99話 マ=モン降臨と腕、どうしても忘れちゃうもの
〜賢王ティムル〜
おいおいおいおいぃ〜〜
なんだよなんだよぉ
ラグナロク、興きてんじゃんよぉ〜〜
ど〜なってんだぁ〜?
ジューダスのやろ〜〜
アイツの仕業かぁ?
しっかし、どう考えても出力足んねーだろぉ?
煉獄界(傲慢)、悪魔界(怠惰)、瞑想界(嫉妬)、砂漠界(憤怒)そして、俺(強欲)だ。
どう勘定したって、5つしかねーぜ?
暴食と色欲はどうしたんだ?
俺の手元にぁ〜、モレ・ク(悪魔界)、ロト(煉獄界)しか揃ってねーからなぁ。
モアブ(北)のゴミを憤怒につけて、アモン(南)のお人好しを嫉妬の餌にする計算だったが〜・・・・
な〜んか気持ち悪りぃ〜ぜ?
てか、エシェットのやろ〜・・・
俺の計画をぶち壊す気か?
ふん
まあいい。
とにかく、俺のタイミングじゃあねーが、ジューダスもルシ=ファルも寝耳に水のはずだぜ?
こっちには受肉したロトがいんだ。
モレ・クの受肉は間に合わなかったが、俺とミハイ=エルの受肉体がいれば一歩先んじることは可能なはずだぜ?
だが、ロトだと使いずれぇからな〜
なんつったか?
あの義団スピエルドだったか?
あれを巻き込めねぇかな〜?
皇帝の坊ちゃんは、多分まっすぐこっちに来るかな?
あれを取り込めれば、イザヤは陥落だぜ?
ひひひ
どうあれ、面白くなってきやがったぜ。
〜ヨシュア〜
ジャリ・・・・
う!
口の中が砂だ。
こ、これがマイ・テンなのか・・・・
いや、なんだっけ、らぐなろく=はんすりーだったっけ?
俺は、ぼんやりと薄眼を開けた。
砂漠である。
穴ボコに落っこちる前とあんまり変わらない風景に見える。
手抜きか?
!!!
こ、この感触は!!
う、動けない!!
・・・・・・・
お、おう、説明が必要だよな。
お、俺は今、うつ伏せに倒れている。
お陰で、口の中に砂が入って気持ち悪い。
それはいい。それはいいのだが、問題は背中だ。
こ、この圧は・・・
そ、そう。おっpである。
1組みのおっpが、俺っちの背中、いや! 背骨に沿うように乗っかっているのだぁ
つまり、俺には視認できんが、クロスする形でこのおっpの小勇者、いや間違えた所有者が覆いかぶさっていることなる。したがって、俺っちは動けんのだ。
ふん。
わりわり
ふざけたが、このおっpには覚えがある。
ああそうだ、カルミラだよ。
見た目はヘルシーだが、実際に触れると大きい、あのカルミラさんだよ。
でも、少し萎んだ?
ああ〜、この世界に考えていることを見通す能力が蔓延ってなくて本当に良かった〜
カルミラとかに頭ん中読まれたら、ひき肉にされかねんよね?
でも、サマ・エルのヤツ、あいつ人の夢に入り込めるとか言ってたなぁ。んで、記憶から何からぜーんぶ読み取っちゃうとか・・・とんでもないヤツだな。
「ヨシュア様・・・・」
ああ、でも気絶状態とかじゃなきゃいけないとかも言ってたかな?
でもさ・・・
「ヨシュア様・・・」
俺のエートスを借ります的なことも言ってたから、なんか燃料的なもんもずいぶん必要なのかね?
「ヨシュア様・・・大丈夫ですか? おい、アス! ヨシュア様はお目覚めだ。退いていい」
へ?
アス?
あれ?
「あ〜ん。カルミラのいけず〜〜 このお方の匂いをもっと嗅ぎたいのにぃ〜〜」
「霊体の分際で何を言っているのだ。・・・・ヨシュア様、失礼致しました。 ささ、お身体を起こしください」
パンパンと砂を払われ、俺は体を起こした。
おお。
カルミラの横に、アスと呼ばれたこれまた絶世の美女(ストレートの金髪)がいるではないか。
注:カルミラは巻き髪の金髪
さては・・・・先ほどの1組のおっpの小勇者はお主であったか・・・・
おいらの触感もろくなもんじゃないね。
でも、大変よかったです。
「おお、カルミラ。無事だったか・・・して、ここは?」
「は、ヨシュア様。我々は、マイ・テンより弾き出された模様です。」
え?
ラッキー。
「あの滑落の際、マイ・テンによって様々な世界の改変が行われた様子。システムに介入し、このアス・デウスとアバ・トンを私のパーティーに組み入れ、今こうして脱出できたという状況です。」
・・・・ごめん。
俺が忘れたの、やってといてくれたのね。
あんがと・・・
「ただ・・・・」
ん?
ただ?
「はぐりんが、行方不明です。」
え!?
はぐりんが!!
俺っちの可愛いペットがぁあ!!
俺は、右手で左腕をさすった。
心細い時の癖みたいになっていたのだ。
?
左腕??
あれ?
「む? ヨシュア様、そ、その左腕は・・・拝見します!!」
カルミラが、俺の左腕?を抱え込み、舐め回すかのごとく点検し始めた。
その様子をアスと呼ばれる金髪美女が、やはり舌なめずりしながら見ている。ひー
「シモン!! シモン、これを見ろ!! アバ・トンはいい! 放っておけ!」
「畏まりました。」
あ、シモン。元気だった?
怪我はしてない?
腹減ったよー
シモンが、テキパキと近づき、俺の左腕?を診てくれた。
「む!! こ、これは!!」
「そうだ。シンセシス・・・に見えるが・・・」
「仰る通りでしょう。パラケ・ルシスが主様の左腕としてシンセシスしておりますな・・・なんと・・・しかもかなり、精巧な擬態です。パラケ・ルシスが主様のご記憶にアクセスしている可能性がありますな。あのパラケ・ルシスが主様とシンセシスするなど・・・いやはや、これは見ものです。」
え?
これ、はぐりんなの?
・・・た、確かにちょっと自分の左腕とすると若干違和感めいたものがある気がするが・・・でも、寝相がおかしかったりすると腕がちょっと痺れたりするもんね。あれに比べれば全然快調だよ?
そうか・・・
とにかく、腕が生えたのだね。
いつも一緒だな? はぐりん。
いや〜、勇気を出してマイ・テンとかいう、恐ろしげなもんに飛び込んだ甲斐があった!
腕を取り戻したぜ?
え?
飛び込んでない?
何言ってんの? 飛び込んだよ?
足を滑らせただけ?
ははは。
何を言ってるんだね? 君は・・ふぅ・・困った人だなぁ
もちろん違う。
足場が滑ったんだよ?
そこらへんは、正確にいこうじゃないか〜君ぃ〜
足場が滑り出したんで、俺っちは飛び込んだの!
その勇気のご褒美として、左腕が生えたの!!
それでいいの!
終わり!!
まったくぅ、しつこいと嫌われるぞ?
さて、と
俺は、立ち上がり周りを見回した。
心配そうに、いつも通り近いカルミラ。
ま〜たブツブツと、水銀中毒にかかりがちなシモン。
カルミラとは違った異様さで、舌なめずりをする美女、アス。
少し離れたところで、大の字に倒れているショートパンツ(はみパン)、ショートカットの爆乳。
・・・・
あれ?
サマ・エルは?
・・・・そうか、カルミラもパーティ申請忘れてたっぽいな・・・・
俺は、ジロリとカルミラをみた。
(もちろん俺も忘れたけど)ここはひとつ人のせいにしよう。




