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鉛筆と方眼紙 時間泥棒

「こちらの娯楽…ですか?」

「そうそう、テレビはよく見るようになったし、本も読めるようになってからは色々読んでるけど。

他には何が有るのかなーと」

 勉強を終えてからと言う物、日がな一日、ほぼ毎日、借りた本を読んで時間を潰しているわけなのだが…

「そうですね…チェスや将棋と言ったボードゲームなどは?」

「読んでいた漫画とかに出てきたのならやったことあるか…な?

コマの形とかが違うだけだと思う、麻雀もあると言えば有る、安全なのから危険なのまで」

「ただのボードゲームに安全とか危険とか有るのですか?」

「あるよー、危険な奴は一歩間違えると…家が消し飛ぶ?」

 練習にはいいんだけどね、精密動作とか力加減とかの、力任せにやると確実に辺り一面消し飛ぶからなぁ…

「家が消し飛ぶとか随分危険なボードゲームですね…それ本当に同じ物ですか?」

「まあ形は?」

「形だけでも似た様なのが有るのなら目新しさは無いかも知れませんね。

後はスポーツやテレビゲームなど位ですかねぇ?」

「球技も似た様なのは有る、映像媒体の物も有るけど、なぜか恋愛?物ばかり…?」

「シューティングやロールプレイングと言った物は無いんですか?

後シミュレーションなども」

「無い…んじゃないかなぁ?」

「でしたらそちらに手を出してみては?

恵里香が部屋に相当貯め込んで、部屋に置き場がなくなったから空き部屋を置き場にしてるくらい持っていますよ」

「なら後で借りてみようかなぁ」

「時間的にそろそろロザリアを連れて帰ってくる時間ですし、その時に聞いてみれば?」

「そうするかぁ」

 どんな物があるかはわからないが、触れたことが無い物に触れるというだけでも楽しい物だ。


「新しいのと古いのどちらが良いですか?」

「何か違いがあるの?」

 昼食後に何かゲームが借りれないかと相談中、数十年前に出た物からつい最近出た物まで持っているらしい。

「新しいのは単純に映像が綺麗ですね、映像が綺麗なのと面白いは比例しませんが、まあだからと言って古いから面白いというわけでもないですねー。

普通の作品から良作と呼ばれる物、世に出したことを恥じた方が良い程のクソゲーやら、良く許可が下りたなって言う位のバカゲーまで。

色々ありますよー、何がやってみたいですか?ロールプレイング?シミュレーション?それともシューティングやアクションなど?」

「まず何がどういうゲームかが分かんないなぁ…」

「そこからですか、ロールプレイングは基本的にプレイヤーがゲームの主人公などになり切ってーって感じですが、昨今ではそういう事も無く、ただレベルを上げて出てくる敵を倒すってのが主流ですね、操作するキャラも一般人から王族だったりと、何でもありですね」

「ふんふん」

「シミュレーションは仮想ですね、戦略だったり、経営だったり、開発だったり、恋愛だったりと幅広いですね。

シミュレーションRPGというロールプレイングの方からレベルなどの概念を取り入れた物も有りますね、こちらは育成計画を練ったり、最終的にはレベルの暴力で一方的に蹂躙してゲーム性を壊したりいろいろ悪さできますね」

「経営…一応お店を持つ身としてはやってみる方が良いのだろうか…」

 店長代理として雇っている仲居さんが優秀だからすべて任せているけど、何か口を出せる方が良いのかなぁ…

「お店持ってるんですね…

まあゲームはゲームですので、現実では有りえないような経営にしかなりませんよ、開発や戦略、恋愛も。

遊びは遊びと言う事ですねー、真面目に突っ込みながらやるより、笑い飛ばしながらやるのが良いです」

「ほーん」

「シューティングはパターン構築ゲームですね、いやらしいランダム要素を取り込んだ物でもない限り、動きを完全に再現すれば全く同じ結果が出ます。

アクションや格闘等はコマンドを入力して相手を倒していく感じですかねー。

他にもジャンルは増えて行っているのでまだありますが、どれか興味がある物は有ります?」

「んー…お勧めだと…どれ?」

「そうですねー、これなんかどうです?RPGと言えばこれと言う人もいますし、今でも一部から根強い人気、他社からも似た様なゲームが作られるなど、今でも新作が作られたりしているくらいですね。

やり込み要素も有りますよ」

「ふんふん、じゃあそれやってみようかな?」

「実機はー…無くはないですが、今の時代は古いゲームをダウンロード販売などしているので、そちらの方が映像も綺麗でぼやけたりもしませんのでこっちですね。

一応歴代のシリーズ全部購入済みですので、じっくり遊べますよ」

「どうやって遊べばいいの…?」

 物だけをポンと渡されても困る…

「あぁ…まずは接続などからですね…部屋に行きましょうか」

 恵里香さんに遊べるようにして貰い、遊び始める時から終わる時まで、操作方法や使い方を教えて貰った。


 夕食までは時間がまだまだあるので早速遊んでみる。

 まずはキャラクターの作成から…種族が人間にエルフにホビットに…人間は分かるがエルフとかホビットはなんだかわからんな…

 分からないときは説明書、説明書に有るようにある程度お勧めで組んでいく。

 名前は付けないとどうしようもなかったので適当に…

 6人組みを作り終えたので冒険開始、の前に装備の確認をしないと駄目らしい。

 戦士…装備良し、僧侶と魔法使い…良し、盗賊も良し。

 では初の冒険に出発ー。


「えーと、ここが此処に繋がってて…ここがこうなってて…」

 遊び始めて1時間、初の冒険は出発して10分で全員お墓に埋まった。

 迷子からの奇襲、なけなしの体力も落とし穴で削られ、最終的に帰らぬ人となってしまった…

 あれだね、適当に歩いてその辺の扉を潜ったらだめだね、何所が何所だかわからないもん…

 前後左右どちらを向いても同じ景色、そして迷子…まさかゲームでも同じ目に合うとは…

 現在は勉強で使っていた余りのノートに記録中、方位磁石が無いので、回転床などを踏むと何所を向いているか分からなくなるのが何とも…

 魔法で確認はできるが、回数制なので頻繁には使えない、少し進んで記録してある所と照らし合わせ、違ったら追加していく。

 進めるギリギリを攻めるのではなく、余裕を持って帰れるまで探索して帰る。

 そして戦利品を鑑定し、不用品は売り払い、少しずつ装備を整えていく…

 地図を作成しつつ、慎重に進め、開始3時間でレベルも4に上がり、1階の探索はほぼ終わりつつあった。

 しかし…全部で何階まで有るかはわからないけど、1階でここまで苦労するとなると…最深部に着くの何時くらいになるんだろうか…

 1階の地図の作成が終わり、一旦街に戻り、戦利品の処理、消耗品をいくらか買い、2階へ行く準備を始めた。


「えーと…これが相手にしちゃ駄目なやつと…これが相手にしても良い奴と…」

 2階の地図の作成を始めて20分、救出した1組目のパーティーは再び全員お墓に埋まった…

 まさか1階と2階でここまで差があるとは…

 あまり変わり映えしないなぁと進めていた所で、首が飛んでいった、他にもレベルが1まで下がっていたキャラもいた。

 これは中々…時間がかかりそうだなぁ…全滅したパーティーの回収と言い…育成と言い…

 要注意の敵はメモも取った、もう相手にせず逃げ一択にすればいい、少しずつ、少しずつ歩を進めて行こう…


 集中していると夕食の時間が近づいて来ていたので中断。

 それはそれ、これはこれでちゃんと分けないとね。

 白ご飯にお豆腐のお味噌汁、豚ロース塊の味噌漬け焼き、出汁巻き卵、ほうれん草のお浸し。

 んー、簡単ながら満足感もばっちり。

 漬けて置いた味噌だけでも十分に香りはいいが、七味を少しだけかけても良い…

 胡椒も悪くないし、チーズをつけても良い、味噌って便利よねぇ…

「味噌に香辛料やチーズなど、邪道と言う人もいますが、美味しく頂ければ邪道でも良いですよねー。

美味しく頂いてこそです」

「だねぇ」

 醤油ベースに果汁などを足したタレに漬けた豚に、紅しょうがを入れたマヨネーズかタルタルもいいんだよねぇ…


 夕食を終えたらお風呂に入り、部屋に戻ってゲームの続きをば…

 まずは救出パーティーの最低限の育成に…蘇生費用に…

 地味にやる事が多いなぁ…

 救出パーティーは今レベル3で…全滅した場所が此処で…

 …全逃げすれば行けるか…?

 全滅したのは通路、階段から離れてはいるが部屋には入らない、一直線に向かえば敵と出会う事は…

 考えること暫し、最低限の人数で救出を開始。

 1回目で2人救出、2回目でもう2人、3回目で全員救出完了。

 蘇生代が足りなかったので育成ついでに戦利品を売りつつコツコツ稼ぎ、全員蘇生完了。

 3回目となる1組目のメンバーでパーティーを組むが…レベルが1やら2に下げられたので酷い事に…

 またコツコツと上げないとなぁ…


 再度育成を始め、今度は5から6まで上げたので、再び2階に挑戦。

 まだ全ての敵とは遭遇していないと思うので、何が何をしてくるかもメモをしなければなるまい…

 階段からは余り離れず、近場に有る部屋に出入りを繰り返し、出てきた敵、やってきた行動を全てメモ。

 少しでも消耗したらすぐに街に引き返す。

 正体が分からないことも有るので完璧に、とは言えないが、1階と2階に出てくる敵と行動を全てメモ完了。

 これで何が安全で何が危険かはわかった、ここから2階探索の始まり…の前に、近くの部屋に出入りを繰り返し、戦利品を集め、戦力強化を図る。

 しかし、1階と出てくる物がさほど変わらず、強化をする事は出来なかった…


 装備を集めるのは諦め、2階の探索を開始。

 少しずつ地図を埋めては街に戻りを繰り返し、ある一角で経験値がかなり多い敵が固定で出ることが分かったので、念入りにメモをしておく。

 今現在探索に使っている1組目を只管戦わせ、レベルも10まで上昇、体力も最初に比べると見違えるほどに増えた。

 念のために救出用に作った2組目も育成、同じようにこちらも10まで。

 鍛え終わった後は地図の作成を再開、育成終了後は進行速度が上がり、30分ほどで地図作成が完了。

 次の階層への階段も見つけてあるし、まだまだ先は長いなぁ…

 後もう午前3時だなぁ…寝ないとちょっと不味いかも…でも次の階層へ進みたいような…

 そんな葛藤をしつつ、眠気を騙し騙し続けていたので、椅子に座ったまま眠りに落ちていった…


「ははぁ…それで寝落ちしていたと」

「少しずつ探索範囲が広がっていくのが楽しくて」

「そういうゲームですからねぇ、少しずつ探索範囲を広げていって、良い装備を拾っては付け替えてを繰り返し、最終的に迷宮の最奥で目的を達成し、帰還するゲームです」

「何階まで有るかはわからないけど、暫くは楽しめそうだねぇ」

「まあ程々に、ですね。

あまりどっぷりやると気が付いたら夜が明けていた、なんてことも有りますので」

「ふんふん」

「それに…シリーズ全作制覇するとなると、数百時間は持っていかれますね。

どの程度やりこんで何所をゴールにするかによりますが」

「ふむぅ、まあ時間はいくらでもあるからいいかな?」

 できれば持ち帰りたい気もするが…屋敷じゃ動かせないしなぁ、動力が違うし。

「さて、午前中のやる事はやったし…続きやってくる」

 早く続きを…そして3階の地図を作成するのだ。

「程々にですよ、程々」


 結局その日は、気が付けば昼食、気が付けば夕食、果ては気が付けば午前2時と。

 ほぼ丸1日ゲームに没頭し続けていた。

 恐るべし…探索型RPG…

 そして翌日、葵さんから午後11時までと言うお触れが出された。

RPGといえばこれ

さぁ、方眼紙と鉛筆を用意しよう、方眼ノートでも良い

事故で何所かに飛ばされると大変

他にもRPGといえばこれと言う作品はいくつかある


種族

イメージ画像でもあれば、あぁ…と結びつけるはできる

似た様な種族でも呼び方が違えば気が付かない


首が飛ぶ

物理的に飛ぶ、即死

奇襲からの連続クリティカル


レベルが下がった

レベルチューチュー、1で吸われると問答無用でロスト

見た目で判断してはいけないやつその2

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