4万出費する人もいたりするからね。
これならちょっとくらいは無茶な扱いをしても後4年は持つだろうし、手入れをすれば10年、ロッドも扱い次第で同じくらいは持つから、それを考えたら相当お買い得よ」
「さすがに1年で壊すような使い方はしたくないなー…」
「それじゃ糸を巻いてくねー、PEは全部?それとも100で止めて2回に分ける?」
「ちょっと節約したいので2回で」
「はいはい、スフィアPE1.5だからナイロン10号の、このスプールなら50メーターくらいか」
「下巻って何かコツがあります?」
「特にない、ちょっと余裕を持ちたいなら若干少な目、きっちりまいて飛距離が出るようにしたいならぎりぎりかつトラブルがまず起きないであろう量にする、そのくらいかな?結ぶ時は不恰好でもいいからスプールにしっかり縛って抜けないよう滑らないようにして、テンションをしっかりかけながら計測器をかまして測りながら巻き取るのが強いて言えばのコツ?
上糸は使い切る前に巻き替えるなら団子結びでもいいけどトラブルの元になりかねないからここではFGで結束、これなら使い切る寸前かつ多少下糸を出されてもしっかり耐えて抜けない、そこまで短くなる前に巻き替えるのが一番だけどね」
「リール持ってきました」
「はいはい、それじゃこっちも巻いていきましょうかね、今巻いてるのは全部処分?それともまだ使う?」
「まだそれほど使ってないのでまだ使えるなら」
「じゃあこっちの空スプールに巻いて保管だね、PEだけ?下巻も?」
「長さを測るのが面倒なので下巻毎お願いします」
「はいはい」
「なんか巻く時にギリギリギリギリ音がしてますけど大丈夫なんです?」
「大丈夫大丈夫、これはテンションをかけるために噛ましてある計測器から出てる音だから、リールから出ている音ではない」
「結構古い計測器だからねぇ、今のやつと違って結構しっかりラインを挟んでカウンターを回すタイプだから、はさんでるローラーが回るたびにギリギリギリギリ音が出るんだよね、でもラインが傷つくことはないし、シーバスとショアから釣る青物くらいならそれなりにかけてきちっと巻いておけば問題もない。
けど、こっちは打ち込みをやるっていうからこれ、クエとかそういうやつを狙う時のラインを巻くやつ、これでスプールをがちっと固定してドラグもフルロックで1キロからのテンションをかけてしっかりぎっちぎちに巻く必要がある、じゃないと引っ張られた時にラインが締め付けられてめり込むんだよね。
だから普通のスプールを固定するやつと違ってリールを固定するためのスタンドもついてるし、最大25キロのテンションをかけて巻く事も出来るやつだから、ちょっとカンナギやらトローリングに手を出すぜ、って時はこれを置いてあるお店を利用するといいね」
「トローリング用品とかマハタとクエを釣るための道具を置いてある店には大体あると思うけどね、というより自宅だとそこまでテンションかけれないし」
「置いてない状態で売っていてかつそっちのテンションがそれ程掛からない、せいぜい500グラムから800グラムっていう安いやつで巻いてどえらい事になるんだよね、掛かった瞬間ラインがズブズブズブーってめり込んでいくの、そしたらもう釣り上げた後は思いっきり引っ張ってめり込んでるラインを抜いて巻き直しよ、でなきゃ仕掛けを落とそうにもラインがめり込んでてラインが出ていかなくなるからね」
「はい、こっちは巻き終わり、リールやロッドのケースは必要ですか?」
「あ、入れて持って帰ります」
「じゃあ箱に仕舞いましてーの…はい、ありがとうございましたー」
「はい、何かあったらまた来ます」
「こっちはしっかりテンションをかけて巻くからもうちょっと待ってねー?ここで手を抜くと後でひどい事になるからね」
「じゃあその間ちょっと店内をぶらぶらしてきます」
「はいはーい、終わったらよぶねー」
「私はその間に冷めたポタージュを飲む」
「温めるなら台所でどうぞ」




