第128話 本隊到着
4日後。
街中にあるバイエライド臨時FOBは、ガーディアンが土地ごと買い上げて一旦閉鎖、ガーディアンの拠点は全て新FOBに移した。
現在では要塞撤退前にも行っていた、馬を車輌に慣らす訓練を繰り返し行っている。
お陰で作戦に参加するレジスタンス騎兵隊の殆ど全ての馬が、車輌に慣れて共に作戦行動が可能なまでになった。
レジスタンス達とガーディアンは本格的な連携体制に入り、ロンメルの指揮下で動いている。
今回の作戦で行動を共にするのは騎兵隊2個隊で、それぞれハーフエルフのクルトと人間のミハエルが指揮を執る隊だ。
「よう、ガーディアンのヒロト指揮官」
訓練中、そんな声を掛けてきたのはクルトだ。
短い耳が兜の隙間から覗いている。
「クルトか、馬の方は準備出来たのか?」
「まぁな、もうあんた達と一緒に行動出来るレベルだ」
そういうとクルトは振り向き、彼の馬と思しき馬を指す。
因みに彼の戦闘スタイルは、馬で高速移動しつつ木系の魔術である"ウッド・ステッカ"を撃ちまくる事だ。
しかし彼はハーフエルフの為、使う魔法は"精霊魔法"、この辺の土地は木が極端に少なく、木の精霊が少ない為、木の杭も脆く、砂漠のど真ん中では形成出来なくなってしまうと言う。
「君達には後続を頼む事になる、突破口は俺達が開くから、掃討を頼みたい」
「任せておけ、掃討作戦はレジスタンスは得意なんだ」
ニカッと彼は笑う、その手には、市街地などの閉所でも取り回しの良いように短くされた槍が握られていた。
「ヒロト指揮官!」
今度は別の方から声が掛けられる、見ると、金髪から生えた狐耳を揺らしながら女性士官が駆けてくる。
エルヴィン・ロンメル、彼女がレジスタンスの指揮官だ。
「君達の部隊が到着した様だ……君達はとんでもない大部隊を呼んだな……」
「そうだろ?」
ロンメルの言葉の後、遠くから聞き覚えのあるエンジン音が聞こえてくる。
俺はFOBのゲートにある管制塔に向けて腕を振ると、FOBのゲートがガラガラと音を立てて開いていく。
道を辿るようにして真っ先にFOB入りしたのは、ピラーニャⅢ装甲車と34輌の特大型運搬車である。
その特大型運搬車には、90式戦車と89式装甲戦闘車、M2A3ブラッドレー歩兵戦闘車が積まれていた。
それを目にしたロンメルとクルトは、車輌の大きさと数に目を丸くして驚いていた。
「長旅ご苦労だった、到着した部隊から戦車と装甲車を下ろして、第3分隊の誘導に従って駐車してくれ」
『了解』
戦車中隊長に無線で指示し、返答が来ると次々と特大型運搬車がFOBに入って来る。
FOBは派遣部隊を受け入れる余裕を持たせる為にかなり広く設計されている為、問題無く収容出来る。
戦車隊が全て降車し、戦車隊のスペースへと移動し始めた時、再び特大型運搬車の車列が現れた。
次の車列は特大型運搬車だけで無く、HMMWVも続いている。
特大型運搬車に載せられている車輌は99式自走155mmりゅう弾砲、陸上自衛隊が装備する高性能な自走砲である。
そしてHMMWVが牽引しているのはM777A2 155mm榴弾砲。
この部隊は遠距離への火力投射の要、砲兵隊である。
砲兵は1門では有効な攻撃方法とは言い難く、砲の数を揃える必要がある。
ガーディアンの砲兵隊は1個大隊、24門の榴弾砲を揃えている。1個射撃中隊が6門、4個中隊の編成だ。
戦車隊の誘導を終えた隊員が手隙の戦車隊の隊員と協力し、轢かれない様に気を付けながら砲兵隊の誘導を開始する。
「砲兵隊は2番と4番格納庫だ!気を付けて運んでくれ!」
俺も誘導を行いながら基地を走り回り、事故の起こらない様に監督する。このFOBの責任者は一応俺なのだ。
基地の入り口では邪魔にならない様に隅に寄ったロンメルとクルトが目を丸くしたままその作業を眺めている、こんな巨大な鉄の塊が行き来する光景など、この異世界にはないのだから。
この前線基地に、機甲、砲兵と兵科が揃った。
「さてさて、次は……と」
次の音が近付いてくる、そちらに目をやると、先程までとは違った"コンパクトな"車輌達が列を作って向かってくる。
歩兵が乗り込む8輌のピラーニャⅢと、それに続く9輌の16式機動戦闘車とLAV-AT。10輌程のHMMWVと4輌のLAV-25A2、後方支援大隊の73式大型トラックとLAV-Lがそれに続いていた。
歩兵科の登場である、今回の作戦で重要な役割を果たすが、頭数が足りないのはガーディアンの最近の問題点である。
因みに、16式機動戦闘車とLAV-ATも"機甲科"ではなく、"歩兵科"の管轄だ。
なぜかと言えばこれらの装輪戦闘車輌には、正面切って戦車と対抗するには能力不足だからだ。
16式機動戦闘車には105mm戦車砲、LAV-ATにはBGM-71 TOW2B対戦車ミサイルと重武装が施されているが、戦車の様に装甲が分厚い訳ではなく、戦車に砲撃されれば戦車より簡単にやられてしまう。
そう言った意味で「戦車とガチで殺し合いをする部隊」では無く、「味方歩兵に対戦車戦闘能力によって火力支援を提供する部隊」なのだ。
そんな16式機動戦闘車とLAV-ATが歩兵部隊のピラーニャⅢやHMMWV、LAV-Mと共にFOBに入っていく。
続くLAV-25A2や73式大型トラックは偵察部隊、K9小隊の車輌だ。
K9のラプトル達も、今回の作戦では役立って貰うことになる。
さらに後ろに続くのは、工兵隊、輸送隊、補給隊、衛生隊の後方支援大隊だ。
戦闘部隊だけでは、戦場を戦い抜く事は不可能だ。
塹壕を作り、障害を爆破処理する工兵。
兵員を現地まで輸送する"軍隊の血液"たる輸送。
あらゆる通信機器を備え、"軍隊の神経"となる通信。
食事や風呂など、生活の世話をする補給隊。
怪我や病気などに対応する衛生兵。
主にこれらの兵科によって後方支援大隊が構成されている、どれも無くてはならない部隊だ。
全ての部隊がFOBに入り車輌を格納し終える頃には、既に夕暮れ時が始まり空が薄く茜色に染まり始めていた。
その夕暮れの空を、今度はヘリ部隊がFOBに向けて飛んできていた。
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夕飯を終えた後、各部隊の分隊長や小隊長を集めて作戦室に俺は居た。
歩兵小隊長の沢村とシュバルツ、以下各分隊長と、対装甲機動中隊長の大崎誠少佐、そして機械化歩兵を運び共に戦うIFV中隊各小隊長。
機甲中隊長の池田末男少佐、以下各小隊長。
砲兵大隊の小野寺大地中佐、各射撃中隊の中隊長。
その他後方支援大隊の各隊長や偵察隊のヴィーノやゴードン、レジスタンス騎兵隊の隊長クルトとミハエルも作戦会議に参加していた。
「作戦を伝達する!」
勢い付かせる為、俺は声を張り上げる。
雛壇状になっている作戦会議室に俺の声が響き渡り、空気が張り詰めるのを肌で感じた。
「敵に反撃の隙を与えぬ様、クァラ・イ・ジャンギー要塞と城塞都市ジャララバード、2つの目標を同時に奪還する!」
ざわっと作戦室が一瞬騒然となる、特にレジスタンス達は驚いていた。
「何故要塞と城塞都市を同時に奪還する必要があるか、1つ目の理由は公国軍の継戦能力を断つ事だ」
俺は、恐らく敵はジャララバードとクァラ・イ・ジャンギー要塞に同じくらいの戦力を分散配備し、どちらかが落とされてもどちらかで戦闘継続が可能な様にしているだろうと踏んでいた。そしてそれは予想通りであった。
それを裏付けたのは情報科の偵察衛星や、無人偵察機"レイヴン"、そして隊員による偵察のおかげだ。
城塞都市の倉庫や要塞の兵器備蓄倉の人の出入りが明らかに多くなっている上に、衛星からの画像からだと砂地の中の倉庫の近くの足跡が増えたと言う。
「クァラ・イ・ジャンギー要塞へは第2小隊と機甲中隊、IFV中隊が向かってもらう。砲兵大隊の第1、第2射撃中隊は東側に、第3、第4射撃中隊は南側へ展開して火力支援を行え」
俺はスクリーンに投影した要塞と城塞都市の図をポインターで示しながら作戦を説明する。
クァラ・イ・ジャンギー要塞へは機甲部隊が進軍する、14輌の90式戦車、14輌の89式装甲戦闘車からなる機甲部隊は北から要塞へと突入、機械化歩兵部隊を展開させて要塞を制圧していく。
M2A3ブラッドレーは99式自走155mm榴弾砲の護衛として第3・第4砲兵中隊に同行する。
「要塞へは第2小隊とともにK9部隊も向かってもらう、内部を騎兵隊と共同で掃討してほしい」
「ラプトルは全部投入するんですか?」
「ああ、全部だ。公国兵を探すのに役立ってくれる」
ラプトルの嗅覚は犬以上、聴覚も鋭く速く走る事も出来、足の鉤爪で戦闘も可能だ。
「ただ、敵は銃を持ってる。ラプトル用の防具は忘れるなよ」
「了解」
「火器小隊の第1、第2機関銃分隊はヘリボーンで城門を確保。機甲部隊の突入を援護してくれ。各迫撃砲分隊は北門より300m地点に火点を置き、機甲部隊が城門に入るまで機関銃分隊を援護してくれ」
「了解」
「了解」
今回の作戦に参加する航空戦力には、ナイトストーカーズのMH-60Mだけでは無く、UH-60Mも含まれていた。
俺が基地の増築に伴い、救難やヘリボーン作戦に必要と考えて4機を召喚していたのだ。
今回はその内2機を投入、機関銃分隊を城門にヘリボーン降下させて城門を確保する事になっている。
今回の様に敵を電撃的に奇襲する作戦では、素早く展開するヘリボーン作戦が適している。ヘリはその最重要任務を担うことになっている。
「レジスタンスの騎兵隊、作戦までに動ける隊は?」
「1番隊、3番隊。それから歩兵隊から1番隊と2番隊が投入出来る、練度も数も十分揃ってる」
俺の問いにロンメルは投入可能な隊を選定して答える。
「よし、騎兵隊を城塞都市に、歩兵隊を要塞に投入して内部を掃討してほしい。門はガーディアンが確保する」
「分かった、ガーディアンの後に要塞と城塞都市の奪還に飛び込もう、獲物は残しておいて欲しいぞ?」
「それは相手の出方によるな」
ロンメルの問い掛けに、俺は苦笑しながらそう答えた。
「要塞の上空援護はタロン隊が付いてくれ、ローテーションで上空に張り付き、常に援護が途切れない様にして欲しい。彼らは君達の援護を必要としているからな」
「お任せを」
AH-64Eガーディアン・アパッチ4機で編成された"タロン隊"の隊長、モーガン・ディーレイが自信ありげに頷く。
彼らは自在に空を飛ぶ機動力を備え、重戦車すら破壊する火力を持つ、更には対空砲火に対する防御力もそれなりだ。
異世界の空飛ぶ戦車がドラゴンなら、こちらの空飛ぶ戦車は彼らの装備するAH-64Eガーディアン・アパッチ攻撃ヘリコプターである。
「次だ、ジャララバードを攻略する部隊を発表する。第1小隊と第1狙撃小隊、ダーター隊、それから対装甲機動中隊、高射隊だ」
対装甲機動中隊の隊長である大崎少佐と第1小隊長の健吾、AH-6Mで構成されたダーター隊の隊長、アラン・サイズモアが姿勢を正す。
「俺達はナイトストーカーズによるヘリボーン作戦だ、北門を第3分隊が確保、援護に各狙撃分隊とダーター隊が就け」
狙撃小隊本部のカーンズ・マクエルトが頷く、こういった場合の援護につく分担というのは既に決まっており、それを想定した訓練も繰り返されている。
「第2、第4分隊と援護の狙撃分隊は、城塞都市の中枢である司令部への道を確保、後続の騎士団の為だ。騎士団が入場したら、合同で内部の掃討に掛かってくれ」
俺はスクリーンにレーザーポインターを向けて指す。
ジャララバード全域ではなく、ジャララバードを地区ごとに4分割、各担当地域の制圧に分隊を割り振っていく。
「第1分隊と第1狙撃分隊は司令部を制圧し確保、制圧後は騎士団のと合同で城塞都市を制圧する」
俺の部隊は司令部制圧が目的、スーパー61も司令部へ俺達を降下させる事になっている。
「対装甲機動中隊は確保した北門から司令部への1個小隊と小隊本部を置いてくれ、残りは南側の竜騎兵の屯営地に向かい、翼竜による航空戦力を潰す」
「了解、お任せを」
大崎少佐が頷きながらそういう、彼らが敵の竜騎兵隊を封じ込めれば敵は翼竜を飛ばす事は出来ない。
更には高射隊を同行させ、"地上から"制空権を確保する。
「以上が今回の作戦の概要だ、実行は3日後、可能な部隊はすぐに調整に入ってくれ」
「「了解」」
この作戦が失敗すれば、レジスタンス達は公国軍に一掃されてしまうだろう。
しかし成功すれば、公国のグライディア王国侵攻の意思を砕く事が出来る。
ミスは許されない、俺もそれを心に刻み込んだ。
俺もM4の調整に行くかと思いつつ席を立つ瞬間、俺を呼び止める声があった。
「ヒロト」
エリスかと思い振り向いたが、声を掛けて来たのは狐耳の生えた金髪、ロンメルだった。
「ロンメルか……レジスタンス達の様子は?」
「皆奮い立ってるよ、私は出撃せず後方から戦局を見分ける事になるが、私も皆も覚悟も出来たようだ」
覚悟?と不思議に思った瞬間、ロンメルが姿勢を正して俺を見据えてくる。
「私を……私達レジスタンスを、ガーディアンの戦列に加えて欲しい。レジスタンスの騎兵隊ではなく、ガーディアンの兵士として」
俺は頭が真っ白に……とまではいかないが、かなり驚いた。
レジスタンスではなく、ガーディアンに加わって戦いたいと言うのだ。
「……本気か?」
「あぁ、本気だ。皆の意思も確認してある、ガーディアンに加えて欲しい」
唐突の事だった。正直いきなり言われても、こちらも準備が整ってないので、はいそうですかと彼らをガーディアンに迎え入れる事が出来ない。
彼等の教導、装備、規模、資金面、問題はその一瞬で山積みになる。
しかし、彼等がガーディアンの兵士として、"銃"を手に取って戦いたいと言うのならば、歓迎すべきであろう。
「……分かった、こちらでも準備を進める。作戦の日にまた意思の確認をするから、伝えて欲しい」
「ありがとう……感謝する、これでこの街と人達を守る事が出来る」
ロンメルが笑みを浮かべる。
彼ら、彼女らは、これから異世界には無い、強力な力を手に入れるのだ。
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作戦前日、夜。
準備展開に入った部隊が基地で動いている。
戦車隊は砲弾を満載し、燃料をタンクに満たして行く。随伴するIFVも機関砲弾と対戦車ミサイルを装填し、準備に入り並んでいた。
砲兵隊も格納庫に無数の砲弾が並べられ、装薬も必要な数がLAV-Lや73式大型トラックに積み込まれて行く。
準備展開を始めた第3、第4砲兵射撃中隊の99式自走155mmりゅう弾砲は、敵に見つからないように砲撃地点に向かうためにM2A3ブラッドレーの護衛を伴い基地を出発した。
自走砲を擁する2個射撃中隊は、大きく東廻りで要塞と城塞都市の中間地点に陣取る予定だ。
第2歩兵小隊も格納庫の隅に弾薬や弾倉を積み上げていた、彼等は機械化歩兵として89式装甲戦闘車に乗り込み、90式戦車に同行してクァラ・イ・ジャンギー要塞へと突入する。
その他の支援兵科も、戦闘部隊を支援すべく準備を行っている。
俺達第1歩兵小隊は、ヘリ格納庫に武器弾薬を集めて出撃に備えていた。
俺はそんな様子を眺めながら、バイエライドFOBを眺めていた。
異世界にはない、人工的な灯りが基地を照らす。砂漠の夜は少し肌寒い。
「ヒロトー!」
少し遠くから手を振りながらこちらに向かってくる聞き慣れた声と見慣れた金髪、間違いなくエリスだ。
「おお、エリスか。進捗どうだ?」
「良い感じに進んでいるぞ、私もライフルの調整とプレートキャリアのセットアップは終わった、バッチリだ!」
「ん、そうか。俺ももう終わってる」
「それから夜食のお知らせだ、補給科が夜食にスープを作ってくれたぞ。砂漠の夜は少し冷えるからな」
「お、本当か?何スープだろうなぁ……」
言いながらエリスの横を通って補給科のところに行こうとした時、エリスに手を引かれた。
お?と思いながらエリスに手を引かれると、格納庫と格納庫の間、奥まったところまで連れて来られた。
奥まって影になっている為、表からは極端に見えにくい。
「……ヒロト、緊張してるか?」
エリスにそう言われ、内心どきりとする。
「いや……訓練通りやればいいだけだ、そんなに緊張はしてないぞ、いつも通りだ」
「……そうか?本当は緊張してるんじゃないか?」
エリスはそう言いながら俺にぴったりくっ付き、胸板に耳を添える。
自分でも感じる、自分の鼓動。
エリスがくっついている事もあってか、いつもより早く、そして大きい心臓の音が自分でも感じられる。
「……私は、ヒロトの事、いつも近くで見てる……だから分かる」
エリスはそう呟くように言いながら俺の腰に手を回し、ぴったり密着するように抱き付いてくる。
「……あぁ……そうかもしれない……」
エリスの背中に手を回して抱き締めながら目を閉じる。
思えば、今まで戦ってきたのは無秩序な魔物達、ならず者、麻薬カルテルの様な練度の低いゴロツキ達ばかりである。
正面を切って正規軍など相手にした事はこれまでに無く、若干の不安感を抱いていた。
「そっか……すまない、上官の不安は皆に伝わるからな」
「……私達は8人でどんな敵とも戦ってきた、魔物にアーケロンみたいな連中、麻薬カルテル……今回も同じだ、ヒロトから教わった技術はどんな時も衰えないよ」
エリスがこちらを見上げてくる、俺はその頭を撫でると、目を細めて微笑んだ。
「……あぁ、今回も生き残るぞ、何としてでもな」
俺はそう言いながら彼女を抱き締め、ガーディアン団長としての意思を再び持ち直した。
さぁ行くぞシュラトリク公国軍、戦争の時間だ。