嘘
掲載日:2026/02/24
【ことわざ】
嘘つきは泥棒の始まり
【意味】
嘘をついてはならないという戒め。
僕は嘘をついた。
泥棒の始まりかもな。
でも今となってはどうでもいい。だって世界は残り数分なのだから。
世界の結末は、巨大隕石の衝突。
今どき、こんな結末は漫画でも採用されないだろう。
使い古された終末だ。
2XXX年、N〇SAの一報は、静かな終焉の会見だった。
「回避・破壊は不可能です。」
なんて簡潔な、終わりの合図だろう。
世界は一斉に叫んだ。誰に向けているのかわからない祈りや罵倒が入り混じる。
鳴りやまない携帯電話。車のクラクションの音。
世界が軋む音が鼓膜をたたく。
目の前には彼女が息を殺すように泣いている。
僕が世界の終末に求めたのは、たった一つの笑顔だ。
「隕石がそれた!」
なんで僕はこんな嘘をついたのだろう。本当にしょうもない。
でも彼女は泣き止み、空を見上げる。
「嘘じゃん!笑」
2XXX年X月X日10時37分14秒68 隕石衝突。




