67話 デメテルのk
カルミラの視線は若干熱いが、御者シモンの隣に座らせてもらってのんびりと道中を楽しむことにした。
考えてみれば、安全面で言えばこれ以上のことはないだろう。
何しろ、あの勇者軍を実質単騎で撃破した立役者が随行しているのだ。
唯一の弱点である栄養面も、我々の後をめ”ぇ〜め”ぇ〜言いながらついてきている。
そうなのだ。
こうゆうのはさ、考え方ひとつなんだよな。
気持ちが後ろ向きになると嫌な面しか見えなくなる。
でも、視点を切り替えたらさ、超絶美人のカルミラ(にハアハアされながら)を連れ、忠誠心maxの御者シモンに厚遇されながら、安心安全の旅を楽しめるというもんだ・・・・。
なーんて無理やり思おうとしていた時期がありましたよ、アホな俺。
こんな状況で、安心安全?
あるわけないぜ。
必ずなんか起こるよな。
起こるんだよ。
いや、起こったんだよ!!
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あれはさ、ナザロが遠くに見え、もうお別れだなーって感じに、峠を越えたあたりだったね。
馬車を引く、賢そうな馬が2頭、尋常じゃない嗎をあげたわけ。
いやーな予感がしたねー
んで、そんな予感は的中したねー
まだ朝よ。
それもピッカピカの晴天。
気がつけば、あたりが真っ暗じゃない。
そうだよ。
あいつだよ。
暗闇の大悪魔(?魔女?)デメテルだよ。
最近じゃ、旧教の指導で魔女狩りとかってやってるらしいじゃん?
こうゆうのからさっさと狩ってくれよぉ〜
野放しじゃねーかよぉ〜何やってんだよぉ〜旧教ぉ〜
ともかく多分、今回はただじゃすまなそうだ。
覚悟して掛からんといかん。
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「ヨシュア様。これはただ事ではありませんわ」
あのカルミラが、俺に話しかけているのに萌えていない。
その事実がこの事態の深刻さを物語っている。
俺は、隣のシモンを見た。
・・・・可哀想に泡吹いて気絶している。
そりゃそうだろう。
恐ろしいほどの圧迫感と絶望感を撒き散らすハタ迷惑なモラハラ女だ。
アズラ=イルの兄さんもションボリするくらいだ。
俺はそっとシモンを横にし、地面に降り立った。
オウよ。
そっちがその気なら、正々堂々ナシつけたるわぃ!!
などと、ヤクザ映画観た直後みたいになってしまった僕・・・・。
こいつのエフェクトはいつも通りだ。
真っ黒な闇を撒き散らし、その闇は明確な質量を持っている。
相手を頭から抑えつけんばかりの重さを持っている。
俺はなんだか怒っていた。
多分だけど、こいつも怒っているのだろう。
俺も自分がなんで怒ってのかよく分からないし、なんでデメテルが俺に怒っているのかは、もちろんさっぱり分からない。
しかし、とにかく怒った両者ががっつりと対峙したのだ。
「そなたはデメテルだな。姿を現せ!!」
言ってやりましたよ。
こーゆーのはさ、ガツンと一発目に喰らわしてやるのがいいんだ。
下手に出るからつけ上がんだよ。
ゴゴゴゴゴゴと、音がせんばかりに暗闇が濃くなった。
いやぁ〜、やっこさん、さらに怒ったねぇ〜間違いなく。
「あがっ・・グググ、アガガッ、ググるルル」
カルミラが、苦しそうに地べたに這いつくばっている・・・・
え?
あのカルミラがここまで押さえ込まれちゃうの?
・・・・・
正直に言おう。
俺はどっかで、カルミラがいるから大丈夫だと思っていた。
いや、どっかではない、心の中心も中心、ど真ん中で思っていた。
全面的に頼る気マンマンだったのだ!!
そうさ、俺はキョドったね。間違ったね。やっちまったね!
てか、ゲームだったら間違いなくリセットボタンを押すね。
オートセーブ機能に期待するね。
なんなら、ナザロ攻防戦の前に戻ってもいいくらいだぜ。
しかし現実ってのは、厳しいね。
そんな機能はない。
目の前では、完全に怒り狂っている濃厚な暗闇の中心が俺を見据えている。
あんなのと対決するの?
「のぼせ上がるんじゃないよ!!!」
ドキッ!!!!
ブツブツ考えごとをしてたら、急な怒声だ。びっくりするわ、まじで。
「とうとうここまでやらかしてくれたね。自滅するかと放っておいた私の責任だ。きっちりケジメつけさせてもらうよ!!」
ここまでが、どこまでなのか見当もつかないが、とにかくやらかしたらしい。
どんなケジメなのか、大変興味があるが、ロクなもんじゃないだろう。
しかし、黙ってケジメられるのも癪だ。
ここは、一丁漢を見せるぜ。
「デメテル。増長しているのは其方だ。私に何の瑕疵があろうか。人間を責める前に、其方の傲慢を恥じよ!!」
もちろん、半分以上、いや、丸ごと全部、自棄っぱちだ。
でもさ、人の話も聞かず、一方的に決めつけたり、人の命を奪ったり、エートスを奪ったり、傲慢に過ぎるんだよな。
多分俺、とってもひどい事されるんだろうけど、ここまで来てへーこらするのは、もうゴメンだぜ。
ヤケ糞だぜ!!
「私に構う暇があれば、旧教の暴走を止めたらどうだ? やらかすというのは、ああゆうことを言うのだ!」
最後っ屁っていうの?
言い出したからには、もう言いたいこというぜ。
あとは、野となれ山となれだぜ。
「・・・・・・・・・言いたことはそれで全部かえ?」
墨みたいな暗闇が少し薄まり、人型がうっすらと見えた。
!!
シルエットだけだが、少し見えるぞ・・・・ん? おやぁ・・・・ k、k、k、きょ、巨乳…だな?




