あとがき §長くなるのは仕方ないけど『アレ』がわからん。
諸々が千々に降下してくる夏々の日々
あとがき
長い話。
創作をしているといっぺんぐらいは長いものも書いてみたいという憧れのようなものはあります。じゃあいっちょやったるか、コロナであんまり外出しない方が良いらしいし、という後押しはされたかもしれません。
ただ長い話を作るとなると、話は聞いたことのある『アレ』の出番だと思われます。世の中の指南書とかでは良く出てくるので、これを書いた人も聞いたことがあります。
『プロット』っていう、あらすじとはまたなんか違いそうなアレです。
これがね、まったく分からんのです。
説明を聞くと、「だいたいこういう事がこういう順番で起きる」みたいな話の骨組みみたいなものらしくて、ああ、あったらそりゃ良いよねと、使い方は思い浮かぶんですよ。
でも作り方が分からない。
まったく分かりません。
だって、小説体の文章もないのに展開だけとか決められなくないですか?
もうちょい解像度の高い話をしますと、この話では戦闘が発生したりするんですが、「戦闘が発生する」という内容のメモはさすがに頭の中にあるやつで間に合うので作っとく意味がほとんど無いんですよ。
でも逆にどういう戦闘シーンになるのかは、もう小説文がないと思いつけないわけです。どういう流れで戦闘になるのかとかも、その前の流れの文章が必要だし……。
この文章が無いのに骨組みだけを作るのってどうやるのかが分からない。
ので、作らずにもう書き始めちゃおうと思いました。
書くだけ書いて削ったら『プロット』っていうのが中から出てくるんじゃないかなって……。
とりあえず壮大な設定をメモった紙と、登場人物をメモった紙はあり、だいたいどんな事が起きるのかという予定は妄想の最中に決めていますし順番無しで箇条書きにしたようなメモはあります。
わからないとばかり言ってても進まないので、「後で書き直すこと前提の」本編を小説体で書いてしまうことにしました。
とりあえずそれのことを『下書き原稿』と名付けておきましょう。こういう『下書き原稿』みたいなことまでやらないと、伏線を埋めたりとか、辻褄合わせの調整とかするぐらいの内容というのを出して来るやり方がわからないんです。(※脚注)
とはいえ、実際の完成品を作る時だと「言い回しがおかしい」とか「描写が足りなくて起きてることが理解できない」みたいな読んでる人に伝えるために必要な補正をするんですが、そこを省いたらだいぶ楽にはなるので、その辺を抜いた『下書き原稿』を作る意味自体はあるだろうという目算です。
※このあとがきの中では『準備原稿』と『下書き原稿』という二つの呼び名が混在しますが、実は同じものです。それを書いている最中には気軽な気持ちで『下書き原稿』と呼び、本編側の作業に移った時はこれを元手に作業をしていたので『準備原稿』と呼んでいた気がします。




