105話 (亀)仙人?のモノローグとマステマ調教
〜ヴァルマ〜
魔人は、ヴァルマ導師に語りかける。
「ヴァルマ、時はきた。ゲエンナ・ケルファが熾らんとしている。」
「魔人よ・・・。私には分からないのだ。あの夜、私は恐怖した。力の全てを・・・。」
「そうだ。その恐怖こそが力の源泉なのだ。それでいい。・・・ヴァルマ、心して答えるのだ。」
「・・・・・」
「お前とはなんだ?」
「私とは・・・この肉体・・・この精神・・・いや、其方も、そして我が民も・・・」
「お前の全ては、お前なのだ・・・」
「そうだ、この地も天も、広大なる宙でさえも、私の一部なのだ・・・しかし、私はその全てを知らない・・・」
「ほう。お前は、お前を知らないのか?」
「そうだ。私は、私を知らない。この肉体は? この心は? 血、汗、肉・・・間違いなく私であるが、同時に私ではない。」
「お前の核はなんだ?」
「私の核・・・。精神・・・いや、思考なのか、この魂か? 待ってくれ、これらはどこにあるのだ?」
「そう・・・。お前の魂はどこにあるというのだ?」
「・・・肉体だけではない、人も世界も宙も、すべて繋がっているだけ・・か・・・。」
「繋がりが魂だというのか?」
「・・・私とはなんなのだ。個なのか全なのか・・・。」
「個であり全。その彼我にお前は何を思うのだ?」
「限りなく同じ。だが違う。圧倒的に。自分であり、全く自分ではない。それが許せないのだ。」
「そうだ。全ては一つでありながら、個は違う。この不条理こそが根源的なエラーなのだ。」
「エラー・・・?」
「マイ・テンは開かれた。もはやエラーは排除されない。ここから始まるのだ。」
〜ヨシュア〜
マステマが起きた。
どうしよう。
周りの目が痛い。
「マステマ・・・」
「あ、が、ぐっ・・」
どうやらまだ苦しいみたいだ。はぐりん、容赦ねーなー。
「お前とジューダスとの繋がりは断ち切った。もはや声は聞こえまい。」
え? なんか格好いい?
そうだよ。シモンの受け売りだよ。
「な、・・何を、した、 ぐっ、 う、 ・・・のです、か?」
はぐり〜ん、そんないいよ。
俺、あんまり押さえつけてどうこうするのはあんまり好きじゃないんだよな〜。
でも、それぐらい危険な相手ってことか。
「私が、お前を召喚し、受肉させたのだ。」
「ば、バカな・・・人間ごとき、が、ガッ・・グウう ・・・な、なぜ・・・?」
はぐりん軍曹が厳し過ぎて、話が進まん。
とっとと終わらそう。
「お前の肉体は、私のものだ。」
うん?
あれ、なんか語感的にすごい(エロい)こと言ってるな。
いやいや、もちろんそういう意味じゃなくてね。
「お前が今感じている圧は、私が与えているものだ。分かるな?」
「ぐがががが!! ぎぎぎ、ガハッ!!」
え?
はぐりん、やり過ぎ。
「はあはあはあ・・・私はどうすればいいのだ、 ぐっ、がはっ ・・・ですか?」
折れたかな?
「私は、お前の主人のヨシュアだ。お前は、私の矛となり、一先ずマ=モンと対峙してもらう。」
「・・・・(コクリ)・・・・」
なるほど、よけーな事は言わんのね。
多分正解、それ。
「ジューダスについてだが、この度の戦においては同じ側だな。」
この辺は、カルミラから説明してもらった。
皇帝が、ザラム教国にむけて行軍を始めたらしい。
「当面の任務だが、勇者ダヴィドと合流しろ。義団スピエルドとかいったか、これの組織拡大と強化だ。」
カルミラの情報網が正しければ、この仕事は、そもそもこいつの任務だ。
得意技のはずなのだ。
「・・・・(コクリ)・・・・」
まあ、そうだわな。
大人しくなったみたいだが、アドバイスに従い釘を刺しておこう。
「お前の首に、この首輪を付けさせて貰った。いつ何時も、お前を監視し、圧をかけることができる首輪だ。外す事はできない。・・・よいか、私を失望させるなよ。精々、信頼を勝ち取る事だな。」
どう考えても、俺っちの台詞じゃねーが、仕方ない。
カルミラがどうしてもって言うからだ。
あんなに高飛車だったマステマがガタガタ震えながら、頷いた。
はぐりん鬼軍曹の調教がよほど効いたらしい。
まあ、いい事だろう。
そして、大事なことがひとつ残っている。
たっぷりと拝んだから、もういいだろう。
「この服を着て、準備が整ったら直ちに出立するのだ。」
そう、スッポンポンだったわけ。
いや〜、お見せできない画でしたね。
丸裸の女性を、どうやったのか散々苦しめて、高圧的に命令を下すなんてさ。
俺っちの性癖と言う名の引き出しには、どこにもありませんぜ(ま、エロかったけどさ)?
ともあれ!
仕事はひとつ片付いた。
次は、メンヘラと爆乳だ。
とりあえず、登場から今の今まで、いいとこ無し!
このままじゃ、リストラ対象だぜ?
ちゃんとしよう!!
〜エピソード:マステマ&ベリ・エル〜
マステマとベリ・エルは、敵意と悪意を根源にもつ古きエートスである。
肉体に宿る魂魄への作用を得意とするマステマに対し、肉体から離脱した純粋なる霊魂への語りかけを得意とするベリ・エルは、ひとつであり相対するライバルである。
ジューダスの命令により、四大悪魔王の一柱セイ・トン(色欲)の篭絡を至上命題に、ゲエンナを熾す燃料であるレヴィアタンとベヒモスを喰らう計画を立てていた。
しかし、蛇は魔人の手に渡り、ヴァルマ導師によって、ゲエンナ・ケルファが熾されんとしているのだ。
ともあれ、マステマがジューダスから賜りし聖定の内容はことごとく覆され、遂には、マステマとジューダスとの繋がりまでも断たれてしまった。
これにより、同質であり相対していた敵意と悪意は、立場を一つにし、その強力なエートスを何かに向けることになる。
それはウラノスや聖定といった箱庭での遊びではなく、オープンワールドにおける弱肉強食のバトルロワイヤルの幕開けを意味しているのだ。




