エピローグ
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クラウディア様の捕食メーター
お姫様抱っこ&爆発の破片から守る:95%
日々の任務に対する真摯な態度:120%
水浴びでの裸体見せつけ:160%
空中お姫様抱っこ:220%
おんぶ:270%
オクタヴィア様へ一発かます:290%
魔獣相手に恰好いい所を見せる:340%
呼び捨て:450%
ドラゴンへ向かう格好いい背中:500%
他、多数のため省略
※上限:100%
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ん? なんだこのメモは、何処から紛れ込んだんだ? まぁ、どうでもいいか……見なかったことにして捨てておこう。
さて、長く書いてしまったが、これで虹色の枝を巡る話は終わりだ。あの後、防衛局に戻ってから後始末やら報告書やらで大忙しだったが、そんな描写を書いても誰も見はしないだろう。持ち帰った黄金の果実についても仲間内で処分したから書くわけにもいかないしな。
あと書いておかなければならないことと言えば……そうだな、ルートが防衛局を無事に退職したってことは書いておくか。元から上には嫌われていた上に、防衛戦のあの一件で防衛局長に止めを刺してしまって、もう無理だって思い込んだ。
同僚からの受けは悪くなかったんだけどな……そりゃあ、端から見たら何考えているか分からない狂戦士だ。オレだって最初は怖かった。けど、あいつに命を助けられたやつは千を優に超える。好き勝手暴れた結果なのかもしれないが、それで救われたやつがいたのは事実で、その中には当然オレも含まれる。誰も言わないが、間違いなくあいつはオレ達、防衛局員の恩人でヒーローだった。
さて、今はどうしているのやら。
たまに聞こえてくる噂では苦労しているようだが、話を聞く毎に周りに魔女が増えていっているのはエレメンタルキャリバーの面目躍如といったところか? オレなんて一人でも四苦八苦しているのに凄いやつだ。
……おそらくもう二度と会うことはないと思うんだが、ひょっこり顔を出しそうでもある。
しかし今、オレが何処にいるか分からないだろうから、こうやって昔の名前で回顧録を作った。これを読んで興味があれば訪ねて来るだろう。実はそれを楽しみにしている。
あの一か月にも満たないのに一年を駆け抜けたかのような冒険から幾星霜、今もアイツの隣にはオレじゃない誰かがいて活躍を見続けている。それを考えると凄く悔しいが……オレにはやらなければならないことがあった。
その結果がどうだったって?
自分の事を語るのは好きじゃないが、ある時から死んでいった奴らの夢を見なくなったと言えば満足だろうか? その時から名前も変えたが、オレの新しい名前なんて完全に蛇足なんで省略する。
さて、余韻はこれくらいにしておこう。ルート・トワイスの冒険の続きは他の誰かが書く、そんな確信がある。
この回顧録の著作者名は? もちろん「甲18648号」だ。
アイツがこれを手に取ってくれる事を願って筆を置こう。ま、題名をアレにしたから必ず手に取るだろうがな。
マリー、そんなに嫉妬するな。オレ達もアイツに負けない物語を紡ぎ続けていこう。
- 第一章クロモリ 完 -
長らくお付き合い頂き、ありがとうございました。これで一先ずは完結とします。
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