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カスタマイズ必須 出来ない事は一応有る

「なんか昨日は大変だったみたいですねぇ、もうお店の中はすっきりしてますけど」

「2人だとまだ掃除をしてただろうけど、応援を呼んで貰ったから掃除と片付け自体は昨日でもう終わったね、修繕費やらなんやらも全部振り込まれたし、注文してるショーケースやらなんやらが届くのを待って配置だなんだ陳列だなんだとやるだけだね。

怪我人が出てたらもうちょっと面倒な事になってただろうけど、そこはゼロだからただ改装するだけでいい感じだね、問題は売り物が少ないってことだけど」

「パッケージが潰れていれば中身がダメになったのも有り、パッケージだけで中が無事な物の方が多いには多いですけどこれ全部売り物にならないと考えると…」

「パッケージがダメになったやつはもう未使用の新古品として詰め合わせとかそういうので売るさー、そこのでっかいボックスを満杯にする勢いで詰めて30万でドンっと売りに出したら売れるかもしれない」

「パッケージが壊れただけの中身は新品と考えるとお買い得…なんですかねぇ?」

「少なくとも40から50万かけて揃える量を詰め込めるボックスを満杯にするわけだから大分お得だね、総重量もえぐい事になるけど」

「お金の余ってる人というか、車に積みっぱなしの人は大体これですよね、場所に合わせて中に詰め込んでるもうちょっと小さいボックスとかバッグを選んで持っていくっていう」

「ソフトは回収しておく内で保管しておかないと溶けるっていう事故が発生するけどね」

「店長、車の見積書が届きましたよ」

「はーいさんきゅー、んー…やっぱ最新の新車だといい値段するなぁ…」

「車も買い替えですか?表に車がありませんでしたけど」

「ハコバンと愛車もやられたからねぇ、買わないと足がないのよ、せっかく大事に乗ってたのに一発で廃車だよ」

「毟り取ったお金だけで足ります?」

「まあ何とか、店を襲撃してきた4人だけじゃ絶対に足りないけど、それを支援してたやつらとか動画を見て煽ってたやつらとか全員拘束して毟り取ったらしいから、一応買い直しても2300万くらいは余る」

「なら安心…なんですかねぇ?」

「納車まで大分掛かるけどね、輸入車だし、国内で走れるようにカスタマイズもーだから結構かかる、生産国だと平地の方が多いから車高をまず上げないとダメだし、海がないところだから潮風とか錆の対策もしないとー…で地味にねー」

「大衆向けにせよ高級車にせよ大体その国に合わせて作られてますからねぇ、山が多く坂道も多い、塩風も吹けば雪道も…となるとカスタマイズは必須ですよね、ノーマルは自殺行為にしかなりませんし」

「恵里香ちゃんところにある外車も全部カスタマイズされてるもんね、そのままでも走れなくはないけど間違いなくどこぞで擦ったり引っかかったりするし」

「それを考えるとやっぱり軽トラが最強ですよ、荷物も詰めてどんな道であろうと走り抜ける事ができる走破性、そして軽く1トンを切る計量ボディ、カスタマイズ性も抜群と我が国が誇る最高クラスの車といってもいいですね。

問題があるとすればリクライニングシートではないのと2人しか乗れないというところですかね?荷台をカスタマイズすれば冷暖房完備の簡易テントにできますけど」

「便利であるのは認めるし実家にもあるけど私はハコバン派だね、撮影とかで頻繁に乗っていくってのもあるけど、それ用に改造したハコバンも結構快適だからね、ついでに撮影スタッフ全員乗せて経費削減もできる」

「あー…撮影があるとそうなりますよね、車1台で行くのと2台で行くのとでは交通費が大分変わってきますし」

「特に私の場合予算がカツカツの時のピンチヒッターみたいなところがあるし、人数が乗れるってのは大事よ、とりあえず問題ないので車はこのまま発注と、ハコバンも納車にはまだしばらくかかるし、しばらくは台車生活だなぁ」

「あ、そうだ、忘れないうちに、こちらお見舞いの品です、酒屋さんに頼んで500年物のウィスキーを卸して貰いました、500年物とはいってもいつものヘイズルーンのお酒なので500年分熟成ですが」

「おー…これはしばらくお店に飾っておこう」

「それともう1つ、肉ですね、華ちゃんにいいところを見繕ってもらいましたので、表面だけ強火で一気に焼いて中は生のままでどうぞ」

「今日の夕食は結構贅沢になりそう」


「しかし…リールとロッドは意外と無事なんですね」

「非売品で展示してた歴代マーメイディアとワイバーンはさすがに破壊されたけど、展示してない物は高い物と思わなかったのか、雑に並べてるマーメイディアとかはスルーされてたね、リールも割と雑に積んでるから安物と判断されたのかスルー。

おかげで被害はほぼ主力のルアーだけで済みましたよって感じ、見本で並べてたロッドはやられたけど、リールとかロッドは1つあたりルアー100とか200個分の被害が出るからねぇ、安いのはルアー1個と変わんないけど」

「ハイエンドは14万とかするのもありますしねぇ、無事だったのは不幸中の幸いですかね?」

「物によっては仕入れるのが難しいってのもあるしね、マーメイディアとかワイバーンとかのハイエンドは大体生産待ちだし、購入する側の場合1ヶ月2ヶ月待ちとか平気であるからぶっ壊されてたら予約の分がちょーっと不味い事になってたね」

「店が破壊されても予約の受付は止まってないというのがまた何とも」

「数がないハイエンドは兎も角として、安い数があるものは倉庫に在庫がちゃんとあるからね、一部は入荷待ちになるけど止めるほどではないかな?追加ですぐに持ってきて貰えるルアーなんかはもう発注を飛ばしてあるし、改装と修繕をしつつしばらくは通販だけで商売かな?」

「商品棚とショーケースの前にまず店内を直すところから始めないとですから軽く1ヶ月は閉まったままでしょうしねぇ」

「風通しもずいぶんよくなっちゃってるからねぇ、この大きさの1枚ガラスって地味に高いんだよねぇ…それが4枚と自動ドアと…お兄さんとルシエラカンパニーが関係者全員から毟り取ってくれなかったら貯金がちょっと寂しくなるところだったわ」

「こういう時のための貯金という物があるんですけどね、宵越しの銭は持たないタイプだともう店を畳むか借金するかの二択になりますが」

「火事が多発して銭や家財を溜め込むだけ無駄だった時代じゃあるまいし、貯金くらいはするって」

「ですよねー、それにしても…棚が全部なくなってわかるお店の広さ、普段は一体どれだけの商品を扱ってるんだってやつですよね」

「私もそう思った、配置換えでパズルの様に棚を動かす事はあれど、棚を全部撤去とかはしないし、全部撤去したらこんなに広かったんだなーって、最後に店の中の棚を全部撤去して整理とかしたのって数十年前とかだしねぇ」

「一応中型店舗くらいの広さはあるのに棚のせいで体感小型くらいにしか感じないっていう…」

「国内で1.2を争うほど忙しい釣具屋は伊達じゃないってことだね、それくらいは詰め込まないとあっという間に売り切れてすっからかんになる。

けど…それが今回は仇になった感じだね、ちゃんと固定はしてても壊されたらそこから将棋倒しだし、もうちょっとどうにかしないとねぇ…棚はもう見本だけで倉庫から引っ張り出すようにするとか…でもそれだと無駄に手間がねー…ガサガサガサーっとかごに入れて買うのが楽しい人もいるわけだし…」

「ああいう例外中の例外は早々来ないでしょうから気にしなくていいんじゃないですか?入国管理も大分厳しくなるでしょうし、ルシエラカンパニーがそういった人達が集まりやすい動画サイトの運営の方にも警告を飛ばしてますし、よほどのバカでもない限りは自然消滅するんじゃないですかね?」

「んー…かねぇ?まあ急に売り方を変えたってなったらお客さんも混乱するし、こっちも手間が増えて混乱するし、今まで通りでいいか」

「やるとしたら防犯強化くらいですかねぇ?ガラスは強化ガラスにするとか、ボタン1つで通報出来るようにするとか、まあ高いですけど」

「世の中こうやってやらなくていい事をやらないとダメになって出費が無駄に増えていくと…」

「マニュアルと同じですね、やらなくていいことをやるやつが出てきてどんどん分厚くなっていく、そしてそもそもやらかすやつは人の注意を聞かなければマニュアルも見ない無敵状態になるっていう…おかげで定期的な会社の見回りが欠かせない悲しみ、その作業を省けるだけでどれだけ楽になることか…」

「そういう例外中の例外に対応しなきゃならない普通の人の気苦労よ…ってね、よし、とりあえずサンプルはこんな物で…えー…詰め込んだルアーやらなんやら全部込みでざっと53万くらいか、とりあえず写真撮って中身を記載して30万くらいで訳あり品として売りに出してみるか」

「これだけ入って30万なら超が付くほどお買い得ですね、お店的には大赤字…とはいかずとも儲けは出ないでしょうけど」

「ぎりぎり黒になるかどうかなってラインかな?これ1つ買えばロストしまくらない限り年単位で持つぞー?ハイエンドを買うより高いけどな!」

「それでもこの店の常連客ならポンッと買うでしょうね、福袋を買って補充したばかりでしょうけど」

「福袋もお買い得だけどこっちはさらに…だからねぇ、今月中には売り切れ…るかな?」

「うちのガレージがチャンネルを開設した当初みたいにスッカスカだったら買ったでしょうねぇ」

「恵里香ちゃんところのガレージがおかしいだけだと思うけどね、プロが見たらドン引きするよあれ、ガレージの中もそうだけどラインナップも相当頭おかしい感じになってるし」

「まあ、普通ならライバル関係にあるようなところとは同時にスポンサー契約を結んだりしませんしね」

「普通なら制約とかでいろいろ面倒なことになるけど、やりたい放題出来るのは恵里香ちゃんところくらいよ、私もそれなりにはやりたい放題やってるけど、現役時代のガッチガチの頃とか他のメーカーの物とか触ってもいいけど人の目に付くところで触るなよとかあったし」

「契約してるプロが他のメーカーの物を触るってなるとこっちの方がいいんじゃないかという噂も出れば他社の宣伝になりますしねぇ、他には近々移籍するのか?とか出てくるでしょうし」

「今は昔ほどきつくないからそうでもないけど、それでも基本的には契約して提供して貰ってる物を使えよってのがあるね」

「それを考えるとプロじゃなくてよかったってのがありますよね、うちは誰も目指したりはしてませんでしたけど」

「周りからしたらぽっと出の小娘が何言ってんだとか何やってんだ程度の反応だっただろうけどね、蓋を開ければ最近の電子制御の開発やら誰もが思いつくけど実現するのが難しかった物を作っちゃったりとか、実力もちゃんとあるヤバイ集団だったっていう」

「ほっほっほ、伊達に超が付くほどのお嬢様学校に通っていたわけじゃありません事よ?超がつくエスカレーター式なので出来ない子でも赤点を取ろうが卒業出来ちゃいますけど、小中高大まで全部、求められているのは勉強ではなく礼儀作法とかそういう方向ですし、勉強の方は最低限でやりたいことを重視してねっていう感じの超緩い学校です、昔は違いましたけど」

「それであの5人はやりたい放題釣りをしてああなったと」

「純粋に頭がいいのもありますけどね、電子工学に始まり薬学までのスペシャリスト…とまではいかずとも業界を牽引していくだけの力と頭はありますしね。

電子制御を組み込んだリールはアイナとアスカの専門とも言えますし、アキラは輸送するためのトラックの設計やら効率化やらその一環で模型も作れるのでハードルアーの設計も作成もお手の物、アヤカも建築にそれ関連の知識だなんだとありますし、こちらも当然模型も作成可能でそれを活かして型作り、アリスは薬剤やら化学薬品やらの取り扱いに優れているのでマテリアルの配合から開発も可能と…まあトンデモ集団ですよね」

「出来る人は何でも出来るを体現した集団だよね」

「人よりは出来る…くらいで、得意分野から離れると特化した人には勝てないんですけどね、得意分野の物を応用出来ないとなると結構凡人並みというかそれ以下になりがちです、なのでアイナ達は料理があまり得意じゃないんですよね、舌はしっかりしてるので早々不味い物にはなりませんが…手際はあまりよくないです、三枚下しだけは数をこなしてるので上手いですけど」

「よくあるといえばよくある事だね、お兄さんは何でも出来るけど」

「何でも出来ても何でもやるって事はしませんけどね、基本的には何もせず出来る人に任せる、手を貸す必要がある時は手を貸す、そういう感じですね、一人で全部解決すると周りが甘えきって堕落していくだけ…というのもあるんでしょうけど」

「お兄さんが出来ない事って何があるんだろうね?」

「一応あるにはあるらしいですよ?ですが代替手段でどうにかなるそうです」

「代替手段でどうにかなる時点で出来ない事は無いって言うんじゃないかなぁ…」

「その出来ない事も割と些細な…些細な事でいいんですかね?普通の人からしたら死活問題ですけど、お兄さん達の場合はそれで問題はありませんし…その代替手段で血族を増やすという事は可能みたいですし、むしろ出来ない分気兼ねなく出来ていいっていう感じもありますね」

「あぁー…まあ普通の人からしたら欠陥だのなんだの言われるやつね」

「ある意味完璧であるが故に普通の人からすれば欠陥に見えてしまうってやつですね」

「で、その件のお兄さんは今日もリベンジ?」

「そうですね、今日はリゾートの方の海で全身大トロのマグロモドキを釣ってますよ」

「ブリじゃないんかい」

「一応マグロモドキは白身でカンパチとブリのいいところ取りかつ全身大トロですし、食べる目的ならそっちだよねーって感じでジュリアさんとリオを連れて釣りに行きました、なのでジュリアさんが冷やかしに来ることはないかと」

「さすがにあいつもこの状態で冷かしてくることは…無いと思いたいなぁ…」

「500年分熟成のウィスキーをお見舞いの品として選ぶくらいですし、さすがにないでしょう」

「あいつの場合むしろ自分でも飲む可能性がなくはないのがな…」

「今はお酒よりカリッカリに焼いたポーク缶とサルサビアってなっているので大丈夫かと、南の島から帰ってきてからはサルサビア以外はほぼ飲んでないんじゃないですかね?ワインとかウィスキーとかバーボンは最近注文してませんし、サルサビアばかり注文してますよ」

「なら大丈夫か、さて、ぼちぼちいい時間だしお昼を食べに行こうかね」

「私もそろそろ帰ってお昼ですねぇ、それじゃ今日はこれで」

「あいあーい、お見舞いの品ありがとねー」

「いいえー」

輸入車

基本的にはその地域で走るために作られているので物によってはカスタマイズが必要

輸入車に乗る場合馬力の問題だったり排気量の問題だったりもあるが…山道坂道雪道段差が多い国なので足回りを弄ってかつ車高を弄らないと大体どてっぱらを擦るしアイスバーンで滑る、ボディや内部もノーマルだと潮風で錆びると碌な異にならないのでカスタマイズは必須

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