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デンタルケアは大事 そもそも捕獲出来ません

「おー主様丁度良いところに、ちょい頼み事ー」

「はいはい、なんでしょうな?」

「オパールとオニキス用のガムが無くなったから追加をよろしくー」

「前に見た時はまだあったと思うけど、お付きの人が甘やかして沢山上げたりした?」

「いやー、沢山上げたというよりは顎の力がかなり強くなったみたいでさー、ガムを噛ませるにしても1つや2つじゃ足りないから3つ4つ纏めて噛ませてたらねー、無くなっちゃった」

「あー、なるほどね、じゃあちょっとオパールとオニキスのお口を確認しないとね、というわけでオパールとオニキスちょーっとお口を開けてねー」

「がう」

「ヴォフ」

「んー…どれどれ…歯と歯茎には何の問題もなしの口臭はまあ獣ではあるけどほぼないね」

「オパールとオニキスもにんにくたっぷりのタレを好むから口臭や体臭を消すガムは必須だよねー、出なきゃ次の日大変な事になるし」

「じゃあ次はこれを軽く噛んでみてー…もうちょっと強く…はいそこまで、んー…なるほど、毎日ハードなガムを噛んでたのもありそうだけど、爪が鋭くなったのと同じで顎も大分強くなってるね、これだと一度に3つ4つは噛んで力を分散させないとハードガムでも柔らかすぎるくらいだね」

「噛みついてくる時は甘噛みだから怪我をする事はないけど、ガムを噛む時は割と本気でガジガジ噛んであのオパールとオニキス用に作られた硬いガムをあっという間にボロボロにするんだよねー、オパールとオニキスが美味しそうに毎日ガジガジやる物だから気になった使用人が試しに噛んだら歯型すら付かなかったって言うガムを」

「人が食べても大丈夫な物で出来てるけど、興味本位でペット用のガムを噛むってのもある意味有望な使用人だね」

「犬猫では無いけどハウンド系統の獣人だから気になったんじゃないかな?本人は骨くらいなら噛み砕けるくらい顎も歯も強いと自負してたけど、ガムを噛んで歯が割れそうになったとか言ってたよ」

「そりゃねぇ…ハウンド系って事は犬に近いと言えなくもないけど歯の形状はオパールやオニキスとは全然違うし、歯と顎の強さも全然違うから歯が立たないどころか割れそうにもなるよねって、オパール達用に作ってるガムって鉄板より硬いし」

「もし本気で噛まれたらと思うとぞっとするね、そんな事はしないってのはわかってるけど…でもそうかぁ、その鉄板より硬いガムでもダメになってるのかぁ…」

「駄犬用のガムは無理だろうからオパールとオニキスに合わせたガムをまた作らないとだねぇ、ガムは1個もない状態?」

「使用人が噛んで戻したのが1個だけー、一応洗いはしたけどなんとなくオパールもオニキスも噛みたがらないからそれだけ残ってる」

「繊細なとは言わないけど頭のいい子達だし、なんとなく人の食べかけは嫌、もしくは取っておいてあげてある感じなんだろうね、まあそのガムは一応使用人さん用に置いておいてあげて、また噛むかどうかはわかんないけど」

「ハウンド系というか犬系の獣人の子は顎とか歯に自信のある子が多いし、鍛え終わったらまた噛むんじゃないかなぁ?ペット用ガムだけど」

「そんな自信は捨ててしまいなさい」


 えーと、プレーンよりミルク味を好むからミルク味を多めに作るとして、原料は変えず今のままでもっと圧縮して以前の倍以上は硬く仕上げて、体格自体は変わってないので大きさはそのまま、歯を丈夫に綺麗にするための混ぜ物も今の歯に合わせて配合率を変えまして…

 今日確かめた感じだと顎はまだまだ強く歯も頑丈にになっていくだろうからまずは一ヶ月分で様子見、大丈夫そうならしばらくはそのままでダメそうならもっと硬いのに変えて…でも硬すぎると逆に歯が悪くなっちゃうから交換する前にちゃんと確かめて…

 まあ、今の状態ならこんな物でいいかな?硬さが今までの約2.5倍の思いっきり圧縮してあるのでその分重量も2倍以上に増えましての…これ普通の人なら簡単に殴殺出来るし土木工事用のハンマーとしても使えそうな気がする…釘くらいなら普通に打てちゃうし…

 そのうち探偵アニメやドラマで凶器がペット用骨ガムの事件が起きるんじゃなかろうかどころか、確実に起きるだろうと言えるくらいの重量と硬さ、前の骨ガムでも硬さは軽く鉄板を超えてるから十分殴殺可能だけど、こっちは重量もさらに増してるから…

 うん、一応取扱注意とは言っておこう、見た目と大きさはオニキス達用と考えると普通でも重量は軽くその普通を超えちゃってるし、何ならトレーニング器具として使えるくらいには重い、ので…ぎっくり腰注意とも書いておこう…前のやつでも見た目に騙されてすっと持ち上げようとしてゴキっといった人がねー…重いと勘違いして軽い物を持ち上げた時に余計な力が腰に入ってゴキッと行きやすいけど、軽いと勘違いしてすっと持ち上げようとした時も腰に力が入らなさ過ぎてコキっと…

 見た目そのままに重さが倍以上だからその感覚で持ち上げると間違いなくやる人が出るのでちゃんと注意書きも重さも書きましてーの…よし、後は持って行くだけかな?

 でー…オパールとオニキスのガムが無くなったからと急いで作りに帰ってきたわけだけど…んー…まあ大丈夫か、私が居なくてもカレー小屋は回るし、焼肉屋の方も私が居なくてもちゃんと回るし、カジノはそもそも丸投げでもうバーに入る回数もかなり減ってるし、むしろもうその日の気分でやってるだけみたいなところもあるし、お店の方は特に心配する必要はないかな?

 農場と牧場はちょこっと見て回る必要はあるけど毎日じゃなくていいし、今日のところはオパールとオニキスと遊びましょ。


「はい、出来立ての新しいガム、硬さを倍以上にした分さらに重くなってるから取り出す時は気を付けてね?」

「今まで通り1日1本?」

「1日1本、普通ならもっと長持ちするけどオパールとオニキスの顎だとねー、プレーンが20本ミルクが40本でミルク多め、一応様子を見ながら上げてね?今の状態だと硬すぎるって事はないけど、ガムを齧るのにあまり苦労しなくなったらもう一つ硬いのに交換しないとだからね」

「オパールとオニキスの歯と顎は一体どこまで強くなるのか…甘噛みする時に冗談でも力を入れるなよー?お前たちの顎の強さと歯の鋭さだと簡単ずたずたになるし骨が砕けちゃうんだぞー?」

「がふ」

「ヴォフ」

「その辺の人なら前足でぺちっと叩くだけでたちまち潰れたトマト、爪でひっかけばズンバラリンと軽く5等分されちゃうね」

「そんな事しないよねー?いい子だもんねー?」

「がう」

「ヴォッフ」

「んー…それにしても時期が時期だから毛がフッカフカだねぇ、ここはそれほど気温が下がらないけどそれに合わせてそれなりには伸びてフカフカに」

「ブラッシングも欠かさずやってるからねー、その分換毛期がちょっと怖い、一気にごそっと全部抜けるならいいんだけど、じわじわ抜けて部屋中が毛だらけにねー…主に絨毯に絡み付いて絡み付いて使用人が大変そうだね」

「リサは何もしないと」

「するわけないじゃーん、怠惰とかそういうわけではなく使用人の仕事を奪っちゃダメ、そもそも動けないし」

「オパールとオニキスが部屋に居る時はお腹の下が定位置になりつつあるよね」

「温かくていいけど動けないのが難点、もぞもぞ動いて出ようとすると動けない程度に体重をかけられるんだよね、飽きるまで放してくれない、クッションはあるから居心地と寝心地はいいし、手と上半身はある程度動かせるから軽い仕事と映画なんかを見ることは出来るからいいんだけどね。

後トイレに行きたくなる頃には一度解放してくれる、戻ってくると首根っこをかぷっと噛まれて寝床へご案内ーだけど」

「ま、いいんじゃない?左前足を出してー、爪を伸ばしてー…ちょっと削りと研ぎが足りてないね、先っぽだけじゃなくもうちょっと深めに切って、こっちの爪磨きで丸くツルツルになるまでしっかりと磨いて…

これなら床板に当たってもカチカチ音が出るだけで傷が入る事はないね、爪を伸ばして床を叩くとさすがににへこみが出来るけど、普通に歩く分には大丈夫だね、はい次は右前足ー、こっちもちょっとバラつきがあるね」

「使用人が爪を切るのに慣れてないのもあるけど、爪が出たり引っ込んだりするから安定しないんだよね、だから切れる時に切れる部分を切って磨けるだけ磨くって感じかなー?」

「切れ味はよくしてあるけどそれでもちょっと力を掛けないと切れないからねぇ、だからと言って一気にやろうとすると深く切りすぎるかもしれないから慣れるまでは難しいんだけどね、ちょっとくらい深く切ったところで何てことはないんだけど。次は後ろ足ねー」

「はふぅ…それにしてもオパールとオニキスのこの癖はいつ治るのか、居心地と寝心地は良くてもねー」

「大事な物を抱え込んで隠すだけじゃなく一種の甘え癖みたいな物でもあるね、こればかりは教育してもどうにもなるものでもなし、自然に離れていくのを待つしかないね」

「むむぅ…ご飯時になれば自然に離れていくんだけどなぁ…まあいいや、爪切りが終わったら散歩に行くぞー、ご飯とおやつを食べるばかりじゃなくちゃんと運動もしないとねー、じゃないとまたまるまるころころした体形になっちゃうぞー?」

「余計なお肉は付いてないし、運動量は足りてるから今の生活を維持していれば問題はないね、過度な食べ過ぎはあまりよくないけどたまになら大丈夫、でもずーっと続けてたら太っちゃうから注意だね。

はい、オニキスも前足を出してー、爪も伸ばしてー…んー…やっぱり長さが揃ってなくてガタガタだね、爪を切られてる時は大人しくしなきゃダメだよー?ちゃんと切ってあれば歩く時に床を気にしなくてよくなるからねー」

「ヴォフゥ…」

「そもそもオパールもオニキスもおっきいからねぇ、足を抱える係りと切る係りで4人からは必要だし、ちょっとでも足を動かすと抱えてる使用人が簡単に転がされるしで大変なんだよね、主様みたいにしっかり固定して切れないというか、ちょっとむずがってちょっとした事で足を引っ込めるし」

「あまり慎重になりすぎるのもダメってやつだね、慣れてきたらそのうちひっこめなくなると思うけど、慎重にちょっとずつちょっとずつ先の方から切っていくんじゃなくて、一気にとはいかずとも3回くらいで済ませるといいね。

切る回数が増えるとちょっとストレスを感じるし、こんな感じで多くても3回くらいでパチッパチッパチと、1回目で大体の長さで切って、2回目と3回目で形をざっと整えつつ長さの微調整、削るのは後回しにして伸びて尖っている爪を先に全部切っちゃう。

最後に爪磨きで切った爪先を丸く整えてツルツルにしてあげたら磨いた時に出た粉ふき取って切った爪をゴミ箱に捨てておしまい、というわけで次は左足ー」

「そういえば主様のところの犬っころは爪とかどうしてるの?やっぱり切ってる?」

「クロノアとかケレスがこれでもかっていうくらい硬い爪とぎ用の木を生やしてるからそれで、というより元の姿に戻らなければ爪は小型犬のそれと変わらないし、普通に走り回ってるだけでも勝手に削れていくから余程の事がない限りは切らないかな?」

「それはちょっとうらやましい、でもオパールとオニキスがまた小っちゃい子犬とか子猫に戻ったらそれはそれでさみしい、この大きさだからいいんだよねー、背中に乗れるし背もたれにも出来るし、膝に抱えてた期間の方が短いせいだとは思うけど」

「背中に乗ったり背もたれにしたりはがっしりとした大型種ならではだからねぇ、特にオパールとオニキスは立派に育ってティタノ族よりさらに背が高くなってるし」

「おかげで登る時がちょっと大変だけどねー、昔は伏せてる状態のところに飛び乗ればよかったけど今はよじ登らないと無理ー、でも大きいからお出かけの時も安心安全、肉食の野生動物は怯えて出てこないし、出てきたとしても全面降伏で何もしないし、普通に歩いているだけでも刺客とかそういうのは威圧されて勝手に倒れるし、普通の人には無害だけど」

「獣はそういうのに敏感だからねぇ、どれだけ押し殺しても気が付くし出所もわかるし、オパールとオニキスならその特定の一飲み威圧するって事も可能だろうね、というより東の大陸の獣は大体出来る、無差別全方位に威圧をしよう物なら周りに潜んでる集団に襲い掛かられるし、周りを刺激しないように特定の対象のみ威圧するってのが大事」

「なるほどねー、そりゃそんな生き物がいたら開拓なんて全く進まないよね、最初に作った村以降新しい開拓村は出来てないみたいだし、縄張りに入った開拓者はことごとく死体になって帰ってきてるって聞くしね」

「まあ、自分の住処を荒らすのが入ってきたらねー、食べるのが目的じゃないから最初は追い払うだけ、それでもしつこく縄張りに入ってくるようなら実力行使もやむなし、仕留めた後は縄張りの外にポイ捨てして縄張りに入ってくるならお前もこうなるぞと警告。

あそこは獣が頂点で人は最下層だからね、そこをひっくり返す事が出来ないと最初に作った開拓村とその周辺くらいしか移動する事は出来ないかな?前にも言ったけど暗部のトップを放り込んでも1日持つかどうか、鍛えた精鋭を1個大隊を放り込んでも半日持たないくらいには修羅の国よ?

私がキャンプをしに行った時は比較的大人しくなるけど、基本的には毎日一等地を巡っての縄張り争いしてるくらいだし、オパールとオニキスほどではないにせよ生き残ったのは鍛えられてどんどん強くなっていってるからね、端の端に追いやられて開拓村近辺にすんでる獣ですら本気を出せば簡単に国を半壊に持ち込めるくらいには強くなってるんじゃない?一等地に住む4つの種族なら1頭でも簡単に滅ぼせるくらいには」

「間違っても珍しいからと捕まえて持って帰っちゃダメなやつだ、オパールとオニキスを飼っておいてなんだけど…」

「そもそも捕まえれる人が居ないと思うけどねー、はい次は後ろ左足ー、最後に磨き終わったらお散歩に行くよー」

「がう」

「ヴォフ」

骨ガム

ペットの歯の健康を保つために与える物、なくても大丈夫ではあるけどあったほうがいい

オパールとオニキスの顎は普通のそれとは違うので骨ガムも相応に丈夫でその分重い、知らずに取り出そうとしてぎっくり腰になった使用人は割と多い

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