第189話 王者交代
大空を切り裂く翼は、既に翼竜から取って変わられた。
_____航空戦論 元ドラゴンナイツ団長 カナリス・フルブラック
「彼の論文、読んだか?」
「あぁ、空の戦士として彼は申し分ないよ、試験を突破したらすぐ優秀なパイロットになるぞ」
上空、14000ft。カナリスの論文の一節にあるのと同じように、主翼とジェット音が空を切り裂いて飛んでいる。その速度は音速に近く、この世界においてこの速度に追いつける者はいない。
機種転換訓練は通常、パイロットに3ヶ月から半年の長い時間をかけて座学と実機操縦訓練、シミュレータ等でその機体を知り尽くさせた上で、初めて戦闘機を乗り換えて任務が可能である。
だが、今は機種転換訓練を始めて1ヶ月で、彼等は既に任務飛行に就いている。これはヒロトの端末のシステムのお陰であり、このシステムで得た能力は徐々に完全に自分の物になっていく為、解除しても失われる事は無い。
そんな彼らに与えられた、亡霊の次に飛ぶ翼。航空機の目とも呼べるレーダーの出力は200㎞以上先の目標を探知可能な最も強力な物であり、その機体の機構が生む高い運動性と見た目は現代でも未だに高い人気を誇る。
F-14D トムキャット 可変翼を採用し、強力なレーダーとミサイルの運用能力を持ち、艦上戦闘機として空母艦隊の艦隊防空を担っていた戦闘機だ。
この戦闘機が生まれた最大の理由は「空母艦隊をソ連の長距離対艦ミサイル及び発射母機である爆撃機から守る事」であった。
当時はイージスシステムも存在せず、艦隊防空用戦闘機計画も当時の国防長官であるロバート・マクナマラに邪魔され、ベトナム戦争で軽量で運動性の良いMig-19やMig-21に苦戦していた海軍にとっては正に待望の戦闘機であった。
そしてその戦闘機の最終アップデート版、F-14Dは異世界にも生まれたが、ガーディアンは空母を持つどころか海軍すらなく、基地にはイージス・アショアが存在する。しかしこの戦闘機は必要とされたのは、この戦闘機だけが持つ性能があるからだ。
『コントロールよりレイピア、レーダーコンタクト、BRAA 270 292 4900 BEAM。……飛行速度と特性からターゲットは“ドラゴン”である可能性が高い』
防空コマンドの管制官から連絡が入る、彼等は的確に機体を得物まで誘導してくれる、陰で彼らの戦闘をサポートする優秀なオペレーターだ。
『レイピア1、了解、ヘッドオンを狙う為回り込む』
黒く塗装された垂直尾翼にレイピアの意匠のテールマーキングの入った2機のF-14Dはアフターバーナー点火、主翼を完全に折り畳み機体は鏃の様な形になる。
速度は音速を超え、あっという間にドラゴンらしき反応を追い越して引き離す。ドラゴンとの距離は数分で100㎞を超え旋回。
『レイピア1、レーダーコンタクト、BRAA 190 222 高度変わらず4900 、DRAG。旋回して現在ヘッドオン』
『了解、こちらも捕まえた』
レーダーで捕捉、後席のジャレッド・ベルナップ少佐、“テリア”が後席でレーダーを操作。目標をマークし照準する。その情報を前席のショーン・マクラウド少佐、“マックス”が受け取った。
『いつでも撃てる。射撃権をそっちに譲渡するぞ』
『了解FOX3、FOX3』
F-14の機体下部、エンジントランクの間のトンネルに取り付けられたパレットから巨大なミサイルが分離、落下した後空中でロケットモーターに点火し、凄まじい速度で飛んでいく。
AIM-54C+ フェニックス 長距離で爆撃機や巡航ミサイルを迎撃することを目的として開発された長射程の空対空ミサイルだ。
白煙を引いて数秒で音速を超えてさらに加速するミサイル、レイピア1と2から2発ずつの4発が発射されたが、このAIM-54Cも対ドラゴンの為に改造されており、ただの長距離空対空ミサイルではない。
命中まで78秒、100㎞以上先までその程度の時間しかかからない。
ミサイルが自立レーダーを作動させ、アクティブモードに入れば母機からの誘導は不要になる。再びアフターバーナーを点火し、ドラゴンへ接近していった。
驚いたのはドラゴンの方だろう。
今までずっと捕食者側で、背中も気にする事無く、異世界に君臨する王者として暮らして来た。
ドラゴンを討伐した者がドラゴン殺しと祭り上げられ、最低でも名誉貴族、場合によっては銅像が立つ。
この世界においてドラゴンというのはそれほど強い魔物なのだ。
しかし、そんなドラゴンを襲ったのは、音速の5倍で飛翔してくる500㎏近い重量物だった。
ドラゴンの反射神経では到底避けきれない高速飛翔体がドラゴンの腕に突き刺さり、腕が捥げて地上に落ちる。
ギャガァァァァァァァァ!!!
人々を畏怖させ、災害と同義とも言われてきたドラゴンの咆哮は、更に2発目が腹部に命中して鱗を貫き、3発目と4発目が首を落とすまで響き渡っていたが、その残響はすぐに2機の戦闘機のジェット音に掻き消された。
不死鳥の手によって、ドラゴンが異世界の覇者の座から引きずり落とされた瞬間である。
『1キル、ドラゴンダウン』
ドラゴンを叩き落したレイピア1と2、2機のF-14Dが翼を広げて上空を左旋回している。
炎を吐く器官に命中したのか内側から爆発する様に身体が真っ二つに裂けており、それでも鱗の大部分は原型を留めている様だ。
『レイピア、こちらコントロール、ヘリ部隊が急行中、到着まで上空を警戒、ヘリ部隊の回収を援護せよ』
『了解、待機する』
燃料をチェック、帰る分の燃料を考えるとここに居られるのは45分程しか無いが、彼らが早急に到着する事を願おう。そう思った時、早速ヘリ部隊から通信が入った。
『こちらイエロー3-1、レイザー01と共にドラゴンの墜落地点に接近中』
『了解、こちらレイピア1、残燃料が心許ないので早めに頼む』
空中給油機でもあれば滞空時間を伸ばせるんだが、と言いかけて、ガーディアンにはまだ空中給油機が無い事を思い出す。
地上では、2機のCH-47Fと2機のUH-60Mがドラゴンの回収作業を開始していた。
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「ああ……了解、お疲れ様と伝えてくれ。積み残しの無い様にとも……ああ、頼む」
本部基地と今まで呼んでいたこの基地にも名前が付いた。
“フォート・フラッグ”
旗艦のフラッグから取ったここは、ガーディアンの総司令部になる基地である事からその名前が付けられている。それにここは特殊作戦部隊が駐屯する基地であり、アメリカ陸軍特殊作戦コマンドの司令部があるフォート・ブラッグに語感が似ている事も、この基地にその名前が付けられた理由の1つだ。
それに伴って、空軍基地の方も“フォート・フラッグ空軍基地”と名前が付けられる事となった。
フォート・フラッグの執務室、いつもの机に椅子、俺は自分の部屋があり、エリスと一緒に生活しているが、仕事の時は大抵ここに籠っている。
受話器を置いて溜息をつく、疲労というよりも安堵が大きい溜息だ。
「どうだった」
エリスが机に身を乗り出して報告を待つ、何しろ向かったのはドラゴンの討伐だ。ガーディアンでもまだ2回しか成功しておらず、期待と懸念が入り混じった表情をエリスが向けて来る。
「大丈夫だ、作戦は無事に成功した。ドラゴンを撃墜し、こちらに損害はない」
「…………良かった……!安心したぞ。しかしまさかまたドラゴンをやれるなんて!」
安堵と共に歓声を上げるエリス、作戦開始前も不安がっていたので安心してくれてよかった。
「しかし凄いな、ギルドとして3体目のドラゴン撃破、聞いた事も無いぞそんな戦果!この調子だと世界のドラゴンを食い尽くしてしまいそうだ」
「いや、それは流石にな……けど素材も手に入ったし、ドラゴンにあれが通用するってのも分かったから良かった」
今回のドラゴン討伐作戦に投入した2機のF-14D、それらが搭載していたAIM-54Cはかなり特殊な改造をしてあり、それの実戦試験も兼ねていたのだ。
AIM-54C+のミサイル重量は464㎏、その内弾頭の重量は60㎏だが、弾頭に通常弾頭の代わりに薄くドラゴンの鱗を張り付けた同サイズの鉄を搭載しており、これによりミサイル全体の重量は500㎏を超えている。
爆発のエネルギーが鱗の魔力に吸収されてしまうなら、運動エネルギーで強引に鱗を貫通してしまえばいい。
そう言った考えの下で改造されたミサイルは当然フル搭載は出来ず、最大で4発しか積めない。しかし、運動エネルギーは凄まじく、重量×速度2乗を2で割って求められる運動エネルギーは722.5MJ、これは5㎏程のAPFSDSを秒速1500mで発射する戦車砲のマズルエネルギー6.2MJの116倍、戦艦大和の主砲のエネルギー444.13MJの約1.6倍である。
正にドラゴン殺しの不死鳥、現時点でまともにドラゴンに通用する数少ない兵器でもある。
「空軍基地で見たあの大きなミサイルか、あれならもしかしてと思ったが、こうもあっさりと……」
「あんな図体をしているが、あれでも最終速度はライフル弾より速いぞ」
「あれが、ライフル弾より速く……信じられん」
いつも使っているM4の弾丸が音速の3倍を超える速度で飛んでいく事をエリスも知っているが、あの大きさのミサイルがライフル弾よりも早く飛んでいく事は未だに信じられないらしい。
いつか戦闘機がミサイルを発射する所を見せてあげたいと思う、白いスモークを引いて飛んでいくミサイルが綺麗で____とても何かを壊し、何かを殺す兵器だとは思えない程幻想的な風景だ。
「これで車輌の装甲の方にも転用するだけのドラゴンの鱗を準備出来るな」
ドラゴンの鱗を使ったヘルメットやプレートキャリアに挿入するSAPIタイプの防弾プレートは既に戦闘部隊から後方部隊までの全員分が行き渡っており、予備の備蓄も十分にしてある。
ドラゴンの鱗は炎や爆発等、高温と高圧に耐えるだけの強度と魔術的耐性があり、これがAPFSDSにもタンデムHEATにも耐える防御力の原因である。
であればどのようにこれをプレートやヘルメットに加工しているのか。
防弾プレートに関しては、レベルが上がり軍用物資として磁性流体の召喚が可能になった為、磁性流体のウォーターカッターによる切断及び切削加工が可能だ。
問題はヘルメットを作成する際の曲げ加工なのだが、ドラゴンの鱗を解析した結果、-100℃辺りの低温でドラゴンの鱗が変質し始め、-140℃付近で柔らかく曲がる事が分かった。
この事から液体窒素に浸して曲げることによって、より強度が高く、素材も無駄にならない様にヘルメットを作る事が出来る。
冷却処理後、常温に戻るとドラゴンの鱗は再度変質し、魔術的な性質を残したまま再硬化、冷却処理前よりも強固になる上、次の冷却処理が不可能となる。
この事から常温に戻る前に加工しなければならず、曲げ加工が出来るのは1度だけだ。
冷却処理は硬化によりさらに強靭な装甲となる為、曲げ加工だけで無くプレートの強度を上げる為にも用いられる。
これにより、ヘルメットの帽体だけでなく、プレートも効率的かつ安定供給が可能な生産が可能になった。
今までは歩兵向けの防弾装備を中心に生産していたが、評価試験隊の方では戦車や装甲車への増加装甲としての転用の試験も行い、試験自体は既に終了していた。リソースを歩兵の防具の方に割いていた為に安定生産出来なかったので今までやっていなかったが、今回で歩兵向けの備蓄分と一部車輌の増加装甲分のドラゴンの鱗を確保出来た。
「車輌の強化も出来るな」
「少しづつではあるがな……」
そう、少しずつ、少しずつなのだ。一遍にやろうとすると必ずどこかで躓く。俺は昔からそうだったし、それは今でも変わらない。最近は出撃出来ない鬱憤を晴らす様に軍拡していたが、それを一気に動かすと大変な事になると気付いてそれらを流動的に運用出来る専門の人材を召喚したところだ。
軍隊や傭兵、民間企業もそうだが、よくあれだけの人を動かせるものだ……と本当に感心する。
書類仕事に手を付け始めると、ギルド組合からの要請の書類が入っているのが見えた。
「お、組合からか……」
「内容は?」
「また隊商の護衛だと」
「これでもう6件目か、多いな」
エリスが書類を覗き込む。ベルム街は物流の拠点であったが、先月の水害で町が壊滅して以降、未だに完全復旧とはなっていない。特に運河を使った水運は機能しておらず、王都から西や南へ物資を輸送する為の水運は使えず、現在復旧しているのは陸路のみ。火事場泥棒の様に混乱に乗じて隊商を襲う山賊めいた事案も増えている為、町中の大小様々な戦闘ギルドはその隊商の護衛でてんてこ舞いだ。
もちろん戦闘ギルドは街の治安維持や魔物からの防衛も仕事な上、未だに残る市街地の瓦礫撤去も依頼されている。各戦闘ギルドは隊商の護衛に全てのリソースを割く訳にもいかず、どこもかしこも人手不足という訳である。
それはガーディアンも例外ではない。
現在完全編成で隊商護衛の様な、戦闘状況発生を前提とした任務に出せる部隊は、訓練が終了した第2、第3小隊だが、第2小隊は今訓練で出払っている状況だ。
第3小隊は分隊毎にそれぞれの隊商護衛に出ており、4つの分隊と小隊本部で編成された部隊は全て任務に出ている。
第1小隊も出せるが、部隊の性質上特殊部隊として扱われる為、なるべく外には出したくない部隊だ。
「第2小隊を呼び戻す訳にもいかないしな……」
「第1小隊の第4分隊に行ってもらったらどうだ?この際仕方ないと思う」
「そうだな……なるべく顔を晒さない様に行って貰うしかなさそうだ、スティールを呼ぼう」
正直な所、特殊部隊である第1小隊はこのような任務に当てず温存しておきたい所ではあるが、この際致し方無し、こちらが注意する以上に出来ることなどない。
仕事が増えてきているのはありがたいが、忙しすぎるのも考え物だな。
運河の再整備と堤防の修復及び再構築の計画も工兵隊の手によって進んでいる、これが終れば水運も復活するだろう。そう思いながら館内放送のスイッチに手を伸ばした。
外は寒く、北からの風が雪を運んできた。
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グライディア王国北部
ワーギュランス公領の更に北、カンサット公領は王国の北の辺境であり、北側の山脈はこの大陸の北1/3を遮る様に東西に歪な形に伸びている。
この山脈の向こうの調査は遅々として進んでおらず、強力な魔物も棲んでいるだとか、神々の土地だとか噂されて人々は“聖域”だとか“地獄”だとか呼ぶこともあると言う。
その山脈の南麓は良質な魔石が豊富に採掘出来るとして、厳しい環境の中だが鉱山で働く奴隷や鉱山夫が住む村が広範囲に点在している。
当然その魔石鉱山を狙うのは隣国のシュラトリク公国、彼等は銃の動力源となる魔石を狙い、この地へと侵攻した。だが、ここが国境として接しているのはシュラトリク公国だけではない。レグランド帝国と3国の国境地帯にあるこの地は、魔石鉱山を狙った国々によって度々三つ巴の戦闘が展開される地獄と化す。この地はそれだけ重要な場所なのだ。
しかし、そんな地獄の中で、この地の山岳民兵たちはこの2国の軍勢に対して圧倒的数的不利があるにも関わらず、地の利と天候、戦術を駆使して何度も勝利を重ね、夏頃活動が活発化して来た、新兵器である“銃”を装備した公国軍の侵攻ですらも国境の向こうへと押し留めていた。
この地の冬は大雪が降り、山の向こうの軍事行動も雪に閉ざされ、鳴りを潜めていた。雪は自然の防壁であり、軍事行動が制限される為、冬を越すこの地の人々は安心して過ごせる__________筈だった。
一夜にしてある村が、血の色に染まるまでは。
「はッ!はッ!はッ……!」
ザフ、ザフ、と雪を踏みしめる少女の駆け足の音が背後の喧騒から遠ざかる。少女が生活していた村は、その夜地獄と化した。
誘拐、略奪、処刑、隠れた家には火が放たれ、あぶり出して連れ出される。
外道な山賊のやりそうな事は一通り目にした少女は、近くの村に助けを求めようと、深い雪の上に更に降って来る雪の中、懸命に走った。
突然襲ってきた山賊は、皆必死な顔をしていた。冬の間にこの辺りで物資が底を尽きた冒険者は度々山賊化し、こうして村を襲いにやって来るのは珍しい事ではなかった。この厳しい気候の中、生きる為に奪い命のやり取りをする山賊のあるべき姿だが、襲われて生活基盤を覆される方は溜まったものではない。
この少女も、そんな襲われる側の1人だった。
「はぁ……はぁ……っ……」
息が白く凍り、雪が解けて沁み込んだ外套は少女の体温を奪っていくが、ここで止まる訳にも行かない。彼女が人を呼ぶのが遅れれば、被害はもっと大きくなるのだ。
だが、付近の村の山岳民兵なら、あんな山賊丸ごと撃破出来る、皆殺しに出来る。その強さが山岳民兵にある事をこの少女は知っていた。
「とにかく……大人の人を……!」
既に積もった雪の上に、吹雪いていないにしろかなりの勢いで降る雪が層を作る。隣の村までの距離は大体1.5㎞程、大雪の中、そこを子供が走らなければいけない程の事態である。
もう少し……隣の村の明かりが見えて来た、少女の中に僅かな希望が芽生えた瞬間。
少女の背後から、雪を踏みしめ、駆け寄る音が聞こえた。
「ひッ……!?」
少女の喉が干上がり、声が出なくなる。走れと思っても、なかなか足が動いてくれない。
ついに雪の中、少女は追いつかれて、凄まじい力で雪に押さえつけられる。
押さえつけられた少女は、痛みと恐怖の中、荒い鼻息を耳にした。山賊の獣のような匂いに、怖気がゾワリと少女を包み込む。
これから何をされるのだろう、少女の想像から拒否の言葉がとっさに出た。
「い、イヤッ!や、めっ……!」
ボキリ、逃げられないようにか、足の骨が折れる音が鈍く響いた。
「あ゛っ!?あ゛あ゛あ゛!?いだいっ!痛゛いよぉっ!やめて、え゛っ」
首の後ろを鈍い痛みが襲った、少女の口から、人間らしい言葉が出たのはこれが最後。
「あ゛……や、め゛……」
濁った声を口から垂れ流しながら、少女は暗く、寒い森を引きずられていった。
その場に残ったのは、僅かな服の切れ端と、血痕だけ。
この村で異常が起きたのは、この日、その夜からだった。
次回から“山編”に入りますが、山編の執筆を続けながら最初の2桁話当たりの修正作業に本腰を入れ始めます。何しろあの辺、自分で読み返したら恥ずかしいくらい酷いので……
多分2か月ほど空くと思います、けど我慢できず投稿する可能性も……
お待ちいただければ幸いです。