第1話 プロローグ
自分の中の妄想を勢いだけで書き始めました、登場武器兵器は作者の好みを反映しておりますのでその点はご了承下さい。
俺、高岡大翔25歳はミリヲタである。
特にジャンルは現代の兵器、好きな兵器を挙げさせれば陸の兵器で90式戦車、M1A2エイブラムス、M4A1、AH-64D攻撃ヘリコプター。
海の兵器でニミッツ級航空母艦、こんごう型護衛艦、アーレイバーク級ミサイル駆逐艦。
空の兵器でF-22Aラプター、F-2Aなどなどキリがない。
「SIG516……?なんだそりゃ、検索検索……おっ⁉︎かっこいいじゃん」
彼は今、スマートフォンで新しい銃器を調べている。
たった今好きな兵器(銃器)にSIG516が加わったみたいだ。
「ん、今何時だ?」
時計に目をやると、午前2時を過ぎている。
夜更かしが過ぎたか……そろそろ寝ようかと思った時、ふと空腹感を感じた。
「腹減ったな……」
夜中って何だか腹が空く事あるよね、って事で冷蔵庫を漁り始める。
冷凍食品や肉まんの1つでもあればとは思ったのだが……
「無い……」
冷蔵庫の中は空っぽだった、保存用冷凍パスタ1つも無い。この間で食べきってしまったか…
因みにヒロトは米派だが、新たに開拓した冷凍パスタという狭いジャンルの中での今のお気に入りは、揚げナスと挽肉のボロネーゼらしい。
「しょうがねぇな……何か買いに行くか」
財布を確認、まあそれなりに入ってる。
仕方なくいつものスニーカーを履き、ジャージのまま近所のコンビニへ歩いて行く。コンビニへは歩いてすぐだ。
ヒロトは無職という訳では無い。定職には就いているし、しっかり自分の稼いだ金で一人暮らし出来ている程度の収入はある。奨学金は返してはいるが、仕送りは貰っていない。
実家とは長らく連絡を取っていない。
親は公務員になって順調に出世して欲しかったらしいが、国家公務員を蹴ってやりたい職に就いたヒロトとは勘当同然となっているからだ。
母親は俺が子供の頃に離婚している。
彼女も最後に別れてからもう何年経ったか分からない。
唯一身内で連絡をくれるのはやはり公務員になって順調に出世している2つ下の弟くらいだ、たまにしか連絡寄越さないが。
歩いて2分程のコンビニへ着いて冷凍パスタを買おうとしたが、夜中にこの量を食べると逆に眠れなくなりそうだ……と思い、適当におにぎりとお茶を取る。
やっぱり日本人は米に限るな……と思い、会計を済ませる。
買い物はものの数分で終わり、また夜道を歩く。
夜中の住宅街というのは不思議な感じだ、ホラー映画の中にいるようだが、怖さではなく静かで心地よい気もする。
だが、そんな雰囲気をぶち壊す一団がいた。
「ん?」
20m程先に何か居る。
ヒャハハと下品な笑い声が聞こえてくる所からどうやら数人のヤンキーらしい。
勘弁してくれ、俺はこう言う奴らが一番嫌いなんだ……
あからさまに顔を顰めるが、次の瞬間には何事も無かったかのような表情で通り過ぎ
ようとしたがそうはいかなかった。
「おい、アンちゃんよぉ」
通り過ぎざまに声をかけられた。
夜中に出掛けるんじゃなかった……と軽くため息をつきつつ振り返る。
立ち上がったのは髪を奇抜な色で染め、耳が原型をとどめない程にピアスをつけているDQNだった。
「はい?」
「俺らちょっと困っててよぉ〜、金貸してくんね?」
やっぱりカツアゲか。
冷静を装うけど、めちゃくちゃ怖い。
眉毛が行方不明‼︎目ぇ怖い‼︎
何コイツなんでこんな角刈りなの⁉︎
ちょっと待ってよ頼むから武術もやってない俺に絡まないでくれよ……まだ耳学問のCQCを実戦レベルに昇華させられないんだ。
「あ、他の方に頼んで頂ければと……今手持ちが無くて……」
「あ?俺らが貸せっつってんの、黙って財布出せや!」
でも、この人たちには悪い(?)けど、黙って財布差し出す程俺も物分かりが良くない。
財布を探る仕草をし、隙が出来た瞬間に走り出す。
後ろで「待てやコラァ!!」とか言って追っかけて来るけど、こんな輩に待てって言われて止まる馬鹿は居ない。
このまま家に帰ればいいけど、家までつけられて放火とか笑えない。
とか考えているうちに追いつかれた、タバコ吸ってるクセに速い、いや、俺の足が遅いのか。
「舐めた真似しやがって……」
と言いつつヤンキーの1人がポケットからナイフを取り出す。
形状的にM9バヨネットに近いな……と思った瞬間に刺された。
痛いと言うか熱い。
「ぁぁああぁぁあぁぁあ"あ"あ"」
自分の口からは信じられない様な濁った悲鳴しか出て来ない。
その間にも財布やらケータイやらを漁られ、持っていかれる。
ゆっくり視界にノイズが入る。
あぁ……何もできないまま死んじゃうんだな……俺。
『大丈夫だ、君にはまだ生きてもらう』
え……?
今何か声が聞こえたんだけど……
巨大な黒い穴に引き込まれる様に、ヒロトは意識を失った。