6月30日(木) 深山優花子
諸々が千々に降下してくる夏々の日々
第三章 降下してくる危機が近づいてくる日々
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6月30日(木)
深山優花子
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窓はTOX以来、護治郎に惚れ、そして護治郎と運命の幼馴染の佐々也とも更に仲良くなっているようだ。そして後で聞かされて驚いたのだけど、転校生の天宮さんは護治郎の家に住んでおり、天宮さんに付き添う形で佐々也も護治郎の家に住んでいるそうだ。
神指邸は広い家だから、部屋も豊富なんだろう。
ご執心の護治郎と佐々也や美人の転校生が同居してたら窓もさぞや気を揉むだろうと思ったらそんなことはないみたいで、一階と二階に分かれて住んでるんだよとか、そういう事を教えてくれた。
そういうことではないだろう。
まぁでも、自宅に入り込まれて銃撃とか乱闘とかをされても窓のことを責めたりしていないのだから、護治郎もなかなか思ってたよりだいぶ懐の深いやつなんだろうという気はする。私ならもっと怒ると思う。
ただそれって、窓が言うような優しさなんだろうか。
優しいっていうのは、辛いときに声をかけてくれたり、難しいときに気遣ってくれたり、そういう心遣いの話であって、口煩くないというのとは違うような気がする。護治郎はそういう感情的に切迫したとき、まごついてしまってあまり上手く行動できない人間のように思う。
私が現場まで駆けつけたときにもしどろもどろになっていたし、報告書によると床下になにか大きな穴を開けているらしいし、よく分からない。防衛隊の専任の人の聞き取りによると、床下の穴は護治郎の能力である『機械の偽物を出す』ときの質量変換に使用しているうちに空いてしまったらしい。なぜ床下の土でそんなことをするのか、なんとも良く分からない話だ。
しどろもどろの感じを見ると、どうやらその穴を見られたくなかったようだ。
まぁ、奇行のうちに入るんだろうから、見られたくない気持ちはわからないこともない。
で、護治郎に惚れ始めてから、窓はこれまでよりさらに佐々也とも仲良くなったようだ。佐々也だけでなく、転校生の天宮さんとも。みんな同じ家に住んでるんだから仲良くなるのもわからなくはないのかもしれない。本人たちはそのつもりは無いかもしれないけど、佐々也と護治郎はあれでべったりだし。
そんな窓に、一緒に護治郎の家に遊びに行こうと誘われた。
正直あまりピンとこないんだけど、天宮さんも居るのだと言うから、誘いに乗ることにした。話を聞くと集まりには護治郎も混ざっているそうで、なかなか勇気がある。しかし逆になにを話すのか、わかりにくい感じもする。
ゲームでもするんだろうか。
第三章 終わり




