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朱の守護  作者: もりを
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1.プロローグ

初投稿です。至らない点はご容赦下さい。

 夕暮れ時。

 教室の中が柔らかなオレンジ色に染まる。

 学園祭の終わったこの時期、遅くまで人の絶えることのなかった教室の中は、ひっそり静まりかえっている。高校2年の葛城柚那は日直の日誌を書き上げると鞄を手に取った。

 窓の向こうにはオレンジ色の運動場にユニフォーム姿で2列に並んで走る部活生の姿が見える。校舎の中には吹奏楽部の練習なのか、何度も同じフレーズを繰り返すトランペットの音も聞こえた。

 帰宅部の柚那には、運動場もトランペットの音もとても遠く感じた。オレンジ色の洪水の中、ひたひたと忍び寄る薄闇に溶けてしまいそうな気がする。

――急がなきゃ。ドラマの再放送おわっちゃうよ。

 扉へと足を進めるが、ドウデモイイよ、そんなこと…と感じている自分も意識する。

 柚那はもう一度振り返り、教室を見回した。窓は全て締まり、明日の日付の書かれた黒板は白くくすんでいる。砂っぽい木の床に規則正しく並ぶ机と椅子。柚那はゆっくり体の向きを変えると扉に手をかけた。



からからから…



 途端に広がる禍々しいまでの朱。

 柚那は目を疑った。


 真っ黒な世界に浮かぶ巨大な…そう…これは星だ。夜空に瞬く小さな存在などではない。月や太陽のように手の届かない存在でもない。視界にはいりきれないほどの、手に届きそうな強烈な朱い星。思わずふらふらと進むと手を伸ばした。



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