北岸の合同作戦
状況開始から2時間、ガーディアンの偵察隊とセイバードッグの偵察報告が上がってきた。
「橋から街に入れる入口はバリケードがされてる、バリケードの奥にはクロスボウの銃座が6か所、いずれも連弩だ。建物の2階にもクロスボウを持った兵士が監視してるだろう、市街地突入自体がかなり難しくなる。街の路地にもバリケードが多数だ、足止めしたところで弓矢やクロスボウで上から攻撃する腹積もりだろう」
セイバードッグの団長が偵察情報を地図に書き込んでいく、事前の航空偵察で把握していた大まかな位置よりも正確、銃座の位置まで掴んでいた。
「建物に出入りするインキュバス達も居た、表通りには姿が余り見えなかった。見た限りでは防御拠点は街の入り口と……J6、K7の通り、その奥のH4、H7の5か所だ」
防御拠点になっている場所に〇を付ける、2時間でかなりの情報を仕入れて来たらしい。
「防御拠点にいる敵の数は分かるか?」
「少なくとも街の入り口は6から10人、その周辺の建物にもかなりの数が潜んでる。他の各拠点は5人程度だ。アンタらの事前情報じゃ60人以上って話だったが、実際100人超えてるかもな。弓兵にまでインキュバスを使ってる」
インキュバスはヒトより力が強い、その為通常は鈍器等を武器にして来る事が多いが、弓兵にするとヒトよりも強い力で弓を引ける為、矢の威力が上がるのだ。
その威力はこの世界の鎧を貫通する程、この世界の兵士にとっては脅威だし、俺達も防弾装備でない所に喰らえば即死、防弾箇所に命中したとしてもひとたまりも無いだろう。
「バリケードに穴は?」
「路地に近い建物の窓からは入れそうだが、これだけの大兵力をそんな小さい突破口から入れられんだろう」
やはり見立て通り、偵察によって詳細かつ正確な情報を収集して来ている。セイバードッグは突撃だけが能ではなく、突撃を成功させる為の情報収集や偵察も得意というのは本当の様だ。
これではっきりした、セイバードッグは信頼出来るギルドだ。
俺は顎に手を当てて思考を巡らせる、路地にもバリケードがあり、乗り越えようとすると攻撃してくる。
建物から入る事は可能だが、街を制圧するような大きな戦力を継続的に狭い突破口から投入すれば各個撃破される恐れもある。
であれば、方法は限られる。俺達のやり方でバリケードを突破して兵力を街に流し込むのだ。
「俺の部隊が安全に突破口を開く、それに続いて各部隊が市街地に侵入して、作戦を開始してくれ」
「了解」
「了解」
各ギルドや私兵も、異存は無い様だ。
「しかし流石だな、状況整理も中々分かりやすかった、若いのによくやる」
そう言ったのはギルド“グラディエーター”の団長だ、筋骨隆々、いかにもパワー系の傭兵が褒めながら俺の肩を叩く。
年は恐らく俺よりも10は上だろうか、経験も年齢も上の先輩に褒められるとは……
「いえ、ですが防御地点を割り出せたのは、セイバードッグのお陰です」
セイバードッグの方へ向くと、相変わらず不機嫌そうな顔をしながら顔を背ける。偵察の結果を俺に言われて持って来たのも、彼にとっては随分と不本意な事らしい。
俺はセイバードッグの団長に近づきながら手を差し出す。
「君達の偵察のお陰で俺も、皆も作戦を進められる。礼を言う、ありがとう。後は増援要請が来るまで待機していてくれ、君達の力が必要な時が必ず来る」
「……アクス」
「え?」
ぼそり、とセイバードッグの団長が呟く様に言う。
「アクス・ウェインライト。セイバードッグ3代目団長。1度しか名乗らん、覚えとけ」
そう言って彼は俺の差し出した手にハイタッチでもするかの様に叩いた、友好的な握手ではないが、今はこれで充分だ。
作戦はもう始まっている、彼と色々話したい事はあるが、それは作戦が終わってからにしよう。
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ベルム街にあるラスカ河を渡る橋は1本だけ、その1本から風俗街に入る道にあるのが、風俗街の戦力が築いた最も大きく、強靭なバリケードだ。
バリケードの奥には連弩の銃座が鎮座しており、バリケードで足止めして遠距離から攻撃を仕掛けるのが目に見えている。そんなところに騎兵突撃を敢行しようものならあっという間に死体の山が出来上がるだろう。
ところでこの橋は2代目、先代の橋は洪水で流された為、この橋はガーディアンが掛けたものだ。
つまり、ガーディアンの車両が問題なく通行出来る。
連弩の銃座についていた風俗街の自警団が目にしたのは、騒音と小刻みな揺れと共にバリケードの向こうからやって来る巨大な鉄板だった。
「な、何だアレは!?」
「撃て!」
連弩の銃手がクランクを回しながら矢を放つ、連弩の矢は太く短く、威力が高いのが特徴だが、迫りくる鉄板は意にも介さぬと言う風に突っ込んでくる。
やがて鉄板は凄まじい轟音と共にバリケードが突き崩し、組まれていた土砂や木材が弾け飛んだ。
「おい、バリケードが!」
「誰かアレを止めろ!」
木材が踏み砕かれる音と連弩の矢が弾かれる音が混ざり、履帯のキュルキュルという音と振動が彼らに畏怖を植え付け始めた。
その鉄板の名はM9ACE、米軍の装甲ブルドーザーだ。
矢の雨を受けながらもバリケードを均し終えたM9ACEは、今度は後退して来た道をかなりの速度で引き返していく。
「引き返していくぞ!」
「この機を逃すな!畳みかけろ!」
彼らの目には尻尾を舞いて逃げたように見えるのだろう。撃退し、チャンスと見た自警団やインキュバス達が建物から出て追撃しようとする。数は20人以上、そんな物では仕留められないと知らず、手には棍棒や短剣、クロスボウを持っている者も居る。
だが、後退したM9ACEと彼らの間に素早く割って入った影があった。
片側4輪の鉄の箱、その上には彼らにとって象を思わせる長い鼻のような物が乗っている。
そしてその鼻先がこちらに向いた時、自警団の1人が思い出した。
あれは“ガーディアン”だと。
「全員_____」
その声は指示の続きを出すことも、またその声に声に反応する事も無かった。
16式機動戦闘車の52口径105㎜ライフル砲から放たれたキャニスター弾が、射線上の人もインキュバスもまとめて葬り去った。
機関砲の口径にも満たない1130発のスチール球は連弩の銃座にも襲い掛かり、銃座についていた男も壁に縫い付けられる。
「銃座も破壊しよう、次弾対榴、目標連弩銃座」
「装填完了」
16式機動戦闘車の車内で、装填手が車長に装填完了を知らせる。車長はそれを受け、間髪入れずに命令した。
「撃て」
砲声が街を包み、91式105㎜多目的対戦車榴弾が銃座を破壊。連弩は死体と共に木端微塵に砕け散る。
「2階だ!」
建物の2階から16式機動戦闘車目掛けてインキュバスが矢を放つが、バチンと激しい音を立てて装甲に弾かれる。
返す刀でインキュバスに向けられたのは、改造して砲塔上面に取り付けられた遠隔武器ステーション、プロテクター RS4 LowProfileのM2重機関銃だった。
主砲には劣るものの、銃声としては十分大きい音を響かせて12.7㎜NATO弾がインキュバスの肉体を破壊した。
建物の2階からの攻撃はRWS、地上からの攻撃は主砲の同軸に装備された7.62㎜機銃で対応、程なくして抵抗が止むと、車長は無線を入れた。
「道は開けた、入り口は安全だ」
『了解、各隊侵入、掃討を開始せよ』
本部からの通信、この声は本部で作戦指揮を執っているギルド組合のエバンス組合長だ。
M9ACEが開けた穴を16式機動戦闘車が拡張、安全を確保すると“青い腕章”を付けた剣士や傭兵、騎士団が風俗街へと突入、割り当てられた街区へと浸透していく。
本格的にこの街との戦いが始まった。
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「準備は?」
「大丈夫だ、行けるぞ」
作戦参加資格も解禁され、久しぶりに実戦としてのチームに戻ってきた俺は、風俗街北側からの掃討を開始する為に装備のチェックをしていた。
マルチカムのコンバットシャツとパンツにいつものベルト、プレートキャリア。マグポーチに収められているマガジンには訓練弾ではなく実弾が詰まっている。
バラクラバの上から被るヘルメットも訓練用ではなく、実戦用のFASTドラゴンヘルメット。実戦だという気分が否応なしに高まる。
エリスとペアになって装備のチェック、背中のポーチはキチンと閉まっているし、バックルに緩みも無い。無線のチャンネルも問題なく、いつでも出られる準備が整っていた。
肩を叩いてチェックを交替、俺はエリスに背を向けると、エリスの手がプレートキャリアの背中のポーチを触っているのが分かる。フラッシュバンは入っているか、無線機の電池は問題無いか、ユーティリティポーチの中身は大丈夫か、メディカルポーチのバックルに緩みは無いか。1つ1つをチェックしている。
俺もチェックして貰っている間にフロント部分の再チェック、マグポーチの装填済みマガジンの向き、シザーポーチにメディックシザーが入っているか、固定ボタンは取れていないか、止血帯は清潔な物が入っているか。
色々あるが、一番は両腕に巻かれた幅広の青いバンドだ。
サバゲーマーを彷彿とさせる青い腕章が、敵味方民間人が入り乱れる今回では敵味方を識別する標識。腕章がある者は味方、無い者は敵となる。
死亡した際、敵に利用されない様に可能な限りこの腕章も持ち帰る事が事前に決めてある。
エリスに完了の合図としてポンと背中を叩かれ、礼を言いながら向き直った。
「ヒロトにとっては久しぶりの実戦だ、緊張してるか?」
「まぁな」
久しぶりであるのもそうだが、作戦前の身を捩りたくなるような緊張感はいつまでやっても慣れる気がしない。
既に各部隊の分隊長には作戦の周知はしてあるが、準備を終えた分隊員が集合すると、チーム内で認識を一致させる為に再度周知する。
「良いか?今回の作戦は風俗街の掃討だ、各建物を確認して土魔術で封鎖。もし人が居たら保護、抵抗勢力である場合は逮捕、又は排除する。敵は100人規模、武装は剣や棍棒、飛び道具もあるが銃は確認されていない」
例え相手の武装が劣っていたとしても、油断は出来ない。それは自分や仲間の死に直結する。
「俺達がやるのは北東のA8ブロックだ、南下しつつ掃討、南側から来る味方と合流して96時間以内に作戦を終了する。腕章付けてるのは味方だ、間違っても撃つんじゃないぞ」
敵味方が入り乱れる市街地戦は誤射が発生しやすい状況になる、敵と味方を素早く区別し、行動する事が求められる。
「中の民間人は殆ど退去したが、抵抗勢力に人質にされてる者も居るだろう。注意しろ」
「了解」
作戦前のいつもの事、訓練と変わらない事が出来て一先ず安堵する。実戦はこれからだというのだが、チームをまとめ上げるのも俺の任務だ。
「久し振りの実戦ですが、大丈夫ですか?」
俺の横にいたグライムズがそう言う、目出し帽で顔全体が隠れているが、声と体格からして間違いない。何よりこいつはスタンドアロンのグレネードランチャーを持っている。心配半分、揶揄い半分と言ったところか。
「作戦が久し振りってだけで、身体は鈍っちゃいねえよ。大丈夫だ」
俺も新しい自分のライフル___11.5インチ銃身のSOPMOD Block3仕様のM4を持ち、Geisseleのハンドガードを握る。実戦への空白期間、初めて実戦に投入するライフル。戦闘にとってマイナス要素が多い状況だが、それでも俺の仕事は変わらない。
「行くぞ、出発だ」
風俗街の更に北に設営した前哨作戦基地からトラックで風俗街の北部境界の担当地区まで送られる、それから壁超えだ。
アイウェアを掛けて自分のヘルメットを取り、ピストルとライフルの1本目の弾倉をダンプポーチに放り込んでトラックに向かう。俺は全員を把握するために乗るのは最後だ。
「ご一緒させて頂きますよ」
「おう、今日も頼む」
ランディ達第1狙撃分隊だ、今回も地上部隊を屋根の上から援護してくれる彼らの重要性は言うまでもない。バックパックにチェストリグ、ブーニーハットという装備はいつもと変わらず、背負っているレミントンMSRには.338LapuaMagが、手にしているMCXには.300AAC Blackoutが詰め込まれている。
俺のチームの隊員、更に特殊作戦第2分隊も乗り込み、所定の人数がトラックに収まった。
「忘れ物は無いか?」
「我々だけです」
第2分隊のガレントも自分の分隊を把握した様だ、荷台に上がろうとした時、エリスが荷台から手を差し伸べて来た。
……あの時を思い出す、あの時は逆だったが。
そう思いながらエリスの手を取り、荷台に上がった。
荷台の奥へ合図を送ると、ランディがキャビン側を叩いて運転手に合図を出す。
トラックはディーゼルエンジンの音を響かせながらゆっくりと走り出した。
風俗街の大部分はスラムじみた雑然とした市街であり、決して整った街とは言い難い。ベルム街からこちらへ入る橋から最も遠い北側は特にそうで、粗末な住居が狭苦しく並んでいる。
そんな街を縫うように73式大型トラックは護衛のHMMWVと共に走り抜け、部隊をポイントまで送り届ける。
「建物の確認が済んだら土魔術で建物を封鎖して次にかかる、テキパキ終わらせよう」
俺はヘルメットを被り、顎紐を付けながらそう言う。
「銃の威力にも注意しないとな」
「ああ、確かに」
アサルトライフルの弾丸は威力が高く、壁を容易に貫通する。その為壁の向こうに仲間がいた際、貫通した弾丸による被害が発生する恐れもある。今回持ってきているのはフランジブル弾、金属粉末を固めた弾丸であり、硬い物に命中すると崩壊するような弾丸であるが、それでも注意を払うのは変わりない。
『ポイント到着、各分隊降車』
「了解、降車、降車!」
トラックを降り、周辺の防御を固める。降りた瞬間の攻撃は無く、周囲は静かなままだ。
ランディ達は援護出来る場所を探す為、さっさと市街地へと入っていく。
ヘルメットに取り付けられたヘッドセットの位置を調整し、電源をオン。胸元のPTTスイッチを押して無線のチェックを行う。
「デュラハン1-1、各員、通信チェック」
『1-2、チェック』
『チェック』
『チェック』
感度良好、妨害や傍受も無さそうだ。
「じゃ、俺達も行こうか」
「了解」
「あぁ、伯爵を待たせる訳にはいかないしな」
エリスもそう言うと、全員で頷きあう、この感じも久しぶりだ。
前方、上方、背後を警戒しながら、俺達はいつもの様に警戒しながら市街地へと入っていった。
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「各部隊、制圧開始しました」
「了解」
作戦本部のテントではガーディアンの情報部隊とギルド組合の組合員、レムラス伯爵の兵や配下の者が情報整理と後方支援に奔走していた。
ガーディアンの部隊と上空を飛ぶMQ-9リーパーが得た情報を情報部隊がまとめ、その情報を元に後方支援部隊が活動する。
「しかし……凄いな、ガーディアンはこれだけの情報を、瞬時に共有出来るとは……」
ギルド組合のエバンス組合長がモニターを見ながら唸る、この世界には戦場の様子をリアルタイム共有する___勅令の玉のような物はどこにでもある物ではないだろう。
今も上空からM9ACEと16式機動戦闘車の開けた穴から部隊が流れ込み、市街地の至る所で戦闘が発生している。
「これならどこにどの程度増援が必要か、瞬時に判断出来る。……ガーディアンは自前の増援手段を持っているのだったな?」
「ええ、その通りです。現在戦闘偵察中隊が待機中です」
ガーディアンの隊員がエバンスの問いにそう答える、ガーディアンに対する増援の心配はしなくていい、という事だ。
ガーディアンの戦闘員を各部隊に配置すれば、無線通信による迅速かつ詳細な増援のやり取りが出来ただろう。部隊間での情報共有と連携ももっと取れたはず。
エバンスもそれは分かっていた、だがそうするとガーディアンの最も得意とする集団戦が出来なくなってしまう。
その為連携では少し不利になりつつも、各部隊の強みを生かして戦える配置にしたのだ。
「流石だな、あの男も」
エバンスはヒロトを内心高く買っていた、各部隊が分かりやすい情報整理と、部隊配置におけるガーディアンの立ち回り。若くしてあの才能があるというのは大変貴重であると思っている。
唯一の不安要素だった“セイバードッグ”との不和も、解消とまではいかずとも今回は安心できそうだ。
そのセイバードッグは現在、作戦本部のテントの下で準備を整えつつ待機している。団長のアクスはモニターに喰らい付きっぱなしだ。
増援要請はガーディアン側からなら無線で届くが、無線を持っていない傭兵や私兵の部隊には渡してある信号拳銃を空に向かって1発撃つ事になっている。
セイバードッグは予備部隊、増援要請があれば即座に送り込まれる為、その合図待ちの状態だろう。
「……」
「団長?」
「……あぁ、悪い。……こんな神の視点の様な物をガーディアンは持ってるとはな……」
上空からの視点というのは、この世界は翼竜等の空を飛ぶ者でなければ持ち得ない視点だ。それにそう言った者でも人間の目視でしかない為、光学ズームや赤外線映像というのもガーディアンにしかない技術。
攻撃に防御、治安維持、偵察に輸送量。セイバードッグだけではなく、町中の、下手をしたら公領、王国の武力とは質も量も格が違うのを見せつけられていた。
西の砂漠の防衛に俺達が呼ばれないし、あのドラゴンナイツが進んで吸収される訳だ、とアクスは腕を組んだ。街を思えばこそ、この力というのは魅力的だった。
「もしかすると……」
この戦いの後、この街は大きく変貌するだろう。
「団長!」
「んっ!?」
セイバードッグの団員がアクスに声を掛ける、見るとモニターの中で1発、白い信号弾が撃ち上がっていた。
「俺達の出番だ!行くぞ皆!」
タープテントの中でアクスが声を張り上げる、リラックスしていた雰囲気が引き締まり、団員が剣や槍などの装備を持って立ち上がる。
テントの外には馬が繋がれており、1騎につき2人が騎乗した。
ガーディアンの偵察部隊も武装してテントから出て来たが、準備はセイバードッグの方が早かったようだ。
「行くのか!?」
偵察隊員がアクスにそう声を掛ける、アクスは声を張り上げて答えた。
「あの場所じゃ俺達の方が早い!それにガーディアンはもっと困難の状況に送り込まれるべきだ!俺達の後詰めとして頼んだぞ!」
アクスは言い切る前に馬を走らせる、その後に20頭近い2人乗りの騎兵が続いてかけて行くのを、偵察隊員は敬礼で見送った。