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諸々が千々に降下してくる夏々の日々  作者: triskaidecagon
第八章 其の人の罪、有りや無しや。それは有耶無耶。
169/489

……7月13日(水) 8:00〜7月13日(水) 9:35

諸々が千々に降下してくる夏々の日々

 第八章 其の人の罪、有りや無しや。其れは有耶無耶。


――――――――――― ――――――――――― ―――――――――――

「それは本人に言ってあげなよ。私は見てたのがバレたくないって事だから、秘密にするのはお願いね」

 私から見ても戦う窓ちゃんの姿はかっこいいとも思うけど、同時にちょっと怖かった。

 窓ちゃんだから本当に怖いわけじゃないけど、私が怖いと思ったことはゴジにも内緒だ。こればっかりは本当の本当に秘密にしないと。


 ゴジにひとまず話した後、自室に戻って席について、朝のホームルーム参加のためにリモプレ準備。

 いつものようにハルカちゃんも部屋に来て、私の横に座っている。

 ホームルームで先生から窓ちゃんとユカちゃんが今日はお休みだという連絡があった。

 お休み? 前回の時はそんな事なかったのに?

 一時間目の授業は数学。

 授業を受けてはいるけど、窓ちゃんとユカちゃんのことが気になりすぎて頭に入ってこなかった。なんでお休みなんだろう。ドローンのカメラからは見えなかったけど、窓ちゃんが怪我でもしちゃってたんだろうか?

 ゴジからもダイレクトメッセが来る。


|:_ゴジ_:|二人に何かあったのかな?||

||さゝや||わかんないけど、気になるからユカちゃんに聞いてみるね||



━━━━━━━━━━

7月13日(水)

      9:35

━━━━━━━━━━


 一時間目と二時間目の間、短い休み時間だけどユカちゃんの個人端末にメッセ。

 この休み時間に分からなくても、次の休み時間とかに返信が確認できれば(おん)()だ。

 でも、即既読になって返信じゃなくて直通コールが来た。

 珍しい。

 授業間の十分休みだから時間は短いけど出ちゃおう。

「お、ユカちゃん。お休みで暇だった?」

「ねえ佐々也! ちょっと聞いて、聞いてよ!」

 私の質問が終わらないうちにユカちゃんが話し出す。

 なんだこれ? ユカちゃんっぽくない。別の人かと思った。

「聞くけど、二人ともなんで休みなの?」

「まず聞いてよ。聞いて。窓がね、勝手にTOXと戦って逮捕されちゃったのよ」

「えっ!?」

 逮捕?

 全部倒したのに?!

「昨日の夕方、窓が居なくなったって話したわよね? それは見つかったんだけど、一人でTOXと戦ってたらしくて、見つけたのが戦いの終わった後。窓はTOXをひとりで全部倒しちゃって怪我もなかったんだけど、防衛隊の規則とか法律には違反してたからねぇ」

「法律っ!? TOXと戦っちゃいけないの?」

「確かに厳密には勝手にTOXと戦うのは違法だけど、そこはそれほどの問題じゃないのよ。問題なのは待機中に姿を消したのと、あとは銃刀法違反」

「銃刀法って、あの銃刀法? マンガとかでピストルを持ったヤクザが警察に捕まるやつ? あっ、ちょっと待って。授業始まるからサボる準備する」

「あー、授業」

 別に繰り返さなくてもいいよ……。ユカちゃんって当意即妙(とういそくみょう)が身上みたいなところがあるから単なる相づちで復唱するのは珍しい気がする。さっきからどうにもいつもと違う感じだ。

 それはそれとして、サボる準備。

 準備って言っても授業のリモプレをオフラインにしてクラスメイトにその旨を伝えるだけ。しかもクラスメイトはすぐ側に居る。

「ハルカちゃんごめん。しばらくユカちゃんと話すから、授業はこのまえの端末出してくるね。私がサボってるのを質問されたら、ユカちゃんと話してるって言ってほしい。でも、内容は秘密ね?」

「うん、わかった。でも端末は自前でなんとかするから、出してこなくても大丈夫」

 ハルカちゃんはそう言うと、その場に座ったまま上の方に視線を向けた。

 目の焦点も合ってなくなったっぽくて、これはあれだ、ハルカちゃんの中のコンピュータを使う感じだろう。即準備できるのか……。すげーな。すげーのは知ってたけどさ。

「おまたせ。ハルカちゃんに別の端末使ってもらうことにした」

「ああ、そういうこと」

「で、なんだっけ? あ、そうだ、銃刀法! 窓ちゃんってピストルなんて持ってたの?」

「ピストルじゃなくて大きな機関銃だよ。防衛隊の貸し出しのやつ。この前に戦ってるときに撃ってるのを見たはずでしょ? でも銃だけじゃなくて、どこで(・・・)手に入れたか(・・・・・・)知らない(・・・・)けど、なぜか刀を持ってた(・・・・・・)らしくて、それが問題になってるの。窓が入手先を白状しない(・・・・・・・・・)らしくてさぁ」

「えっ? それは……」


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