1章
都市の真ん中にいた。
変わらない景色の中を歩いていた。
俺は一人で歩いていた。
ずっと周りの人間と同じように生きてきた。
どこにでもいるようなサラリーマンだった。
少女も一人で歩いていた。
変わらない景色の中を歩いていて、
どこにでもいるような子どもだった。
だからもしかすれば、気にも|留《と》まらない存在だったに違いない。
あの時、あの場所で、あの瞬間だけが、変らない景色の中で、俺を引きとめた。
だから、
俺たちはこの世界ですれ違っただけの、本当はまったくの他人同士なのだった。
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2019.05.05 COMITIA128 出版物の内容に合わせて修正・再編集しました
変わらない景色の中を歩いていた。
俺は一人で歩いていた。
ずっと周りの人間と同じように生きてきた。
どこにでもいるようなサラリーマンだった。
少女も一人で歩いていた。
変わらない景色の中を歩いていて、
どこにでもいるような子どもだった。
だからもしかすれば、気にも|留《と》まらない存在だったに違いない。
あの時、あの場所で、あの瞬間だけが、変らない景色の中で、俺を引きとめた。
だから、
俺たちはこの世界ですれ違っただけの、本当はまったくの他人同士なのだった。
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2019.05.05 COMITIA128 出版物の内容に合わせて修正・再編集しました
1 俺という人間 #1
2019/04/01 11:53
(改)
1 俺という人間 #2
2019/04/09 23:41
(改)
2 だからこそ、決して俺らしくは無かった。
2019/04/19 02:17
(改)