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ゆきだるま  作者: 梨奈
3/17

*第2話*。:*~軽い気持ち~



勘違いしてほしくないのは私の『彼氏に対する執着心』のこと。


私は彼氏が欲しいなんて思ってません!…ん~。少し思ってるかもだけど…。

もし付き合うなら本命が良いってわけで、手をつないだりキスをしたりってことは好きな人じゃないと嫌だもん。



だからね。

入学してからまだ2ヶ月ぐらいで、お互いのこともよく分からないのに告白する人なんてもってのほか。


…一目惚れ?

私、顔も悪ければ性格もそれ以上に最悪なんだから!







「え~!?振ったのぉ~!!?」放課後、体育館裏から帰ってきた私に美奈子が驚いた様子で言った。

教室には美奈子を含めて4人の友人が私の帰りを待っていた。

「だって知らない人だし…」それを聞いたみんなは

「隣のクラスだよ!?」

と声をそろえた。

「体育と数学は隣の二組と合同でやってるから、顔ぐらい見たでしょ!」

美奈子が付け加えて言った。

「顔は見れるけど性格見えないもん。」

「もったいな~いっ!」

みんな、口々にそう言い、ため息をついた。



「何?野崎良弘(のざきよしひろ)ってそんなに良い人なの?」

「良い人だよ!」

と、真っ先に紀香(のりか)が答えるも、ほかの3人は顔を横に振り、

「中学のころに一度好きになったけど…ねぇ…」

「ちょっと女ったらしだよ」

「格好いいからって調子にのるのは止めてほしいよね」

とお互いの顔を見合いながら語りだす。


「なんだ…。低評なら私にあの人を薦めるようなこと言わないでよ~」

好評だったとしても私の気持ちは変わらないけどね。まだ引き出しの中にある本をカバンに入れ始めた私に美奈子が

「だって真耶が告白されるのはこれが最初で最後かもしれないんだよ?もったいない!」とバカにしてきた。


「あのね~っこう見えても私、告白されたのなんて5回目なんだからぁ!」

私なんかを好きになってくれた人が5人もいるんだからね。

「それが全部罰ゲームでさせられてたりしてっ!」

さつきの言葉に爆笑する美奈子と友里奈。

「んなこと、あるわけ無いでしょ!失礼ねっ!」






この日の放課後は

久しぶりに綺麗な夕陽を見ることが出来た。

下校途中に、朝靴箱に入っていたあのラブレターを持って美奈子とプリクラを撮った。

そのコメントに

「初ラブレター」と美奈子が書いたのを見つけたので、消して「5通目」と書いてハートをつけた。




家に帰ると使わなくなった日記帳にその手紙を挟んだ。ほかのラブレターも挟んであった。







翌日、私がラブレターをもらったことは昨日の放課後教室に居た4人しか知らないため、冷やかす人もいなければ噂話をする人もいなかった。

3時間目に体育があって、あの人がいるクラスと合同でいつもどおり授業を行った。


野崎良弘(のざきよしひろ)って人は何事もなかったかのように私の前を横ぎる。







…ほら。



やっぱりそれだけにしか

私のことを思ってなかったんだよ。


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