……6月21日(火) 18:10
諸々が千々に降下してくる夏々の日々
第二章 遙か彼方のあの星の流転の果ての悠久の……
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私の性別と、ゴジの住宅環境の両方があれば……。
そうか!
「じゃあ、あたしが天宮さんと一緒にゴジの家に住めばいいんだ!」
「はぁ?」
「これならゴジが変な目で見られることはないし、なにか言い訳するなら私がすればいい。それに、私も天宮さんと一緒に居やすくなるし、一石三鳥」
「え? ま、まぁ、天宮さんが一人でうちに住むよりは、僕に対する人の目は柔らかいとは思うけど……、逆に佐々也と僕が他人からそういう目で見られるようにもなるんだよ?」
「それは元々そういう目で見られてるようなもんだから特に困らないし、事実に反するから実態に基づいて言い返せば良いんだよ」
「そ……そうか……。じゃあ、まぁ、仕方ないか……。いや、仕方なくないよね!?」
というような激しい交渉の末、最終的には天宮さんと私がゴジの家に住むことになった。
広い家だから、部屋があることは分かっている。
私は住むって言っても隣の家だから、ご飯時なんかには帰ってもいいし。
というか、勢いでこんなこと言ったものの、食料とかをどうやって調達するんだろうか。天宮さんにも天宮さんなりに、生活上の注意点とかもあるのだろうけど……。
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ゴジの家はかなりの広さなのだけど、一階にゴジが住むことに、客間や書斎がメインの二階には私たちが住むことになった。以前ゴジが住んでた部屋は二階なのだけど、そこはいまではまぁ物置きというかおもちゃ置き場みたいなことになっていて、本人もあまり足を踏み入れたりはしていないようだ。
私と天宮さんはふたつある客間にそれぞれで住むことになった。良いベッドがあるものの布団は敷いてない。誰かが泊まるわけではないから布団敷いてなかったんですね。もちろん、備え付けになっている良い寝具を出して来ることはできるのだけど、客でもないのに良い布団を使うのはなんとなく気が引ける。母に説明がてら、自宅から布団を運んでくることにした。スクーターで三往復もしたら、ある程度の着替えまで含めて運んで来ることができた。後は必要なものを思いついたときに持ってくればいいだろう。近いんだし。
シャワーやトイレは二階にもあるので、わざわざ一階まで行かなくてもなくてもなんとかなる。
さらに言えばお風呂なんかは私は自宅のを使うこともできるので、ゴジの家のお風呂に入るのに抵抗があれば自宅に行けば良い。お互いお年頃の男女なのでお風呂を共用するのもなんか恥ずかしいので、そのあたりは気楽でよいという感じはする。
天宮さんは布団も風呂もトイレも使わないそうです。
そりゃそうかもしれん、という納得感はあるよね。




