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諸々が千々に降下してくる夏々の日々  作者: triskaidecagon
あとがき
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 あとがき §最初に思い浮かべてたのと違った人。

諸々が千々に降下してくる夏々の日々

 あとがき


 書いた人として想定外の一番は「大吾郎」ですね。

 妄想時代だと「あの子」になってた子です。

 当初の想定からなにもかも変わりました。

 最初は養い親も主人公(男の子)の隣の家に住んでる女の子だったし、「大吾郎」は人間の子供サイズだったし、オチとしては「大吾郎」が東京に移住するような話にしようかなと思ってたんですよ。

 これだと、確かにスッキリまとまりそうでしょ?

 でも準備原稿作ってるときにね、ハルカが正体を明かしてTOXに襲われて窓ちゃんが活躍して、「大吾郎」が登場する番になった時。ふと思ったんですよ。

 「これは……、インパクト足りねぇな」って。

 ここで後先考えずにとりあえずデカくしたわけです。もしかしたら私にはインパクト足りないととりあえずデカくする癖があるかもしれません。(※脚注1)

 デカくしたことで上手いことインパクトも出ましたし、下書き原稿を進めて肉付けしていくうちにすごくいい感じになっていき、かなり気に入りました。

 ところがですね、下書き原稿をさらに進めると護治郎の方もキャラ性が固まってくるわけでして、ああいう性格だと最後に「大吾郎」を移住させるとかありえなくないか? ということになってくるわけです。護治郎本人と一緒に引っ越してもいいわけですけど、あの世界は気軽に引っ越しできる世界ではないので、本人も移住するところまで思いきれるかどうか……。

 そもそも最初の妄想としてはみんなで一緒に東京旅行させようと思ってたんですが、「大吾郎」がデカすぎて旅行とか無理くね? みたいになりました。さらっと旅行するような爽やかな中編の予定だったのが、もうこの辺で崩れてきているわけです。

 が、デカい『大吾郎』自体はめっちゃ面白い(※笑えるって意味ではないですよ)ので、この線を捨てるのはあまりにも惜しい。ということで、下書き原稿ではこれを解決する話にだんだん路線変更していきました。

 文字数が増えるけどそれは仕方ない。

 で、下書き原稿を進めてながら「佐々也がTOXを東京に誘導して、帰ってきてから大吾郎が小さくなってて、せっかく探した移住先が無意味になる」みたいなオチを想定して進めていたんですが、東京編に入る頃に佐々也が探さなきゃいけないものを改めて考えてるときに気がついたんですよね。

 「あれ? 住めるところを探すだけだと、インパクト足りねぇな」って。

 それで「じゃあ『大吾郎』は◯んだ事にするか!」ってなっちゃったんですよねぇ……。

 あ、インパクトだけを目的に無から◯んだ事にしたわけではないんですよ。

 実のところ、大吾郎が小さくなる時、前後でその連続性って保てるのか? ってことを元から考えていた部分があるのです。

 よく考えたら、こんなの一回◯んでしまっているのと変わらんのでは? みたいな前段階的な部分というがあって、ならいっそという発想ではあります。

 だから「なんか盛り上がらないからここは一発景気づけに◯んだ事にするか!」ではないんです。そこはちゃんと段階を踏んで出てきた発想ではあるんですけど、どうやって◯んだ事にしようか……「そういえば地下の廊下の電気の出どころは気にしてたけど本人の方は気にしてなかったな……、しっかり伏線があるとは……」。

 いや違うんです。

 行き当たりばったりでは決して無いんですけど、こういう『気がついてはいるけど適当に誤魔化すか的な部分』というか『ここの設定はなんとでもなるから後々のために残しとこう的な部分』というのはあった方が良いんですよ多分、知らんけど。

 エンタメ書いてる人はみんなやってるんです!(※ほんとか?)

 で、まぁ、佐々也がそんなに頑張って移住先を探さなくてもオチが付く事に決まったので東京の風景とかの部分に集中して進めることができて、そこはちゃんと面白く書けたと思ってます。

 それで東京編が終わって大詰めを書いてる時、実は準備原稿で佐々也が寝た後にすぐ目覚めたシーンまで時間が飛んで、すでに「小さくなった後の大吾郎」とご対面する展開だったんですが、その時にね気がついちゃったんですよ。


 「これ、普通に寝て起きて、いかにもな大吾郎が出てくるだけだとインパクト足りねぇな」


 もう一捻り欲しいんだよなぁってなっちゃったんですね。

 それでまぁ小さくなる理屈の方を点検してトラブル起こしてやろうかとしたときに、「時間が足りなくて省力化を試みる展開があってもいいか」になり、ああいうオチになったわけです。

 あのオチになって、あの顔で『大吾郎』も無いもんだ、というツッコミの心を抑えきれず、元の名前をもじったあだ名でも付けようと思ったんです。(※脚注2)

 『大吾郎』はどこをどうもじっても可愛くならない。

 じゃあ名前をつけ直そう、ということで本番に行くときに名前をつけ直したうちの一人です。「作品のギミックに関わる」という一番まともな理由で名前を変えたのがこの子ですね。

 で、時代劇っぽい男の名前で、部分的に省略すると使いやすくなる……、ということで『雪之丞』と『三樹三郎』あたりを思いついたんですが、雪之丞は狙い過ぎであんまりだろうということで『三樹三郎』→架空名っぽく加工して『幹侍郎』としました。


   *


 本当はだいたいみんな変わっては居るんですけど、次はぞっちゃんの話。

 当あとがきの最初の頃に挙げていた妄想の登場人物の内「特に役目はないけど友達の女子」というのがぞっちゃんです。後から役目が湧いて来ることがあるので、特になんでもない人を一人ぐらい用意しておいた方が良いだろう、ということで用意しておいた人。

 下書き原稿を進めている段階で、主人公の佐々也が割と「無駄なおしゃべりをしない」タイプであるということが判明し、じゃあおしゃべりで明るい人にしようということでとりあえずタモの色を聞く形で登場。ロケットの時、なんとなく賑やかなところに参加したがる理由付けとして配信をしていることになり、大吾郎の事情が準備原稿の進行とともに深刻になるに連れ、東京に旅行する理由を見失ってきたところでこういう時のための「役目フリーキャラ」だ、ということで東京探検の番組が決まりました。

 実はよれひーもこの時にゼロから作ったんですよ。(※スタッフさんたちはもっと後)

 これだけでも大出世だと思うんですが、東京編では暴れに暴れて、自分で番組をやりたいとか言い始め、撮影を仕切ったりし始め、いつのまにかコントをするようになり、いつのまにかあだ名がゾミーちゃんになっていました。しかも、あだ名が意外に良かったので、本番になったら変えようかなと思っていた名前を付け替えることもできず維持ということに……。

 番組部分って会話劇なので、とんとん拍子でするする話が出てきてしまい、とんでもない方にハネたりするわけです。佐々也も頑張っているとは思うんですが、佐々也は話を掘り下げることはしてくれるんですけど番組の進行はしてくれないんですよ。その辺の色々な兼ね合いで、進行してくれるぞっちゃんがだいぶ頑張ってくれました。

 あとは突然でっち上げたよれひーさんですが、彼を芸能界の悪い大人的な役回りにするかどうかしばらく考えたんですが、悪人にするとそっちはそっちで大事件になってしまってメインストーリーの邪魔になるのでやりませんでした。結果、わりと見境ない善人になってしまいましたが、本作の雰囲気としては逆よりは良いですよね。


 そうそう。そういえば東京編で突然出てきたグループ名の『レザミ・オリセ』は、本番原稿中に急遽付け直した名前だったりします。下書き原稿の時も突然ぞっちゃんがグループ名を付けだしたんですが、その時は『クリークガールズ』でした。

 ダサいですよね。

 でも登場の経緯から素敵な名前である必要もないので、そのままでも良いかと思っていたんですが、本番原稿をやっている最中、結構な大長編になってきたために書いてる人の自意識が過剰になり『クリークガールズはさすがにダサすぎなんじゃないか』という疑念に耐えられなくなりました。そこで「折瀬」の語呂合わせでなんとかできるんじゃないか、『オ』も『リセ』もそういえばフランス語っぽいよなという事に土壇場で気が付き、ああいった名前になりました。

 フランス語だと、Les amies au lycée になります。

 こういう時は au より du の方が自然らしい(※どうやらauはどちらかと言うと物理的な場所を意味するらしいです)んですが、出どころが語呂合わせなのでもちろん語呂合わせ優先です。

 ぞっちゃんはその後、エンディングでも活躍をし、本番原稿では下書き原稿では東京編が手薄だったことをいいことに更に出番を増やし、下書き原稿には存在すらしなかった最後の一人実況のシーンまで手に入れました。

 いきなり考えてなかったあだ名ゾミーちゃんができちゃったり、いきなりどっちが先なのかわからないぐらいの語呂合わせネタができちゃったあたり、ぞっちゃんは『持って』たんでしょうね。

 彼女の大活躍には作者の自分もビックリしてます。


 逆に活躍するかと思ってたのに全然だったのは魁ですね。

 彼は最初の役割設定だと「主人公の少年」「相棒の少年」「友達のアホな少年」のうちの「相棒の少年」で活躍しないはずがない立ち位置だったんですが、開始前の土壇場で主人公が性転換してしまって相棒を降ろされてしまい、ライバルキャラっぽいできるイケメン属性だけが残された形です。ロケットのあとは最後の最後まで役割がほとんど無く困ってたんですが、やちよちゃんが惚れてくれて良かった。お陰様でイケメン設定が伏線に見えるってもんです。

 あ、もう一人の「友達のアホな少年」は消えました。

 ギャグ担当の予定だったんですが、佐々也が思ってたよりコメディ適性が高かったので不要になった形です。

※1 でも、これからも癖を直さずデカくしていきます。


※2 意外に真面目な問題意識として、「現代人の感覚」というテーマで作文をしている部分があるので「SFなんだから大吾郎でもいいだろう」と「あの顔で大吾郎もないもんだ」の両方から、ここではあえて後者を選んでいます。「そこをスルーするネタ」として書くにはあまりにも最後すぎた感じです

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