会議は踊る されど進まず
昨夜、完成間近でブレーカーが落ちました。
原稿用紙三枚分が消えました。
急いで書き直したので、少し短めです。
お待ちくださった方、遅れましたことお詫び申し上げます。
冒険者としての私の方向性。
女性要人警護はご老公様によってあっさり却下された。
「警護はのう、そんなに簡単なものではない。冒険者になっていきなりの新人は経験と信用が足らん。ましてお主、人を殺めた事はおろか、傷つけたこともないんじゃろ」
「おっしゃる通りです、ご老公様」
「しかし、せっかくの特性です。なにか活かす道はないでしょうか」
うーむとご老公様は目をつぶってしばし考える。
「ではこういうのはどうじゃろう。両親を亡くして我が家を頼ってきた海の向こうの国のご令嬢」
目をつぶったままご老公様は続ける。
「今までヒルデブランドにいたが、若い娘を田舎に置いておくのも不憫。社交シーズンだけでも王都で華やかな生活を体験させてやりたい。この国の習慣などにも疎いので、いろいろご指導賜りたい」
目を開いたご老公はニヤリと笑う。
「こんな感じで茶会や夜会に出て色々探ってもらおうか」
「それは彼女に貴族令嬢として生きろということですか」
違う違うとご老公様は言った。
「王都にいる息子が、女性貴族の間の話を集めてくれる人材を求めておる。じゃが中々人選が難しくてのう。誰にもなびかず噂だけ集められるような女人が欲しかったんじゃ。普通の令嬢ではこちらの情報が駄々洩れになる可能性の方が高くての」
「つまり諜報活動ということですね?」
うむとご老公様がうなづいた.
「ご婦人を軽視するわけではないが、ポロッと漏らすんじゃよ。旦那様の自慢とか、ご兄弟の自慢とか許嫁の惚気とかじゃな。そのあたりをしっかり聞いておいてもらえると、こちらとしてもいろいろと考えることができる。そんなにこの国について詳しくなく、国を追われた令嬢であれば、気が緩んで何か情報を口にするのではないかな」
「なるほど。そこにいるだけで何か企むこともない、ただ話を聞いているだけ。居丈高なご令嬢ならともかく、権力もないか弱そうな田舎娘なら、マウンティングもあってペラペラしゃべってくれそうですな」
誰がか弱いんだという突っ込みをいれたディードリッヒ兄様の足を、テーブルの下で、軽く蹴ってやる。
「次のシーズンは半年先じゃから、淑女教育の時間はたっぷりある。そこの三人、お主らも一緒じゃ。ついでに侍従教育も受けておくがいいいいだろう」
「ちょっと待ってくれ! なんで俺らが?! アロイスだけでいいだろう!」
エイヴァン兄様がとんでもないと反対する。
「どうせ雪が降りだしたら冒険者稼業も一休みじゃろ。鍛錬と採取くらいしかすることもないのじゃし、覚えておいて損はないぞ。仕事の幅も広がる」
「しかし、俺たちのこんななりで侍従仕事なんてできるものなんですかい。アロイスならともかく」
ご老公様がパンパンと手を叩く。
すると老齢のメイドさん数名が現れた。
「新しい仕事仲間じゃ。支度を頼む」
「誰が仕事仲間だ」
メイドさんたちは三人の腕を左右からギュッと抱きしめ・・・いや、拘束する。
「そ、そんなに掴まなくても逃げな・・・にげませんよ!」
「ちょっと、待てっ! どこに連れて、あ、剣を返せ!」
「じ、自分で脱ぎますからっ! 一人でできますからっ!」
廊下の向こうに叫び声と楽しそうな笑い声が消えてゆく。
その光景を私は茫然と見ていた。
なんと、一日のPVが三桁に達しました。
最初の数話は0が続いていたので、感無量です。
ありがとうございます。
これを励みにこれからも書き続けていきます。




