萌えを考える。
人鳥の小説の色々。
「萌え」という言葉がある。もちろん、本来の意味の萌えではなく、ネットスラングとしての萌えだ。ご存じの方は多いだろう。ライトノベルや漫画、アニメ、ネット、いわゆる二次元と呼ばれる産業が発達し、同時に「美少女」系列のキャラクタが人気を博している昨今、この言葉はかなり、それらと触れ合う機会のある人にとっては身近な言葉である。
今回は少し、この「萌え」について考えてみよう。
テーマがテーマだけに、もしかしたら大した考察もないかもしれないが。
むしろ、普段よりも軽い内容・記述の記事になるかもしれない。
その感じた場合、「そっか、今回は息抜きの記事なんだ」くらいに考えてほしい。むしろ、今回はそのつもりで読んでほしい。
【萌え】
そもそも、萌えとはなんであろうか。そこでちょっとばかり、wiki先生をのぞいてみた。
要約すると、
「ネットスラング。二次元の対象への好意や恋慕等々の感情を表す言葉。狭くて深い感情。恋愛感情や性的欲求に近い感情が、燃え上がるという意味。燃えるの誤変換から発生した可能性がある」
ということらしい。
【萌えキャラ】
もはやライトノベルの大半に登場してくるキャラクタ群の総称である。基本的に女性であることが多く、時折、男性がその対象となる場合もある。人間が基本であるが、そうでない場合もある。アニメなんかを見ると、ただそれの為だけに登場しているのではないか、と疑いたくなるようなキャラクタもいる場合もあって、そのようなキャラクタの重要性もうかがえる。
萌えキャラには様々な属性(後述)が存在する。あまりに詰め込み過ぎると「狙ってる」と思われてしまう。そう思われても構わない、むしろ堂々とねらってやるぜ! という場合以外は、さりげなく狙っていくが無難だと思う。
これは人鳥の生活から見た、あまり萌えになじみのない人からみた萌えに対する認識の傾向である。
『属性』から
・萌えキャラ≒ロリキャラ(幼女キャラ)
・ロリババァ=ロリ
・ハ○ヒ≒萌えキャラ
・ツンデレ=萌えキャラ
・ヤンデレ=気持ち悪いキャラ
・人外萌え=あり得ない
・ラノベに登場する女性キャラ≒萌えキャラ
・ジャ○プやサ○デーなどではなく、ラノベ初のアニメ≒萌え
・初音○クをはじめとするボカロ群=萌えない→人間じゃないんでしょ=人外萌え
という感じである。もちろん、これは余談である。
直接『萌え』について、友人(女)聞いてみた。
「可愛い子に萌えるんだろ? ハ○ヒとか、シ○ナとか……え? 人鳥ってロリコンなん?」
萌えそのものについて聞いてみた。
「理解できないこともないけど……よくわからん。ていうか、たぶん、女子的にみたらウザいかも」
これは高校時代のインタビューである。あくまで、なじみがない人に対するインタビューである。
まあ、上記2キャラがロリキャラかどうかは置いておこう。しかしながら、そういう認識――ロリキャラに萌える――があるというのは確かなようだ。
「女子的に見たらウザいかも」は、ドジっ子を想定して言っているのであろうか。せっかくハ○ヒが出ているから言うが、あの小説の巨乳の先輩のことを想定しているのかもしれない。
次に、ライトノベルになじみのある友人(男)に聞いてみた。これは大学の友人である。
「萌えキャラは必要だと思う。でも、やっぱり狙いすぎは駄目だよな。さすがに狙ってることがわかるキャラには、萌えるというよりもひくわ。最近のアニメってそういうのばっかじゃん? やっぱりそういうのは面白さが半減だよな。ストーリーは面白くても」
だそうである。どのアニメを想定して言っているのかは定かではない。しかし、この物言いからすると、ここ数年の深夜アニメを想定しているだろうと予測できる。
ライトノベルのアニメは基本的に、深夜に放送されている。
人鳥は以前、ライトノベルの定義のひとつにキャラクタ小説でるということを書いた。しかし、この友人の答えを見てみると、やはりというか、当然だが、ストーリーとキャラクタのバランスが重要であるようだ。
萌えは人物に与えるスパイスなのであろう。
【属性】
萌えには属性というものがある。要するに萌えの種類である。ここでは人鳥が思いつくだけ挙げる。辞書のような項である。五十音順ではない。基本的に女性を想定している。
人鳥の小説にそれに分類できるキャラクタがいれば、それっぽい台詞をのせている。萌えられるかどうかは別問題だし、萌えキャラとして書いたものと意識して書いていないものがある。該当がない場合、やはりそれっぽく台詞を書いてみた。ひとまず、参考程度に。
・妹
実妹、義妹に対し萌えの感情を抱くもの。頼ってこられた時の母性をくすぐられる感覚であろう。守ってあげたい! という感情からなるものだろう。妹がいる人は理解しづらいかもしれないが、というか、おそらくできないだろうが、いない人にとっては、ある種の理想のようなものである。
「はぅ! お兄ちゃんに騙されましたー! 純情な乙女心を蹂躙されましたー!」
・姉
同上。ただし、これの場合は守ってあげたい! という場合もあるだろうが、被虐的趣味のようなものも含まれているのではないだろうか。ライトノベルに登場するお姉さんは、S気質のキャラクタが多いように思う。個人的にはかっこいいおねいさんが近所にいてくれたら、と思う。
「ちょっとー、お姉さんの言うことが聞けないの?」
・ツンデレ
言わずと知れた萌え属性のひとつ。普段のツンツンとした、ある種の冷たさの合間に見せる、可愛い部分のギャップに心奪われる。このようなキャラクタは大方、口調が乱暴。デレはとてもわかりやすい。
「べっ……別にアンタの為じゃないんだからっ! か、かか、勘違いしないでよ!」
・ヤンデレ
好きという気持ちが行き過ぎて、心が病んでしまっている状態。ヤンデレのキャラクタは人を殺傷することをいとわない。思い込みが激しいのも特徴のひとつで、一見、思い人の言葉なら何でも聞きそうだが、「人を傷つけちゃいけない」と言っても、やはりやってしまう。
「あ、でも、殺したりしちゃ駄目だよ、あたし。殺すのは犯罪だし、殺しちゃったら冬麻悲しむもん。それに、あたしは冬麻の彼女……(略)」
・無口
非常に言葉数が少ないキャラクタ。某有名ロボットアニメのヒロインのようなキャラクタ。感情の起伏が小さく表現されている場合と、わかりやすく大きい場合がある。中途半端なのは目立たないため、あまり用いられない。無口キャラは単純に無口なキャラクタと、内気で恥ずかしがりやなキャラクタがいる。
「…………」
・ドジっこ
とにかくドジなキャラクタ。何もないところでつまづくというのは、よく使われるドジっこの登場。最近では、ふだんはしっかり者なのに、じつはドジっこであるという、隠れドジっこも登場し、ドジっこの派閥争いが過熱している。ドジにもいろいろあり、こける、料理ベタ、天然系など、様々である。
「えっ? あー! い、いたいー」
・ロリババァ
時事ネタで言うならば、非実在青少年に分類される。年をとっているのにも関わらず、何らかの要因で若い容姿(幼女である場合が多い)を保っているキャラクタ。見た目に反して尊大な言葉遣いを使う場合が多く、そこに惹かれてしまうのかもしれない。
「黙れ、お主のような小童にわかってたまるものか。ええい! 邪魔だ、どこかへ行ってしまえ!」
・幼馴染
これもポピュラーな属性。特に解説する必要もないだろう。幼馴染がいる人にはわかりにくいかもしれないが、異性の幼馴染というはいない人にとって、魅力的に見えるのである。
「何言ってんのよー。一緒にお風呂入った仲じゃん?」
さてここまでは性格や関係においての属性を紹介した。次からは外見である。イメージ台詞は割愛。
・ロリ
幼いキャラクタ。挿絵がある場合、子供っぽさをだすために丸みを帯びた線で描かれることが多い。性格の面からから考えると、相応に幼いキャラクタと大人びたキャラクタ、天才の3タイプがある。
●人外
・獣人
犬、猫、鳥などと人の混合種のようなもの。耳としっぽなどの、その生物を象徴するパーツが付属しているが特徴的。それらの特徴を生かした設定がされることが多く、語尾がそれに対応して変化する場合もある。ここでは、一見して動物との混合種とわかるものを獣人に分類している。また、「変身能力」を持つキャラも登場している。一見してわからなくても、変身能力によって獣化、もしくは獣に近くなるようなキャラクタ(狼男のようなもの)は、これに分類する。変身能力がなく、かつ一見してそれと認識できる特徴がない場合、擬人化に分類する(作品中の設定は、ここでは考慮しない)。
・人形、機械
動く人形、超高度なAI(またはそれに準ずるもの)が搭載され、心を有するモノたち。人間ではないため、常識的な目で見ると、恋愛は成就しない。しない場合が多い。その終末の心苦しさが良いのだろうか。これらを主軸にした物語では、そういう場面が描かれることが多い。
・擬人化
獣人とはまた別のもの。某世界最強の魔導書や、某肉塊生物の少女、某貴き白の竜姫なんかは知っている人もいるのではないだろうか。人間ではないものを、あたかも人のように描く。そして、一見して人外の存在ではないように見えるのが特徴。獣人と同様、それらの特徴を生かした設定がなされることが多い。むしろ、その性質がより濃厚となっている。
・幻想種
吸血鬼、妖精などの、神話や童話など、創作の物語に登場する人に似て非なるもの。
人外の他のものと同様に、成就しにくい恋愛を描かれることが多い。
ここに挙げなかった萌え属性は多くある。人の数だけ、萌えはあるのかもしれない。誰が何を好きになろうが自由なのだから、それは当然のことだろう。
【自身のキャラクタに萌える】
書き手が書き手である以上、キャラクタを制作するという作業は必要だ。では、諸兄らは自身のキャラクタに萌えるだろうか。いや、ひかないでほしい。結構マジメに言っているのだ。
平たく言えば、自身のキャラクは好きかと聞いているわけである。
魅力的なキャラクタとは一体何かともし、人鳥が問われたとしたら、自分が好きなキャラだと答えるだろう。憎たらしいキャラクタも可愛いキャラクタも理屈っぽいやつも、とにかく自身が愛することが大切である。その結果が読者にどう映るのか、それはわからないが、自身が好きになれないようなキャラクタではそもそも小説に登場するべきでないのではないだろうか。
「こいつ、嫌いなんだよ」とか言いつつも、どこかで好きな部分がある。そういうキャラクタメイキングを志したいものである。
キャラクタに施された魅力、それが萌えの原点なのではないか。