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31話 カイロンと戦闘狂

「おい、メフォスト! 前域はどうなってやがんだ!? オメェを運んだら、とんでもねーことになってやがんじゃねーか!! てんめー、なんかしでかしやがったな!!!」


カイロンの親父は、まあ一言でいえば、筋骨隆々の頑固なラーメン屋の親父みたいな見た目と口調で、メフォストを問い詰めた。


一方のメフォストはずーっとしょげている。


「・・・俺っちにはわからねーです」


は?

何こいつ。カイロンの親父には丁寧語かよ。

俺、頑固ラーメン屋より下ってこと?

ムカつくなー


「なんだと〜。おめぇ(おい)を騙そうってんじゃね〜だろうな、ただじゃおかねぇぞ!前域に誰も入れねーってどうゆうことだ!?どうなってやがんだ、こら!!」


「ま、待てくれよ、カイロンの親父よぉ。俺っちにもよくわからねぇんで。でもさ、なんかとんでもねーことが起きてるみてぇなんです」


メフォストは、情けのない顔で俺を見た。


なんだよ、説明は全部丸投げってことか?

こいつ俺をなんだと思ってるんだ?保護者か?飼い主か?


まあ、仕方がない。

話も進まないので、俺がペテロから聞いた話を整理してカイロンの親父に伝えた。



「なっ! バ・アルが!?」


「ぼ! 暴食だと!?」


「ペテロが、大罪をぉ〜!!??」


など、かなり激しいリアクションを受けながら、出来るだけわかりやすく、かつ正確に伝えた、つもり。



「ふーーーー〜。なあ、ヨシュアさんよぉ。ってことはだ、今後はこの先(前域)に亡者を渡しても、全て暴食に飲まれちまう、ってことだな?」


まあ、そうなるのかな?

今立ち入り禁止ってのが、どうゆう状況なのかはわからんが、ペテロはそう言ってたな。


「ペテロ殿の見方はそうです」


「は〜〜〜〜。なあオイはどうしたらいいと思う?」


まあ、そうなるよな。


急に親会社が潰れたみたいなもんだ。

しかも通知もなければ保証もない、ある日突然跡形もない、ときたらしょげるわな。



「カイロンさん。どうでしょう、私と共にいきませんか?」


俺は、この親父をスカウトする事にした。

なぜか?

そりゃ、メフォスト(ばか)の教育係だよ。

しかも、バリバリの肉体派だし、結構いい人そうだ。

ほら、俺とメフォスト(ばか)じゃ、戦闘力0でしょ?


「オイが、おめえさんとかい?」


「ええ。この先(前域)はおろか、煉獄も悪魔界もこれから大変革が起こるというではないですか。私は、教導者の端くれ、人びとに新しい道を説きたいと思うのです。カイロンさんは、これまでずっと人びとをむこう(前域)に運んできました。そして、《門》の調和を守って来られた。その経験を生かせると思うのです」


まあ、この辺の口説き文句はテキトーだ。




「ふーむ。 ・・・おい、こら、メフォスト! おめぇ、このヨシュアさんの従者だったか?」


「え? へ、へい。俺っち、ヨシュアの旦那の一の従者ですが・・・」


・・・もう、感想は差し控えるか・・・どうでもいいや。



「じゃあ、オイはおめえの後輩になるってことか!?」


「は? い、いえ、とんでもねーです。 と、ということは、カイロンの親父はご一緒してくれるんで?」


「応だな。」


「す、すげぇ。 冥府の守護番が旦那の従者に?」


「バカヤロウ。その冥府が冥府として、機能してねーじゃねぇか。いたるところに亡者のいく先ができるってんなら、ヨシュアさんのいう通り、道を説いて回ることがオイの仕事ってことにならぁな」


なるほどね。

これは拾い物だな。脳筋(ばか)ではなかった。

どうやら働き者みたいだし、メフォストの躾はしてくれるみたいだし、うむ素晴らしい。


てん〜てん〜て、てててて、てん〜てん〜て、てててて、ロロロロ、ルルルル〜ポロロ〜ん〜ん〜

カイロンの親父が従者(仲間)になった。


じゃあ、ま。とにかく、人里をみつけて、お勤めしますかね。




〜マステマ〜


当初は、前域を混乱させ、バ・アルと数体の悪魔軍との膠着状態を作る予定だった。

その隙をみて、ペテロを籠絡し、バ・アルにぶつけるつもりだった。


悪魔軍が予想以上に強かったわ。


まさか教皇から預かった精鋭500騎を魔物にしても、ここまで跡形もなくやられるとはね。

でも結果的には、()()()()()()()ではあるわね。


しかしあの3体、とくにアバ・トンとアス・デウス。あの戦闘狂には閉口するわ。

まったく見苦しいひとたち。


ともあれアンデッドが10体も生まれれば十分と考えていたから、500体ともなれば、まず間違いないでしょう。


バ・アルが紅蓮の炎を身にまとい、あらゆるものを焼き尽くさんと血相を変えて飛び出してきた時は驚いたけど、とても付き合えないわ。あれは大罪の火だから。

火に焼かれ、数体のアンデッドが消滅(ロスト)した。やはり大罪の力は凄まじい。


まあ、バ・アルがどうしようともbh?mth(暴食)は熾る。

それもとてつもない規模でね。


唯一の想定外は、勇者(ダヴィド)の強化につながらなかったこと。

(L-vthn)にしろ(bh?mth)にしろ、どうなっているの?強すぎるわ、まったく手に負えないじゃない。

聖定にあることと違いすぎないかしら?私のせいにされたら困るわ。


暴食を勇者(ダヴィド)に紐付けられなかったけど、少なくともモレ・クの弱体化には繋がる。

とりあえずはこれでよしとしなきゃね。



気が重いけど、ダヴィド(役立たず)を連れて、ヴァティクーンへ帰還しましょう。

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