なんでも狙えるからこそ 今はたぶん発狂しない
「えー、今日はカットウ釣りからの途中でタチウオに変更という予定でしたが、さらに予定を変更してこちら、タイラバもちょこーっとやっていきます、予定通りに終わる事がほぼほぼないというのが船釣りの楽しいところですね」
「ターゲットを探していろんなところを回る都合上いろんな魚が釣れるからね、その過程で狙いの魚とは違うけどいいやつが釣れたら予定変更はよくある事よ、餌が3種類くらいあってかついろんな物を持ち込んでる時に限るけどね」
「キャスティングだとまず無理、ジギングならまあ場所次第で色々ですけど、こればかりは餌じゃないとどうにもなりませんよね、まったく釣れないって事は無いですけど確率がねー…
というわけでタチウオに行く前にこちら、タイラバプラスエビ、餌がなくても釣れなくはないですけどあるとより確実に、なので餌があるほうがいいですね、タイラバ用のヘッドも丸型小判型太鼓型おたふく型と種類がありますけど、今日のヘッドはナツメ型ですね、普通のヘッドと違って中に糸を通さない、代わりにアイがついていてスプリットリングやスナップで装着、といったタイプの物ですね。
このタイプは小判とおたふく型にもありますけど、このナツメ型は中ほど付近に溝を作っていて、フォール中と巻き上げている時に通常のナツメ型よりゆらゆらと揺れて、アピール力を高めて魚のスイッチを入れて食わせる、そんなやつです。
ネクタイの形と合わせてイカに見えるからという説もありますが…人の目と魚の目では見える物が違うので何ともですね、一応ナツメ型はおすすめではありますよ?要はオモックとほぼほぼ同じですので、スカートを着けなくてもヘッドだけで釣れちゃうっていうね、タイはスカートがある方が釣れますけど、それ以外なら軽めのオモックと同じ使い方で大丈夫です」
「最近は結構増えてきたよね、ヘッドの中に通すんじゃなくてアイを付けて針と別々にするタイプ、丸型でそれをやる意味はまああまりわかんないけど、小判とかオタフクはフォールでのアピール力はかなりの物だし、作りが作りだから自作も簡単ってのがいいね」
「自作の場合オモックの作り方を応用すればいいだけですしね、というより同じというか、そのままというか、溝なんかは自分で削ったりして作らないとですし、着色も自分でやらないとですけど、意外と簡単に作れるのは確かですね」
「釣り具は基本的に何かの応用で出来てるってのを思い出せばいろいろ自作出来て楽しいぞー?これなんか新しいのでてんじゃーん、って思っても昔から存在しているものをくっつけただけで新しくも何ともないってのが結構あるからね」
「まあ…たまにわけのわかんない物が出てきたりもしますけどね、リップ付きペンシル、シンペン…それただのミノーじゃろがいってのとか、海釣りに最適新型長方形スプーンってそれただのブラーだろ!ってのとか」
「知ってる人からしたら噴飯物だよね、ブラーとか1個150円もしないのに新型長方形スプーン!ってパッケージに書くだけで10グラムが1個750円とかになんのよ?知ってるやつは誰一人買わねぇよっていう。
リップ付きシンキングペンシルもリップを付けたからって500円から600円増額とかいうわけがわかんないものになってたりね、そういう詐欺商品を買っちゃダメよー?」
「いかに初心者をだまして高く売るかっていうメーカーもボチボチありますし、そういうのをわかってて仕入れる店も店なので気を付けてくださいねー?
と話がずれるのもうちのチャンネルあるある、そして準備ができたところで後は待ちと」
「さっきまでいたところでも釣れなくはないんだけど、フグが大量にいるのと砂地がそれほどねー、というわけで到着ー、水深60のたまに岩があるくらいで根掛かりの心配はないから底まで落とせー」
「よっしゃー、釣るぜ釣るぜ釣るぜー」
「となったところで私から説明、おそらくというかほぼ間違いなく画面外で狙ってなかった魚、されど今日狙ってる魚のどれよりも美味しい魚が釣れたので、急遽船をちょっと砂地の方まで走らせたってやつ。
で、画面外で何が釣れたのかというとこちら、シロアマちゃんです、去年アホほど大量発生して獲りまくったはいい物の、値崩れしそうになって結果的にあまり漁獲されなかった高級魚です、それでもキロ単価3000円くらいまでは落ちましたけどね、これをリオちゃんが釣りました」
「カットウ針が根掛かりして外れねーって底でガチャガチャやってたらエビを付けてた餌針の方にに掛かってたっていう偶然の産物、根掛かりが外れたと思ったらギューンと走って行って、頭もグングン振るからタイでも食ってきたのかー?って思ったらシロアマだったっていう落ち」
「大昔はその辺でぼちぼち、ちょっと昔は金になるからと生ごみとして捨てるほどに獲りすぎて漁獲量激減、そこからしばらく研究して養殖して放流だのを繰り返しつつかなり厳しめの漁獲制限を設けて、どれが効果あったのかはわからないけど大量に増えて今に至る。
まあ、個人的には漁獲制限の効果で増えたんじゃないかなーと思ってるけどね、稚魚は放流してもほぼほぼ餌になるだけだし」
「でも今の時代研究が進みに進んで養殖できないものの方が少ないんじゃないか?ってくらいにはなってますし、食卓に並ぶようなのは全部陸上でも安価で大量養殖が可能になってますし、漁師も昔ほど獲らなくなりましたよね」
「加工品にすれば使い道は出来るとはいっても漁獲制限はきついままだからね、獲りすぎると数か月の操業停止プラス罰則金が発生するし、漁獲量の偽装で少なく報告ってやると漁港と市場両方潰されるし、天然物は少量、後は養殖に従事ってのが今の漁業だね」
「養殖の方が今は儲かりますしね、天然物信仰があるのでマグロとかそういうのは天然の方が高くつきますけど、獲れなきゃ儲からないのでやっぱり養殖が安定ですね」
「養殖物のいいところは当たり外れがなく年中旬の状態、天然物のいいところは食べてきたものによって風味が変わるってところかな?問題はそれによって同じ魚でも当たり外れの差が凄い事になるし、いい物を食べてきてるやつでも旬からずれてるとすごい勿体ない事になる」
「牡蠣とかウニをたらふく食べてるクロダイってめちゃくちゃ美味しい、何ならマダイより美味しいまであるんですけど、夏だと痩せてていろいろ勿体無いんですよね…脂もぬけてて身も薄っぺらくて…美味しいだけに旬で太ってて脂がのってたらなーってなるんですよ」
「ボラもそうだけど、クロダイは川に入ってきて泥臭いどころかヘドロ臭いまで行くこともあるから、夏場に当たりを引いた時の悲しみと言ったらね…と言ったところでシロアマをこそっと釣る店長兼船長、今日は刺身と松笠揚げで晩酌じゃー」
「よく寝かせた方が美味い熟成させないのは勿体無いっていう人がいますけど、食感も旨味の一つであるという事を考えると締めた直後の魚って意外と美味しいんですよね、釣りをして野絞めになってるのばかりを食べてる人は一度試してみてください、釣った直後のアジとかの頭を直ぐ落として開いてざっと洗って刺身で食べてみてください、結構びっくりするくらい美味しいですよ?」
「時期が時期ならカツオの遊漁船に乗ってみるといいよー?1分前まで生きてたカツオの刺身がお昼ご飯で食べれるから」
「アレかー…アレは美味かったなー…釣っている時間はちょっとした戦場だったが、生臭いとかそういうのは一切ないし、刺身も美味ければ玉ねぎと一緒に漬けにしたやつも美味いんだよなぁ…」
「そういえばジュリアは去年離島の方までカツオを釣りに行ったんだっけ?」
「行ったよ、船の上は戦場だったよ、怒号が飛び交うとかはなかったが絡んだ時のラインカットの判断も早いし、ラインブレイクしたりロッドが折れたらさっさと船員に投げてさっさと予備を出して使えとか、のんびり引きを楽しむとかそういう釣りではねぇな」
「合理的ではあるのよ?のんびりやってたら疲労がたまって味が悪くなるし、カツオの群れを追ったり先回りしてやってるからのんびりやってるとカツオがどこかへ行っちゃうし、絡んだのをそのまま引き上げてたら時間がかかるからあげるのが遅い人のほうをカットしてさっさとあげて貰う、上げた後に口に掛かってたジグでどっちのだったかを判断すればいい、後走らせれば走らせるだけ絡む確率も上がってくるから、PEも4とか5でリーダーも太いのを使ってドラグもほぼフルロックで一気に抜きあげる。
スピード勝負なのもあるから針外しもしやすいように返しがついてないもの、ついてるものは事前に潰しておく、って感じで」
「アレすげぇよなぁ、3キロ4キロならわかるが、10キロクラスですら網もギャフも使わずぶっこ抜きするし、そのためのPE5号と60lbリーダーなんだろうけど」
「私にはあの船はまだまだ早かったよ…」
「リオはねー、もうちょっと鍛えてからがいいね、もしくはこういう貸切でのんびりできる船でゆっくりやり取りしてあげる釣りがいいかな?」
「2キロのカツオですらひーこらひーこらいいながらあげる程度の筋力しかありませんゆえ…」
「モデルを続ける限りはトレーニング量を増やして一気に筋力体力をってわけにはいかないからそこは仕方ないね、うちとしてはいつ辞めてくれでもいいっちゃいいんだけど、もう元は取れてるし」
「もうそんなに稼いだ?」
「国内だけじゃなく国外にも需要はありますし、輸出もしているので結構びっくりするくらい稼いでますよ?その分出費も多いので手元にはそれほど残ってませんけど、プラスではあるのでもういつでもって状態ですね」
「リオはお小遣い稼ぎ感覚で契約外のモデルもやってるし、短期間で地味ーに稼いだんじゃないの?」
「契約外のは大体釣り関連かなぁ?チャンネルと関係のあるメーカー限定だけど、アパレル関係とかそういうやつのモデルをね?そっちは大体1回200万から500万くらいで受けてるよー?」
「高いのか安いのかよくわからんな」
「プロスタッフとかの契約料を考えると1回で200はかなり高いね、まあ元が簡単に取れるからこそなんだろうけど」
「リオはファンがすごい多いし、身に着けてる物すべて同じにして揃えようって人が多いから、その層を狙い撃ちにするならリオを起用するのは有りだよね、リオ自身もさすがに釣りをしないならロッドとリールを買うのは止めてね?って発信してるけど」
「私と同じ道具を買い揃えたらそれこそ1000から2000万くらいポンッと飛んじゃうし普通に止めるよね、この前なんかボートを買おうか悩んでる子までいてびっくりしたよ、船舶免許に保管場所にで無理だったみたいだけど、両方クリアしてたら買ってた可能性があると考えると…釣り関連のアパレルとかのモデルをやるも善し悪しだねー…」
「アルマディンフェンリルコンプリートは本当に1000万からはポンッと飛ぶし、私はさらにリールも5台ずつに予備スプール10個ずつにーで2000万コースだなぁ」
「ジュリアは金が余ってるからって買いすぎなんだよ、使い道がないというのもわからんでもないけど」
「こっちに来る前というか向こうで大会なんかに出てた時は出しても精々300ドルって感じだったが、強度から何まですべて最高クラスというかこれより上がほぼ存在してないというか、今後これより上が出るとしても何年後なんだよってのもあるし、出たとしてもマイナーチェンジだろうしでそりゃコンプリートする勢いで買うよなって」
「マーメイディア辺りからくっそ高いハイエンドに味を占めた感があるよなジュリアは」
「というよりそれ以前のハイエンドが酷過ぎたんだよ、輸入して買った1500ドルのXXHロッドが根元から折れたんだぞ?1回のファイトで、そりゃもう300ドルくらいの強度重視の国産を使うようになるだろ」
「何を相手にしたら根元から行くんですかね?というよりどこのロッドですか?」
「マキシマのGBFSだよ、当時だと最新のやつだな」
「あれかー…私が抜けてからのGBは微妙の一言に尽きるぞー?設計思想も変わって高弾性から超高弾性かつカーボンも99.9%でグラスを徹底排除して軽量化ーみたいな感じだし、60とか70のボラくらいならまあ行けなくはないけど、80になってくると破断する可能性が出てくるし、GTなんてかけようものなら一発で折れるくそみたいなロッドだよ、だからジュリアとの相性はめちゃくちゃ悪い。
あ、でも今もGBXはいいロッドだから皆買ってねー?趣味全振りだからトラウト用しか作ってないし出てないけど」
「国内国外で求められる物が違うってのが問題ですねぇ、マーメイディアとワイバーンは国外でも通用するようにと作られてますけど、GBシリーズはもう完全に国内のみみたいな方向に進んでましたし、強度と汎用性でいえば間違いなく初代の方が上なんじゃないですかね?」
「私がプロをやってた時は国外に飛び回ってたのもあって、当然の如くバラマンディだけでなくトレバリーやらピラルクなんかにも耐えれるようにと作ってたけど、抜けた後に国外の大会に出るって人がほとんど居なくなったし、そうなると国内に合わせた物にどんどん変わっていって、当時の開発者達も抜けてどんどんこねくり回されていって設計思想が当初の物からどんどん離れて行って…ってのが当時のGBかな?」
「あれからマーメイディアが送られてくるまではずーっとハイエンドには触れてなかったから…20年くらいはずーっと300ドルくらいのロッドとリールでやってたんじゃねぇかな?」
「向こうは兎に角折れない壊れないことが重要だしね、その辺の海でメーターのマッカレルを釣ったりするし、ちょっと船で沖に出てツナフィッシングしようぜーってのもあるし、感度がどうのこうのより兎に角強度重視なんだよね、感度なんか気にしなくても釣れるものは釣れるんだよって感じで釣るってのもあるけど」
「僅かな当たりが取れるに越した事はないが、当たった時はもう食ってるし、ひったくるようにもって行かれるから感度とかそんなもんはどうでもいいんだよな」
「この国とは完全に違いますよね、こっちは僅かな当たりに合わせてフッキングってのが多いですけど」
「こっちはセコ釣りで口を使わせる、向こうはがっつり飲み込ませる勢いで食わせる、というのが大きな違いだね、今の国内プロが国外じゃまったく活躍できない、むしろ国外へ行く気が全くない原因でもあるけど」
「イラつかせて口を使わせるのと最初からやる気にさせて食わせるのだと後者の方がはるかに釣れるしでかいのが来るからな、そりゃこの国の釣り方じゃあ優勝は出来ねぇよな」
「なんて話をしつつもきっちりシロアマダイを釣っていくのでしたとさ」
「今日の夕食はてっちりにタチウオのしゃぶしゃぶ、シロアマダイの松笠揚げに刺身、ついでにシロアマダイもしゃぶしゃぶに…いやー、贅沢ですねー」
「話してる間にどんどん釣ってて現在11匹、どれもこれも50を超えて太っているのもあるし、ちょっとくらい勿体無いって言われるような使い方をしてもいいかもね」
「当時超高級品で高級な料亭でも競り落とすのに苦労した事もあるあのシロアマダイがなんと無残な姿に!?ってのを作ろうぜー、何なら現役の料理人が発狂しそうなやつ」
「一番簡単に発狂させれるのはすべてを覆い隠すカレー煮込みとか、ジャンクの代表であるバーガーとかですかね?」
「どっちも作り方によっては唸るような一品が出来そうではあるね、普通のカレーに放り込んで煮込んだらうわぁ…ってなるかもだけど」
「南印式の小麦粉を入れないカレーだと普通に美味しく見えるかもしれませんね、それじゃこのまましばらくシロアマダイを釣って、満足したらタチウオを釣りに行きまーす」
「フグでそれなりにエビは使ったし、後10匹も釣ったら終わりかな?」
「シロアマ後10匹とかまったく釣れず幻とか言われてた当時の人が聞いたらどう思うんでしょうね?」
「ふざけんなコンチクショウじゃない?」
タイラバヘッド
糸を通すタイプとスナップで付けるタイプと2通り、地域によって反応が違うので複数持ちこむのがいい
丸、小判、太鼓、オタフク、ナツメ型を使って自作することも可能、なんだったらオモックをヘッドにしてもいい




