ずっと一緒だった君へ
ごめんね。
そう言おうと思ったのに、君は今年に、この世を去った。
どうして、とは聞けなかった。
だって君の人生は君のものだから、僕が引きとめることはできない。
君が一生懸命生きた事は、誰よりも僕が良く知っている。
夏の暑い日は、軒下にずっといて、ゼェゼェと少し苦しそうにお腹を膨らませていた。
冬の寒い日は僕が出した布団を嬉しそうに丸めてくれた。
春はいつもあったかそうに日向に出て光をいっぱいに浴びたね。
秋は寒さの滲む空を少しさみしげに見つめていた。
朝と夜、一緒に散歩したね。春の夜は桜が花びらを散らして、街頭にあたってとても綺麗だった。君の黒い鼻先に舞い落ちて、くしゃみをしたね。
冬は新年のお参りに神社に行ったよね。友達もたくさんいて、焼き芋とかたこ焼きの匂いとかたくさんあったね。
楽しかったね。
のんびり屋だった、君の周りには友達がたくさんいた。小さい子も大きな子もたくさんいて、その時間帯に合わせて僕は散歩をするようにしてた。僕は君が寂しくならないようにたくさんの人に会った。
君は水が嫌いだったね。一緒に川に遊びに行っても君は砂利と遊ぶばっかりで僕は少し詰まらなかった。でも水辺と戯れてるのを見て、また一緒に行きたかった。
一緒に遊びたかった
なのに、ずるいよ……。
兄ちゃんは、二年前から就職活動で遊んでやれなくて……頑張って、頑張ってやっと就職が決まったと思ったら、お前、先に行っちゃうんだもん。
ちゃんと伝えたかった。就職したよって、公務員だよって。これから楽してお前ともっとずっと遊べると思って、兄ちゃん勉強も、面接も頑張った死ぬほどがんばった。へたくそな面接続けて、落とされ続けて浪人して、無職になってそれでも頑張って頑張って頑張って、異を痛めて鬱になりそうでそれでもお前と一緒に遊びたくて、ずっと
それなのに……先に行くんだもん。
もっと遊んでやりたかった。傍にいて頭を撫でて、空をずっと見上げていたかった。ずっと夜の桜の花びらを見上げていたかった。
どれだけ……どれだけ外の世界を恨もうと、どれだけ自分の愚鈍さを憎もうと、どれだけどれだけ。
もうお前には、会えない。
ごめんね……たくさん遊ばせたかった。空の青さも一杯伝えたかった、水の冷たさも風の匂いもちゃんと伝えたかった。
もっと傍にいたかった。ずっと……ずっと……。
会いたいよ……お前に……もう一度だけでも……。
あの花びらを、僕は今度から一人で見上げないといけない。
僕はこれからこんなクソッたれな地獄で、たった一人、誰かもわからない人間の為に働き続けるだろう、そして彼らの為に死ぬだろう。
それを、多く人間は愚鈍だと嗤い、或いは楽な仕事だと蔑み続けるだろう。
嗤えよ、好きなだけ嗤えよ。
大切な友達との時間を多く費やし、面接でバカにされ続けて、大切な友達を失い、それでも頑張って手を伸ばしてようやく手に入れた、これが僕のちっぽけな未来だ。
どれだけ嗤われようと、僕はこのようやくつかんだ未来を決して失わない。
それは、君との時間を、否定することになるだろうから。君といた時間まで、僕は否定したくない。
君と傍にいた僕は変わらない。何があっても、君と見た空も風も夜も、何一つとして変わらない、僕の中で生き続ける。
ずっと、ずっとだ。
さよならは言わない。
いつか、いつか会いに行くから。
悲しいって気持ちははここに置いていく。
必ず、会いに行くから。
8月21日、君の墓の前で
子供が生まれたら犬を飼いなさい。
子供が赤ん坊の時、子供の良き守り手となるでしょう。
子供が幼年期の時、子供の良き遊び相手となるでしょう。
子供が少年期の時、子供の良き理解者となるでしょう。
そして子供が大きくなった時、自らの死をもって子供に命の尊さを教えるでしょう。
イギリスの古い諺より
私は君から多くのものを貰った。
返す事はむずかしいだろう。それでも、私はいつか返しに行く。
必ず、君の所へ。
ニーアの二週目は死んだ。自分の命をささげることで、あいつが生きてくれるなら、いくらでもこんなクソな命捧げるのに。なんで俺だけ生きてるんだろう。なんで一生懸命生きたあいつが死んで、こんな人間が生きてるんだろう。死ねばいいのにね。死んじゃえばいい死ね世死ね死ね死ね死ね死ね死ね。
でも死なない(*´ω`*)生きて、書き続けて、命を燃やそう。こんなちっぽけな命で友達のことがたくさん書けるのなら、他に何もいらない。
書こう。誰に評価されるわけじゃない。ただ友達が喜んでくれると信じて




