……8月1日(月) 13:00 七日目:撮影・新宿見晴らし台〜18:00 池袋宿所
諸々が千々に降下してくる夏々の日々
第十五章 旅は終わり、終われば家に帰る。辞書にもそう書いてあったし。
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そんな感じで、今度はやちよちゃんを被写体にして飛び降りるトリックをして、最後に下から顔を出してアカンベーをしてもらう動画を私が撮影。
遊んでるうちに予備まで含めて端末のバッテリーが無くなってしまったけど、まぁいいだろう。
急ぎの用があるわけでもないし、今日この後は池袋に帰るんだからそこで充電できる。
見晴らし台という呼び名ではあってもこの場所は単なる空き地なので、スタッフさんたちも休憩中になにができるというわけでもなく、そこらへんで座ったりお互いにおしゃべりをしたりそれをぞっちゃんに撮られたりしてるだけだから、私達がこんな遊びの撮影をしても誰かの邪魔になるというわけでもない。
なんだかんだでぞっちゃんは番組の録画にかこつけてスタッフのみんなとのおしゃべりを楽しみ、最後にはよれひーさんともおしゃべりをしたらしい。戦闘部隊の三人にもチャレンジしたらしいけど塩対応だったそうだ。
やちよちゃんともひとことふたこと喋って、その後に私のところにも来たけど「さーちゃ〜ん」と名前を呼んでハグだけして去っていった。私とは別に喋らなくても良かったらしい。
まあね、ここで改めて機会を作らなくても私とはいつでも喋れるからね。
と思ったんだけど、完全に無視されていたというわけでもなかったらしく、私とやちよちゃんが動画撮影をして遊んでいる場面は遠巻きに撮影していたんだそうな。後からハルカちゃんに教えてもらった。
15:00
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よれひーさんの合図で休憩を終えて帰り道、下り坂は楽だけど怪我をするかもしれないので気をつけてくださいね〜みたいなことをぞっちゃんが言ったら、戦闘部隊の方々を含めてなんとなくみんながそれを聞いているような雰囲気ができあがっていて、改めてぞっちゃんはすごいなーという気持ちになってしまった。
それ以外はこれという事件も起こらず、無事に基地へ帰還。
戦闘部隊の人たちは最後まで寡黙を貫き通していたけど、最後に出演者の私達と握手をしてくれて、それでお別れ。
やちよちゃんは一緒の車で池袋に帰るからと、お別れにもならず。
新宿には手荷物で来ているので荷物も小さく、出発前に帰りの支度まで終わっている。
新宿の屯所に戻ったその足で、そのまま帰還の車に乗る。
来た道を逆に戻る感じで、なんともあっけなく池袋に帰還。
池袋の宿場では明日の約束をして、清水さんとやちよちゃんの二人も本部に帰って行った。
宿場からは歩きで、馴染みになった池袋の宿所へ戻る。
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8月1日(月)
18:00
七日目
池袋宿所
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湖の見える見晴らし台から直帰して、あれよあれよで帰還。
さて、池袋のいつもの食堂だ。
正確には食堂として使っていた大部屋。そこにみんなで戻ってきた。
撮影隊の撤退を明日に控え、今日は東京での最後の夜になる。
夜といえば晩御飯だけど、もうそこそこの時間になってはいるしみんなして疲れてもいるので、配給で材料をもらってきて晩御飯を自分たちで作るのは到底無理な雰囲気だ。
でも、清水さんの計らいで今晩と明日の朝はお弁当を特別配給してもらっている。
食堂と呼ばれるこの部屋には、すでにそのお弁当が積んである。
お弁当とは言っても一人づつ小分けのお弁当箱に入っているようなやつではなくて、保存の利く大皿料理という感じのもので、おにぎりやお煮染め、だし巻き卵と小さめの魚の丸干し。明治時代を舞台にした時代劇のお花見みたいな食事で、みんなで食べるのはなんだか楽しい感じだった。
みんなで並んでお弁当を食べる。
とりあえずの記録映像ということでカメラも回っていたのだけど、舞台裏ということで特にナレーションや天の声なども無し。食事の内容がわかるように、丁寧に撮影されてはいた。
私はハルカちゃんにも言い含めて、いちおう食品に口を付けてもらった。
ハルカちゃんもご飯を食べることはできるし、味も分かる。でもそこから栄養を摂取するわけではないので本当に単なる無駄になってしまうらしい。摂り入れた食事から栄養でなく元素を採取したりすることもできるらしいけど、別に食事の体裁である必要もないので、いつもは好んではご飯は食べない。人目の都合で食べてもちょびっと。今日もちょびっとだ。




