101話 語るアザゼル、ダメなアス・デウス、落ち込むアバ・トン
〜シモン=アザゼル〜
・・・・・世界は一変した、と言っていいのだろう・・・・。
私が聞いたあの声・・・
あれこそが、この世界の深淵に息づくマイ・テンの正体なのか。
マイ・テンの声は、確かに言った。uroborosを解放する、と。
そしてGalba=Elが、「ユピテル」、「クロノス」を起動する、と。
・・・・永い時をかけて存在し続けた私であるが、この世界の成り立ちについてはわからないことだらけである。
そもそも、我が王国の大王たるルシ=ファル様の御身に何があったのか?
そして、なぜルシ=ファル様は、地に伏し続けていなければならないのか?
そのような疑問の鍵が、七つの大罪であろうことは明らかであった。
創造主への謀反を企む、この世界の裏切り者が君臨する「傲慢の罪」ゲエンナ・イザヤ。
その野心はもはや隠すところがなくなった。
すなわち、ウラノスを書き換えて前門を意のままに操ろうというのだろう。
その先にあるのは、魂が書き換えられ、ジューダスの望むままに惚けた人間たちの楽園である。
しかし人間たちは、必死に抵抗しているようにも見える。
もちろん我々が支援している、という側面もあるだろうがな。
そう、このジューダスの計画に反対しているのが、かつてはジューダスの右腕、そして今は悪魔界の大王ルシ=ファル様である。
彼のお方が君臨するは、「怠惰の罪」ゲエンナ・アスモデウス。
肉体よりもむしろ魂の多様さを重要視され、それぞれの魂は集まり、やがてエートスへと昇華し、独立した概念へと確立するに至った。天使どもとはその多様さが違うのだ。アイツらはただの役割分担に過ぎない。
この悪魔たちは、人間に取り憑き、その多様な魂を肉体という名のゆりかごの中で育み、世界に多くの価値観の共存という状況を齎した。
この点の評価については、色々あるだろうがな。
ここまではいいだろう。
その善悪はともあれ、この2元対立によって、この世界は安定していたのだ。
しかしだ、世界は混乱し始めた。
なぜなら、この2つの界に鬩ぎ合うほどのゲエンナが出現しようとしているからである。
その一つが、賢王ティムルが目指すゲエンナ・プレタである。
かなり早くから、ルシ=ファル様への叛意を隠そうともしていなかったが、ついにその正体を明らかにした。
・・・・しかし、あれはセイ=トンを飼い慣らし、ゲエンナ・ハーデースを興すつもりではなかったのか?
なぜ、それを諦めたのか・・・・
蛇ではなく、うなぎではあったが、あれの蛇への執着は皆が知るところだったが・・・・
しかも、ゲエンナ・プレタではモレ・クの協力は得られまいに・・。
この逡巡に結論はない。
なぜなら主様が、いやパルケ・ルシスか・・・セイ・トンを喰ってしまったからな・・・はあ・・・・
まあ、いい。
そもそもゲエンナには、格がある。
最も重い罪が、暴食である。これが顕現したことは、かつて一度たりともない。空論である。セイ・ゼブルの悲願とされているがな。
そして、2番目に色欲。
肉体と物質に関わる大きな罪であり、ジューダスもこれの独占を狙っている。
このゲエンナ・ハーデースの紐帯として最も近い存在と言われていたのが、4大悪魔王の一柱、セイ・トンである。
ルシ=ファル様はいち早くその危険性を見抜き、手元においたが、まったく管理することなどできなかった。
そのためマイ・テン近くに封印したのだ、が・・・・それを、主様は・・・・(後にしよう・・・)
そして、3番目が強欲である。
ゲエンナ・プレタの顕現には、人間との契約が不可欠である。
マ=モンは、ザラム王国に取り憑き、数千年に亘る呪いを温めてきたのだから、確かに可能であろう。
しかしあれは、あの王国を本当に贄にすることができるのだろうか?
それが分からぬ・・・ふ、また逡巡だな。
そして、4番目が憤怒である。
これは、興きてしまった、ようである。
カルミラ様が確認していたが、ゲエンナ・ターヒードは、齎されてしまった。
それによりマイ・テンは開き、(おそらく)主様が鍵となりラグナロクが始まったのだ・・・・。
本来であれば、憤怒の紐帯であるガルバ=エルがエートスとして確立し、門を築くはずだったが、それどころではない。真逆だ。全ての門を開けてしまった・・・・
マイ・テンの声が証拠と言えよう。
Galba=Elが、uroborosを解放した、と。
セイ・トンが前門へ現れたのも、これが原因であろう。
とにかく、ゲエンナの核に強い働きかけが行われたことは間違いないだろう。
そうか・・・マ=モンが事を焦るのも当然かもしれんな。
そして、5.嫉妬、6.怠惰、7.傲慢と続く。
私のように、人間と永い時間ともに過ごしてきたからわかる。
この序列は、人間の本能の強さに起因しているとみていいだろう。
人の心に潜む魔。
その渇望の力が、その顕現であるゲエンナの深さに比例しているのだ。
ルシ=ファル様は、そこを突き、ジューダスの暴走をこれまで食い止めてこられたのだ・・・・
しかし・・・・・世界は一変したのだ。
7つの大罪の門が開かれ、それぞれの王国が塗りつぶし合うラグナロクが始まったのである。
・・・・(後回しにしたが) その一柱を食べてしまったのが主様(のこの左手)だ・・・・
開始早々、とんでもないハプニング、と言っていいのだろうか?
悪魔であるからこそ間違えようもない。
・・・・紛れもない、あのセイ・トンを・・・・
〜アス・デウス〜
やばいですぅ〜
サマサマの子供染みた煽りに乗っかって舐めてましたぁ
あのセイ・トンが呑み込まれちゃうのなら、耐久性がウリの私でも、ただの小娘にすぎません〜
しかもカルミラは、アンデッドの使役に加え、強化までできちゃう、となると、どうやら私の役目はないってことですぅ〜
取り入ることすらできないんじゃ〜どうしようもないですぅ〜
・・・これじゃあ、あの左手の餌になるくらいしかなさそうですぅ〜〜
ひ、ひーん・・・あ、あっ、あっ、あっ、・・・うううーん、グヒグヒグヒぃ〜〜
ああ〜〜い”い”〜〜い”やぁ、ご、ごわ”い”lイィ〜〜ひひひひ〜〜〜・・く、くわれたいイィlイィィィィ!!
〜アバ・トン〜
ヤベェな・・・
ウナギにやられて、気ぃ失っている間にとんでもねーことが起きたらみてぇだ。
アスは、完全にいっちまってる。
あのカルミラですら、泣きっぱなしだ。
シモン=アザゼルは、拝み倒してるしな・・・・なんだあの人間は・・・・
ふん! いっちょ、このオレが型はめてやんぜ。
「なあ、おい! 兄ちゃんよ!!」
〜ヨシュア〜
痛くないって、素晴らしいことである。
さっきからシモンが、神妙な顔をしながら左腕をモミモミしてくれている。
もう大丈夫かとは思うのだが、シモン曰く、シンセシスの拒絶反応は魂由来なので油断はできないとのこと。こうやってモミモミして、魂を宥めてんだろうね、知らんけど。
うなぎを食べ損ねたことがよっぽどショックだったのか、カルミラが塞ぎ込んでる。
確かに、滋養強壮という面ではこれ以上ない食材ではある。
アス・デウスとかいう、ストレート系金髪美女も、一緒になって、よだれを垂らしながら泣き喚いている。
こんな美女2人を泣かせてしまった俺も悪い。
しかし、だ。
覆水盆に返らず、こぼしたミルクはもう飲めない。
いつまでもぐずるのは良くない。
そうだろ?
目はさ、何のために前についてると思う?
そうだよ、前に進むためだよ?
逆に考えてみろよ。
あんなでかいうなぎだ。うまくないぞ?
多分固いね。
ゴムみたいなうなぎを食べたいかい?
食べたくないだろ? 俺っちはいらんね・・・
・・・チッ(まだ泣いてるよ)
(味方を増やそうと)俺は、もう一人のアバ・トンを見た。
な!?
く、くっそー、こ、この俺っちを睨みつけてやがるぅ〜〜
ショートカットの赤毛に、ハッキリとした顔立ち・・・・そんな顔で俺を睨むのはやめろぉ
傷つく・・・
俺は、アバ・トンの目を見れず、目を落とした・・・
な!?
な、なんつー爆ny・・・
小玉スイカとかのレベルじゃねー
ふつーのスイカだよ、あれ。
あんなの一個でも、家の冷蔵庫パンパンになるっつーのに・・・2個!!?
冗談じゃねーぞ。
てか、重くないの?
いやマジで。
・・・・本当に、マジな話、これはどうなってんだ?
こんなのが付いていたら、皮とか伸びちゃうし、そもそもどうやって保持してんの?
それの用の腕とか生えてんの?
この世界にブラはねーしな。
エロい気持ちは全て前世においてきた俺っちは、睨むアバ・トンをとりあえず無視して、その爆乳の点検に着手することにした。
これはただ事ではありませんからな。
「なあ、おい! 兄ちゃんよ!!」
・・・・なんか聞こえたが、今はそれどころではない。
これは緊急事態なのだ。
人が本当に危機的な状況にある場合、超法規的措置をとってもいいのである。どっかに書いてあった気がする。
そして、それは今なのだ。
俺は、アバ・トンの表情とかには目もくれず、そのふつーのスイカ級のブツを凝視した。・・・ふむ、どう見ても、ただ事ではない。
まずは、これの重みをチェックする必要があるな。
グワシ。
俺は、右手でそれを下から煽りあげるように掴んでみた。
ふむ、すごい。
グワシグワシ・・・と。
なるほどね。俺様の掌では、五分の一もカバーできん。まさに「こぼれる」といったところか・・・。
しかしまあ、重い、といえば重いが・・・いや、むしろ圧、といっていいかもしれない。
・・・そうか・・・爆乳問題とは、重さではない。そう、むしろ圧力の問題なのかもね・・・どれどれ。
グワシグワシグワシ・・・と。
しかしなぁ、こんなに大きいと胸を揉んでいるというより、腹を支えているような・・・・手も疲れるしね・・ん?
あれ? 手が疲れる?
おっpを揉んでんのに?
これはおかしいですな・・・普通、おっpを揉める、とあれば、元気が漲るはずである、それがどうして・・・
グワシグワシ・・・前腕筋がつる・・・
・・・・はっ!
そ、そうか、これは、柔らかくないのだ!!
圧力×質量・・・・それは硬さに通ずる・・・・こりゃ固い。 な、なるほど!!!
そうとも!
これは、これだけでかいのに、垂れていないのである。
なぜなら、それは内圧によって保たれていたのだぁだぁだぁ!!!
つまり固いんだぁ!!!
・・・・人類はまた新しい発見に辿り着いてしまったようだな。
そうかそうか、垂れていないでかいおっpは、固いのかぁ〜〜くぅぅ〜勉強になるぜ〜〜
俺っちが微乳好きだったのは、ここに原因があると思う。
つまりだ、柔らかそうなおっpが好きなのよ、俺は!
かといって、垂れてるおっpじゃね〜〜〜いらん!
理想はカルミラかな、やっぱ。
見た目上品。当たってみるとデカくて柔らかい。
やっぱこれだね。
どれ?ちょっと揉んでみるか?
あ。まーだ、塞ぎ込んで泣いてるよ。
これじゃ揉めないね?
だめだめ。泣いてる子は揉めませんな。
ふん。そうさ、こ〜んなカッチカチのおっpに興味はねー(キリッ)
これじゃ、どっかの親父の太鼓腹と大差ねーしな、け。
俺は、興味を失い、その乳から手を離した。
ところで、と。
一頻り、胸を揉みしだいた俺は、我に返った。
あれ、そういえばこいつなんか、俺に話しかけてたな?
「す、すまん。アバ・トン・・だったか? どうかしたか?」
アバ・トンは、真っ青な顔をして俯いてしまっていた。
あ、あれ。
俺、またなんかしちゃったかな?
・・・ま、確かに言い訳の余地なく、夢中で胸を揉みしだいていた。これは事実である。間違いない。だが聞いて欲しい。緊急事態だったのだ。
・・・あ、やっぱだめ?
まあな、悪魔とはいえ、女性だ。
どうやら、でかいから、という理由だけで勝手に人?の乳を揉みしだいてはいけない、らしい。
・・・またひとつ勉強になりました。
そう間違いは認めるのだ。
そうやって人は成長するんだね。
ごめんなさい・・・許して?




