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テテテッ お邪魔しまーす

「朝ー、朝ですよー、寝落ちしてないで起きてくださー……っ!

きゃあぁぁーーーーっ!!」

 何もなかった平和な日常、平和な場所で突如悲鳴が響き渡る。

「なんで…どうして…」

 最近恒例となりつつあった寝落ちしているであろう相手を起こそうと、身体を揺するとそのまま地面に倒れ伏した。

 よく見ると倒れた彼女の腹部には刃物らしき物が刺さっており、椅子や床には血が大量に付着し、どす黒く変色している。

 悲鳴を聞きつけた人たちが間もなく駆け付け、凄惨な現場を目の当たりにする事になった…


「それで、恵里香が起こしに行ったときにはすでに倒れていたと?」

「いえ…何時ものように寝落ちしてるだろうと思い、身体を揺するとそのまま床に…」

「なるほど…」

 簡単な現場検証、腹部に残された凶器、誰が何の目的で、そしてどこから侵入してきたのか、それとも内部の犯行か…

 一度に全てを解き明かすことはできない、少しずつ証拠や証言を集め、何の目的で殺害したのかを明かさねばなるまい…

「まずは部屋に入った時の状況から確認していきましょうか」

「はい…まず彼女は最近よくゲーム中に寝落ちするようになっていました。

ですので部屋に入った時には椅子に座って俯いており、ただ寝ているだけかと思いました」

「なるほど、その時何か変わった様子は有りませんでしたか?」

「いえ、特には…?」

「そう、ありがとう。

では次はアリバイの証明ね、まず私は言うまでも無く、昨日の午後10時からつい先ほどまでロザリアと一緒に部屋にいたわ。

10時前には部屋に戻って行ったのをあなた達はみていたはずよ」

「私は9時頃まで晩酌をして、10時前には部屋に戻って寝ていましたね」

「私も晩酌に付き合っていたので、部屋に送り届けた後部屋に戻ってそのまま寝ました」

「私は晩酌には付き合わず、彼女のゲームの攻略に付き合っていましたね、ただ就寝時間が近づいたので彼女の部屋を退室、その後部屋に戻り直ぐ寝ました」

「ありがとう。

今の証言の中で一番怪しいのは言うまでも無く恵里香ね、殺害されたのが何時頃かはわからないけれど、少なくとも彼女の最後の姿を見たのはあなた、発見したのもあなた」

「っ!そんな!私じゃありません!」

 まだ証拠は何も出ていない、だが現状一番怪しいのは間違いなく恵里香さんだ。

 しかし、葵さんを含む4人が嘘をついている可能性もある、少なくとも今の段階では、この場にいる誰しもが犯人として疑われる可能性が有った。

「ふぅ…此処でこのままこうしていても仕方が有りませんし、この場を離れましょう。

現場を荒らすわけにはいきませんからね」

「わかりました、では私はお茶でも淹れてきますね、朝食…は無理かもしれませんので、クッキーなどを用意しておきます」

「ええ、お願いね」

 現場保存のために極力物には触れず、部屋を出て一同食堂へ。


「さて、現場以外で出来る事を片付けていきましょうか」

 砂糖多めの紅茶にクッキーで軽い朝食を済ませ、現場その外で何か起こっていなかったの確認を始める。

「まずは監視カメラの映像から、家の周りに不審な人物がいないかですね」

「映像、持ってきました」

「念の為昨日の朝からですね」

 持ち出してきた映像を全員で確認し、怪しい者が映っていないかを探す。

 正門から裏門まで、一つ一つ確実に、何かないかと確認する。

「出入りしているのは恵里香の軽トラックに私の車だけ、他に映っているのは…山から下りてきた小動物位ですね」

 犯行が行われたと思われる時刻までの映像を確認したが、人影は映っておらず、外部班と言う線は消えた。

「これは参りましたね…このままでは彼女を殺害したのはあなた達の誰か、と言う事になりますが…」

 外から侵入した様子は無く、この家に住む誰かの犯行、現段階ではそう結論付けられた。


 現場に戻り、変わった所が無いかを探す。

「そう言えば恵里香、昨夜あなたが別れた時の彼女の様子はどうでしたか?」

「ノートと鉛筆を片手に地図などを作成していましたね」

「そのノートと鉛筆は何所に?」

「机を挟んでプレイしていたので机の上に有るはずですが…」

「ふむ…机の上にはノートはおろか、鉛筆すらありませんね」

「おかしいですね、彼女は遊んでいる時は必ずと言っていいほどノートを見ながらプレイしていましたし」

「とすると…彼女を殺害したのは彼女が最近椅子に座ったまま良く寝ている、という情報だけを得た者の可能性もありますね、刺殺の後椅子に座らせれば寝落ちしたようにも見れますし」

 可能性などと淡々と語る葵さん。

「それに、争った形跡が一切ありませんし、顔見知りの犯行と言うのがやはり濃厚でしょう。

誰かが夜中に部屋を抜け出し、彼女の部屋を訪れ、直後に彼女の腹部に刺さっているであろう刃物で刺殺、その後椅子に座らせる。

ただなぜ犯人が刃物を回収しなかったのかは謎ですか…」

 まだ腹部に刃物は刺さったまま、引き抜かれることも無く放置されている。

「少々乱暴ですが仕方ありません…」

 葵さんは手袋を着け、刃物を腹部から引き抜いた。

「この刃物から指紋は取れますか?」

「少々お待ちください」

 何やら道具を取りに行くために現場を一時離れ、暫く待つと色々と持ち帰ってきた。

「これをこうして…」

 用意した道具を使い、刺さっていた刃物を念入りに調べていく。

「出ませんね、刃物に指紋はなし、念の為に部屋中調べますか?」

「そうね、お願い」

 机、椅子、ドアの取っ手と、触れていそうな場所を念入りに調べていく。

「…これは多すぎて逆にわかりませんね、家にいる皆が触れていると思いますので、間違いなく皆の指紋でしょうね」

 念のために皆の指紋を取り確認していくが、家のいる人以外の指紋は出てこなかった。


「次は殺害された場所の特定ですね、これだけの出血です、刺された場所に血が付着しているかも知れません」

 部屋の中の付着していそうな場所、念の為に廊下なども薬品を使い、特殊な光を当てて確認する。

「ドア、取っ手、廊下…反応は有りませんね…」

 薬品をかけた所は何の反応も無く、椅子と椅子の周りに付着している血液のみに反応していた。

「これは…ますますわかりませんねぇ…殺害後座らせたのではなく、座っていた状態で刺したのでしょうか?」

 現状では現場からはこれ以上の証拠は出てこず、次の捜査へと移る。

「死亡推定時刻は…調べれそうですか?」

「少し時間がかかりますがよろしいですか?」

「構わないわ、念の為に刺し傷が一つだけか、それとも複数かを確かめておきましょう」

 衣服に空いている穴を確かめ、その後服を脱がし、傷口の数を数える。

「少なくとも5回は刺されているわね、それも結構深く」

 出血量から傷口の深さを想像し、少し顔を青くする。

「複数回、それもここまで深く、確実に臓器を破壊するように刺しているという事は、犯人は彼女に何らかの恨みが有った…?」

 そして何か強い恨みでも有ったのではないかと推測する。

 その後、死亡推定時刻を調べ、殺害されたのは午前1時から1時半の間と推定された。


「1時から1時半…ドアに鍵は掛かっておらず、誰でも出入りが可能、つまりこの場にいる全員が犯行可能だった」

「待ってくださいよお嬢様!そもそも私達には彼女を襲う理由も恨みも有りませんよ!?」

「そうですよ!」

「美味しい摘みも作ってくれるし!」

「がう…」

「私も彼女を襲う理由も動機もないわ」

 誰にでも犯行は可能だったが、この場にいる全員、動機も何も無かった。

「誰かが侵入した形跡も、争った様子も、動機も、何も出てこない。

一体どういう事なんでしょうか…」

「自殺…と言う可能性は?」

「それは無いんじゃないかしら?

自殺で自分の腹部を何度も深く刺す人はいないわ、それに刃物からは彼女の指紋も出てこなかった。

今から死のうって人がわざわざ指紋が残らない様にするかしら?

それに彼女は手袋はしてないわよ」

 傷口を確かめるために上の服は脱がされているが、その部分以外は触れていない。

「そして、彼女の手に血が付着していない、刺されたりしたら出血を抑えるために傷口を抑えたり、そうでなくとも反射的に触るはず。

誰かに押さえつけられているか、最初から無抵抗でもない限り如何しても何処かに血は付くはずよ。

この部屋で他に調べてない所は有るかしら?」

「特に無いかと?

ベッドも荒れていませんし、布団の中もご覧の通り、血も付着していません。

布団の上で押さえつけて、という事は無いようですし」

 布団などは毎日取り換えているが、椅子で寝る事が増えたため、ここ最近は使われていない。

「となると犯人は複数と言う可能性もありますね、1人が彼女を刺し、もう何人が彼女を後ろから羽交い絞めにする」

「つまり私達全員が犯人だと?」

「あくまでも可能性ですね」

「私達はそれぞれに部屋に戻って寝ていました、誰かと共謀するという事なんて…」

「そういうお嬢様はどうなんですか?

毎日ロザリアちゃんと一緒に部屋で寝ていますし、2人で話し合った結果…と言う事は?」

「何を馬鹿な、私はロザリアと彼女を保護している身ですよ?何の理由が有って…」

「そう言えば、ロザリアちゃんがまた熊に戻っていますし、何かあったのでは?」

「ロザリアちゃんが人になっていた時は母熊の葬式が終わった後…」

「まさかお嬢様、熊に戻ったロザリアちゃんをまた人にするために彼女を…?」

 ロザリアは熊に戻っており、今は人の姿ではない、そして葵さんの傍から離れない。

「こうなると一番怪しいのはお嬢様ですね、ロザリアちゃんも居るので一番警戒されずに近づく事ができ、ロザリアちゃんの為と言えば彼女も抵抗はしないでしょうし」

「ロザリアちゃんの事で話があると近づき、そして彼女を刺した、無くはないですね…

お嬢様、白状したらどうですか?」

「くっ…私は何もしていません!ロザリアも何もしていないのは確かです!」

「でしたら証拠の提示をお願いします、お嬢様は最初から私達を疑っていましたし、潔白であるならそれを証明してからにしてください」

 家の主である葵さんと使用人である葵さん達の間で対立が発生、事態の収拾はつかず、段々と険悪な雰囲気になって行き、ロザリアもどうしたらいいか分からず、お腹が空いたので久しぶりに母乳を飲んでいた。


 葵さんと恵里香さんが言い争いを始め、場の収拾がつかなくなり始めた。

「がう…」

「おーよしよし、争っている人は放っておいてお風呂行こうねー」

「がうっ」

 言い争っている葵さん達をその場に残し、汚れを落とすためにお風呂に入る事に。

 ロザリアはよほどお腹が空いていたのか、それとも久々だからか、出会ったころのように遠慮なく、加減も無く思いっきり吸い付いている。

「おーおー…元気だねぇ…」

 吸い付いて離れないので汚れを落とすのがちょっと大変だが…

 ロザリアがくっついているので当然ロザリアにも汚れは付着する、なのでロザリアの汚れも一緒に落とし、その後ゆっくりと入浴。

 入浴中もずーっと離れず母乳を飲み続けている、よほどお腹が空いていたのか。

 あまり温まり過ぎず、程よい所でお風呂から上がり、バスローブを羽織って食堂でのんびり授乳を続ける。

 部屋はまだ言い争っていては入れる雰囲気ではなかった…


「一体何所へ消えたのか…」

「死体がひとりでに動き出したとか…?」

「何をそんな映画やゲームみたいな事を言ってるんですか、ロザリアも居ませんし、ロザリアが引っ張って行った可能性も…」

 足音と話し声が食堂に近づいてくる。

「あぁ、ここの居ましたか、あなたの遺体が部屋から…」

「…生きてます?」

「生きてるよ?」

「…」

 話し声はピタッととまり、食堂にはロザリアが母乳を飲んでいる音だけ響いている。

「取り敢えずひとついいですか?」

「どうぞ」

 葵さんが歩いて近づいてくると、空いている方の胸の思いっきり掴んできた。

「痛いじゃないか」

「痛いじゃないか、じゃなくて、生きているのなら最初から生きていると言ってください!」

「まあ、寝る前に台本が渡されたから…?」

「台本?」

 そう、寝ようと思ったら台本が届けられたので、その通りに死体役になっていただけである。

「そんなもの部屋に有りましたっけ?それとも今も持ってます?」

「はいどうぞ」

 用意されていた台本を渡す。

「…読めませんね、恵里香は?確か少し習っていたでしょう?」

「ん…んー…?んんー?」

「どうです、読めましたか?」

「平日サスペンス、家に響く若き乙女の悲鳴」

「昼下がりにやってる何所の番組ですかそれ…」

 渡された台本は死体役、としか書かれていなかったので、その後どういった展開になっていくのかは知らない。


「此処が事件が有ったという家か!?」

「すまないが立ち入りを…」

「やあ久しぶり」

「久しぶり、ではなく、ちゃんと部屋で倒れてないと駄目じゃないですか」

「だってロザリアがお腹すかせてくっ付いてきたから、血がロザリアに付着しちゃったし」

「うぅむ…言い争いに発展するのは予想してましたが、流石に子供は何がするか予想がつきませんね」

 ロザリアは我関せずとまだ食事を続けている、どれだけ飲む気だろうか…

「えーと…まず何所から説明して貰えばいいのか…」

 葵さんは頭を抱えながらも状況を把握しようとしている。

「まずは自己紹介からですね、私はそちらで授乳している方の屋敷でメイド長をしております、狐とでも呼んでいただければ」

「私はその補佐でルシフだよー」

「うん?今日は2人だけ?」

「後で野次馬だなんだと人数を増やすつもりでしたが、まあ予定が狂いましたので…」

「なるほど?」

「まあこの際ですから皆呼んじゃいましょうか、それと暫く休暇と言う事でこちらで過ごす準備もしてますので」

「それはいいんだけど、狐さん達は何所で寝泊まりするつもりで?」

「それは勿論ここです、あ、部屋数が足りなければお庭でも貸して頂ければそちらで寝泊まりする場所を作りますので」

「お嬢様、どうしますか?」

「まあ…まあ…彼女の知り合いで有れば少しくらいは大丈夫ですが…何時まで滞在して、人数は何人ほどで…?」

「100人と少しですね、滞在は1ヶ月ほどを予定しております」

「100…そこまで広くありませんよ此処は…庭は広いですが…」

「でしたら庭の使用許可を頂ければ、それ以外の許可は全て得ていますので」

 何の許可を得てきたのだろうか…

「許可って…具体的には何の許可を?」

「もう面倒になったら適当に消滅させてくれればいいと、新しくなったここの管理者から」

「うん?前の人は?」

「これですねこれ」

 なるほど、飛んだか…


「まあまずは落ち着きましょう…」

「ですね、まずはお茶を飲んで落ち着きましょう」

 葵さん達は落ち着こうと震える手でお茶を飲んでいる。

「ふぅ…そうですね…部屋は余っていますがそれでも20人くらいが限度ですね。

庭でしたら十分な広さは有るのでご自由にしてくださって結構です。

それと、これが一番問題なのですが…此処に来る人たちは皆この方のように獣の耳などが有りますか?」

「無い種族の方も居ますね、普通の人もいます」

「こちらで住む人々は獣の耳がついている人はいません、作り物などは有りますが、尻尾もですね。

出歩く場合は隠してください、それと周辺の地図を覚える事、そちらの方が道に迷った挙句結構な騒ぎを起こしてくださいましたので…」

「なるほど」

「次にですが、滞在費用などはどうするおつもりですか?

そちらの貨幣はこちらでは使えませんよ?」

「お金でしたら問題は有りません、ルシフ」

「はいはい、まあこれだけあれば足りるよね?」

「ごふっ!」

「これ…全部本物ですか…?」

「間違いなく本物ですよ、盗んだわけでもありませんのでご安心を」

 ルシフがこれでもかと机の積み上げ、文字通りの紙幣の山が出来た。

「まあざっと…50億位かな?

これ位あれば十分だよね、ははは」

「一体何所からこんなお金が…」

「別にー?貯金を崩しただけだよー、こっちでも幾つか会社持ってるし」

「うん?こっちでも持ってたの?」

「当然!ご主人様の行きそう所には大体あるよー、備えあればってやつだね!」

「貯金を崩しただけで50億用意できるとか…石油王か何かですか…?」

「石油はそんなに取り扱ってないねぇ、銀行とかはいくつか持ってるけど」

「通帳ではなく銀行自体を…?」

「自体だね、大体40くらいかな?ここだけじゃなく各国のも含めてだけど」

「たとえば…此処の銀行は…?」

「私の所だね」

「ではこちらの国のここは…」

「そこもだねー」

「名前も国籍も姿も全て違うんですが…」

「うん?そりゃ実際に動かしてるのは現地の人だし?

私は人事とか色々弄ってるくらいだね、邪魔になったら消えて貰ってるくらい」

「…」

 まあ、うちでもやってることを、他の所だからって遠慮してやらないルシフではないよなぁ…


「滞在したりする費用などは分かりました、ただ、騒ぎなどが起きた場合は身元の証明などはどうにもなりませんよ?」

「その点はご心配なく、その時はこの一帯が綺麗になるだけですので」

「何を指して綺麗かはわかりませんが…出来るだけ事を大きくしないでくださいね…揉み消すのも大変なので…」

「ルシフ」

「はいはい、こちらの書類をどうぞ」

「えーと、何々…

…これ本当ですか?」

「本当だし本物だね」

「何が書かれてるんです?」

「色々な許可証ですね、何をしようが御咎めなし、各国の首脳陣のサイン入りです…まあない所も有りますが、されても文句を言った所で各国から圧力がかかって黙るしかないです」

「見なかった事にして良いですか?」

「駄目です、もう引き返せません」

「ははは、大丈夫大丈夫、何もしなければ此方も何もしないから、ただ休暇を取りに来ただけだよ」

「はぁ…そちらの言い分を信じるしかなさそうですね…」

「では私は皆を連れてきますね」

「はいはい、じゃあ私はちょっとお出かけしてくるね、移動用の車とかいろいろ用意してくる」

 狐さんはいったん屋敷に戻り、ルシフはそのまま何処かへ歩いて行った。

 しかしロザリアはまだ飲み続けているな、自分の体重より摂取してないかこれ…


「では暫くお世話になりますね」

 1時間くらいたった後、屋敷に住むメイド達全員と最低限の荷物を持って帰ってきた狐さん。

 宿泊するための場所は何時もの方式で作り、空間も弄り見た目よりはるかに広い小屋が出来た。

「見た目はただのログハウスですよね」

「中は200人くらいは余裕で入れますよ」

「色々とある物ですねぇ…」

「たっだいまー、車調達して来たよー」

「お帰りなさい」

「調達って、そんな簡単に手に入る車ではないような気がするんですが…これ全部有名所のスポーツカーなどですよね…見たことのないモデルばかりですが」

「うん?一番いいの用意してーって言ったら出てきたのがこれだね、今年中に発表されるんじゃない?」

「うわ、うわ、うわ、これ私も運転してみたい」

「別にいいよー、レース場なんかも抑えてあるから、そこで好き放題走らせても良いね」

「軽トラック、軽トラックは…?」

 恵里香さんもぶれないなぁ…

「無くはないよー、あそこの一角にほら」

 軽トラックが3台、幌は付いていないようだ。

「まあ単純にお買物ならこれが一番だしねぇ、ちょっと大きなものでも簡単に積み込めるし」

「ですよね!軽トラが一番ですよね!」

 葵さんの乗っているような車より軽トラックに反応する恵里香さん、他の2人は軽トラックには見向きもしていないのに…


 その後、纏めて挨拶が行われ、暫くお世話になるという事で食事会。

 お昼ごろにはロザリアも人型に戻っており、何やらメイド達に囲まれていた。

 メイド達はロザリアに何かを教えているようだし、問題はなさそうだね。

 しかし…全員で押しかけてくるとは…

 まあしばらくは様子見だな。

刃物

根元までしっかり刺さっていた

家にあった物でもご主人様の私物でもない、そもそも普通の刃物は刺さらない

犯人は耳と尻尾がある人


アリバイ

皆証明できなかった

室内に直接侵入、台本を渡し、その後プスっと複数回刺して屋敷に帰った


死体役

心臓も自由に止めれるし死後硬直だって自由

完璧な死体の振りができる


事件が!

遊ぼうとしたらロザリアが食事を始めたので破綻した

子供の行動は予測できない


ログハウス

見た目は掘っ立て小屋、中はそこそこ豪華

空間を弄ってあるので200人は余裕で住める


移動用の車

最新物から発表前の物まで、スポーツやスーパーカーがメイン

お買物用に軽トラックも3台ある


サスペンス

何時まで経っても昼ドラにならなかったので急遽内容を変更した

ただ現場検証ごっこなどがしたかっただけ、なお家主には無許可、やりたい放題

犯人は現場検証をしに来た刑事だった!

なお証拠は協力したご主人様とルシフの証言しかない

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