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本日一話目です。一時間後にもう一話きます。


説明回です。

前半はすっ飛ばしても良いかもしれない、多分。

 


 さて、愛人になったものの、愛人とはなんぞや。

 それを知るには先ず国王の女について知らねばならぬ。というワケで王室の奥様方について説明しちゃうよ!




 先ずは正妻。王妃陛下や王太子妃殿下と呼ばれる人たち。唯一王族として記される妃。国同士の政略結婚もあれば、寵を受けた側妃がなることもある。恋愛結婚もあるけれど、侯爵家以下の子女の場合は一旦側妃として後宮に入り、王族になる教育を受けてから正妻となる。


 王不在時には代理として国を預かる立場になる為、妃としての知識やマナーのみならず、帝王学をも修め、また強固な後楯も持たなくてはならない。ただし、条件が満たされれば貴族生まれなら誰でもなれる。

 既に世継がいるのなら、男も可。表の存在。政のパートナー。




 次は借り腹。イヤな言い方だが仕方ない。これは側妃と呼ばれる人たちのこと。まぁ、要するに側妃というのは子を産ませる為だけの存在だよー、図に乗るなよーと言ってるわけだ。後宮での争いや妃達の無駄遣いで王家が疲弊した過去があり、側妃に立場をわきまえさせるようにしたのだとか。


 側妃である間は準王族として扱われるが、王家の家系図に名が残ることはない。子を産んだ後は王(王子)の情けがあれば後宮に残るし、無ければ実家に帰るか下賜される。子が2年出来なかった時も同様。子が王となれば、後宮を出た後も国母として準王族扱いとなる。


 基本的には男子禁制の後宮から外に出ることはなく、ひっそり静かに暮らすことを義務付けられる。なので本人どころか王が強く望んでも、夜会や茶会のパートナーになんてなり得ないのよ!夜会での側妃同士のバトルなんて有り得ないのよ!完全に裏の存在。でも愛があれば人生のパートナー。




 最後は私。愛人ね。王族の戯れのお相手。子をなすことは絶対に許されない為、常に避妊薬を飲まなくてはならない。そして既婚者である事。


 王族の配偶者としての権利はなく、当然国からの予算もないので、生活費・交遊費等は婚家か王族のポケットマネーから。権利がない分縛りも少ない。王が許せば夜会に出れるよ。王のパートナーではなく一般参加だけどね!愛人同士のバトルもありよ!


 因みに愛人に対する権利は王宮内にいる場合は王族が優先されるので、王宮に住まう私に関するあれこれを子爵家が決める事はできない。




 では何故8歳の私が『愛人』という立場になったのか。

 一言で言えば、陛下が待ちきれなかったから。


 隣国の末端とはいえ王城に出入りの許された貴族の生まれなのだから、側妃にすれば良かったんじゃないか?と考える方もいるでしょう。でもね、側妃は借り腹。子の為せる身でなければ後宮に入れないのだ。この国の宗教では、初潮を迎えている15歳以上の女性としか性交渉してはならぬと定められている。という事は当然、側妃になるのも15歳からとなるので、無理。


 ではマッサージの腕を使って陛下付きの女官にすれば、というのもダメ。王宮勤めは13歳から。更に王宮の奥に勤めるには、表での勤続年数2年以上で且つ厳しい試験に合格しなければならない。


 というわけで、8歳児の私を囲うには態々結婚させて愛人にするしかなかったのだ。




 ふむ、大事にされるのは大変有難い事だけれど、何が陛下をそこまで駆り立てているのか。

 まぁ、幸せならばそれでいーや。考えたところで所詮お子様に出来る事など無いのだ。






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