第3話 到着
突然暗い穴が明るくなるが、落下する感覚は止まらない。
「は⁉︎」
つまり空中に居るって事だ。
「うわっ⁉︎うわうわ⁉︎」
やばい死ぬ死ぬ死ぬなんとかしないと⁉︎
必死でポケットを探りスマホ(iPh○ne)を取り出す。
暗証番号を入力しロック解除、召喚のアプリからスカイダイビング用のパラシュートを召喚し、身につける。
スカイダイビングなら昔何回かやった事がある……これなら……!
手こずりながらもパラシュートを背負ってハーネスを止め、必死に思い出した安全確認をしてからパラシュート展開の紐を引く。
バサササ……
落下速度が落ち、落ち着きを取り戻した。
「ふぅ……危なかった……」
パラシュートは高度500mほどで開傘、もう少し遅ければ俺は地面に叩きつけられていただろう。
取り敢えずパラシュートを制御し、森の切れ目に着陸する。
パラシュートを消そうと思ってスマホを弄るが、消す表示が無い。
どうやら一度出した道具は消せないらしい。
「なるほど……厄介な」
取り敢えずパラシュートは畳んでスマホからザックを出し、外に括り付ける。
因みに今の格好は何故か前世でも結構気に入っていたジーパンとシャツだ。あの穴から落とされた際に服装を瞬時に変えられたらしい。
格好はこれでも良いとして、問題は武器か。
拳銃はシグ・ザウエルのP226が良いな、俺が1番好きな拳銃だ。
スイス製で信頼性も高く、米海軍特殊部隊SEALsも使っているという。
プライマリは……迷うな。
安定のM4A1か、はたまたさっき見つけた新型SIG516か……
「まぁ、まだ良いかな」
ライフルを持っていれば盗賊や魔物が襲ってきた時に撃退できるが、町に入るときに没収されそうだ。
BLACKHAWK!のSERPAホルスターを出し、ズボンに巻くベルトに装着。
拳銃にはマガジンを挿入し、スライドを引いて初弾装填、親指でデコッキングレバーを押し下げてデコッキングしておく。
ベルト周りに予備のマガジンポーチを3つ程出し、9×19mmパラベラム拳銃弾を装填した予備マガジンを入れておく。
「装備はこれで大丈夫かな……?」
自衛程度は出来るように装備を召喚して身に付けてから、スマホのホームボタンを押し、地図アプリを起動。
因みに今入っているアプリは地図と写真・カメラ、メモ、説明書、設定と"召喚"、後は前からダウンロードで入れていた音楽や映画があるだけだ。
地図アプリによればどうやら4km程の所に街があるらしい。
何故現在位置や詳細地図が分かるかはわからんが、神の端末だという事で納得して感謝しつつ、そこに行ってみる事にした。