59話 ザラム、旧教、エウリ・デウス
〜ザラム王国、賢王ティルム〜
珍しいこともあるもんだなぁ〜
あのロトがよく喋るぜ?
ま、内容が内容だし、エシェットの内偵調査の中身とも整合性があるからなぁ〜
ははは。おもしれぇ
「ロト。新教は神を畏れないと言うのだな?」
「御意。・・・・・新教の民は合理」
ふん、合理か。
てか、うちらと一緒じゃねーか。
しっかし、あの“教会”から合理が生まれるかぁ?
そこがワカンねぇ。
伝説の船頭カイロン。
古の王だってぇ?
そいつが陣頭指揮を取り、神の敵対者の援軍も辞さない。
それなのに民衆が一致団結ぅ?
止めには教会の勇者を生け捕りにしたって言うじゃねぇか。
なんでもアリだな、まったく。
「王よ。あの力は侮れません・・・・」
へへへ。
いつになくお喋りだぜ?
東のロトさんよぉ〜。
モアブもアモンも、ベラベラ口ばっかりで仕事がおせぇから、どうやら俺の方針が決まっちまうぜ?
エシェットの密告じゃぁ、クルファのヴァルマは山奥に引っ込んじまったらしい。
そうなりゃアモンには手が出せねー。
例え会えたとしたって、こりゃ同盟どころじゃなさそうだぜ?
モアブに至っては、ローランの居場所さえ掴めてねー。
かー情けねぇ。
まあ、近々モレ・クには贄が必要だ。
モアブをけしかけて、カルアーンに攻め込むのも一興だな?
アホな教会軍全滅のせいで、迷宮の集客もサッパリだかんな?
へへ、まあ、動かしてみんかな?
「ロトよ。新教との密約はエシェットに一任する。そちはモアブを助け、カルアーンに接触せよ!」
賢王ティルムの絶対的な命令が、その凜とした声とともに下された。
〜「旧教」教皇ゲラシウス〜
な、なんたることだ。
汚名挽回のはずの勇者遠征が、またしても全滅?
しかも、勇者ダヴィドが捕縛された、だと?
あ、ありえん
ありえんぞ。
これでは、我が教会組織の権威は失墜してしまう。
中には、“新教”に対比し、我々を“旧教”などと揶揄するむきもある。
不味いぞ。
集金もそうだが、何より、このままでは、皇帝が動き出してしまう。
このままでは、あの暴力と略奪の世界に後戻りする。
神の権威がなければ、この帝国は治めることはできんのだ。
所詮、武力など飾りにすぎん。
どうする?
勇者の捕縛というのが不味いな。
いっそ死んでくれれば・・・
いや・・・しかし、勇者の敗走は使えるかもしれんな。
失踪したマステマを利用するか。
恐るべき魔女の害悪を。
「触れを出すぞ!! 魔女の祟りがあった。 魔女狩りをする! このままではこの世は暗黒だ!!!」
教皇ゲラシウスは、世の乱れを魔女の祟りであるとし、“教会”による魔女狩りの令を帝国全土に出した。
〜ヨシュア〜
あ〜あ、俺何にも働いてないと思ったけど、どうやら働き過ぎらしいな。
完全に風邪引いた。
体が重いし、ゾクゾクするぜ。
街の復興は、カイロンとジャンがやってくれているし、ダヴィドとクルファの捕虜はカルミラが教会の地下でごそごそやっている。
ヨハン社長やマルコ兄やんも、色々街の人たちをまとめて頑張ってるみたいだ。
俺?
俺は、こんな重度の病症だから、休んでるんだよ。
これは患者としての重要な務めだ。
そこら辺を勘違いされるとすごく困る。
あーあ、アフォのメフォストもいねーし、からかう馬鹿がいないとなー。(俺が最底辺になっちまう(小声))
「暇だ」
俺は、ついポツリと呟いた。
あれ?
床が湧いてるぞ?
なんつーの?
お湯が湧き出る出るみたいな、モワンモワンと。
煙?湯けむり?
「おう、お主か。久しいな」
あ、エウリ・デウス様。
エフェクト変えました?




