92話 逝っちゃう?冥界、そしてあがらえない同調圧力
〜ヨシュア〜
「ヨシュア様・・・エロと巨乳とメンヘラが落ちました・・・」
カルミラが真剣な眼差しで報告してくる・・・・
そうか、落ちたか・・・
・・・落ちる・・・
意味深なワードである。
私たちはいろいろ落ちてるな・・・
猿は木から落ち、飛ぶ鳥も落ちることがある。人後に落ちないように頑張る人もいるだろう、腑に落ちたり落ちなかったり・・・目から鱗が落ちることもあるな、あと・・・ええっと・・・あ 恋・・・か・・・俺はダイジョブだが・・・な!
で? え?
何?
「マイ・テン中層にて、巨乳とメンヘラを捜索中だったエロ娘が下層に落ちました。ヤバイです。」
まっすぐと主人である俺を見つめるカルミラ・・・改めて見ると本当に美形だな。
空気がピンッと凍りつかんばかりだ。
そして、カルミラは大袈裟なことを決して言わない。いや、かなりの大ごとでもなんでもないようにこなしてしまう怖い人なのだ。
その彼女が、「ヤバイ」というのだからヤバイのだろう。人類における厄災がそういうのだからね・・・・
・・・だがな・・・なんて?
残念だったな、カルミラ。
俺っちには言っている意味がわからん。
何? マイ・テン??
中層? 下層?
そいつら全員、悪魔でしょ?
「・・・カルミラ・・・どういうことだ? 説明してくれ・・・」
何度でもいうぜ?
わからないことは恥ずかしいことじゃない。
わからないことをそのままにすることが恥ずかしいのだ。
聞けばいいんだよ聞けば。
「は。ご承知の通り・・・」
だから、なんも知らんよ・・・・
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ふっ
知らんのは俺だけだった、ということか・・・
隣でシモンがうんうん頷いている。
どうやら、俺っちが遊びに行った冥府(左腕を忘れてきたが)というのは、マイ・テンと呼ばれる巨大な冥界のほーんの一部らしい。聞いた感じだと、東京湾と世界の7つの海くらいの関係性と見てよさそうだ。駿河湾でももちろんいいが・・・・
この例えを引っ張れば、マイ・テンは最も深い地下世界にして、最大の「無間のシステム」と称されているらしい。そして、上層界程度だとまだしも、中層界にはかなーりの上位霊体でないと帰還は不可能だそうだ。下層界についてはまだ、誰も行ったことがない。
ま、行ったとしても帰ってきていないから、事実上、誰も行ったことがないということなんだろうね? つまり逝っちゃったってやつ? 知らんけど。
俺っちの前世でも、霊界みたいのは基本的に片道切符だったもんなー
ともかくとりあえずだ、今回エロ・キョヌ・メンヘラの3人娘は初めて落ちたのが観測されたびっくりトリオということみたいである。
そうか・・・さよならか・・・と、遺憾の念を口にしようとしたのだが、カルミラが「さあ、いきましょう」的なことを言い出した。
俺には分からない。
控えめに言って、3人娘は失われた、平たく言えば死んじまった、と言えるだろう。
だって、冥界だぜ?
そうゆうところはさ、逝ったり来たりするものではないのだよ?
いやまあ、そら大切な部下かもしれん。
エロいしね。
俺っちのために(もしくはデメテルからの任務のために)、ペラペラの洋服を着飾り、いろいろチラ見させていただいた・・・
でもさ・・・だからとって、ご主人様である俺が、「さあ冥界に行こう(同義:さあ死にましょう)」となるか?
ちょっと(チラ見の)代償がデカすぎやしませんか?
それに、せっかく生まれたばかりのはぐりんを道連れにするのも、はたまた置いてけぼりにするのも忍びないし・・・
やめましょう、諦めましょう、とシモンが言ってくれるのを、俺はただ静かに待った。
・・・・・
「主様・・・」
キタ。
流石シモン。できる男だぜ。
「このシモン=アザ・ゼル。どこまでもお供しますぞ!」
オマエクビ
はぁぁぁ〜〜〜〜ヤダよ〜〜〜〜〜〜
・・・・・
「カルミラ・・・・」
駄目だ。
そんな雰囲気じゃない。
愚図ることも許されない。
これは同調圧力だ!
これこそいじめだ!
俺の意見や感情はどうでもいいのかぁ!
尊敬する上司じゃないのかぁぁぁぁ
・・・・・・・・・・・。
「直ちに向かうぞ。準備を整えよ・・・・(泣)」
俺、いつもさ、基本、こんな感じじゃね?
ああ! いいよ!!
どうにでもなれぇ!!!
次はどの腕が無くなるんでしょうかねー!! えーん
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