2話 (1)
湖面に輝く星のキラメキ、本当に素晴らしいなぁ。
上を見ても星、下を見ても星。自分がいったいどこにいるのか忘れてしまいそうだ。周りにほとんど光がないこの場所だから見られる奇跡だな。
湖畔の豊かな自然も、この奇跡に酔いしれているんだろう。静かだ。風もささやかないひととき。
あぁ、こんなに星が多いと、本当に一つくらいは掴めそうな気がしてくるなぁ。手を伸ばしてみようかな。どうしよう、つかんだ星があまりにも眩しくて、せっかくの夜を堪能しているここら辺の生物たちに迷惑かけちゃったら。
(ザクザク、ザクザク・・・)
本当はね、さっきまで小雨が降ってたんだよ。でもすぐに雲間が現れたんだ。まるでここへ来たのを歓迎してくれてるみたいだよね。嬉しくない?
どうする? ちょっと寒いけど、このまま朝まで星空を見ていようか。首が痛くなったら、芝生に横になればいいし。
あぁ、本当に星空は、何時間見てても飽きないよね〜。
(ザクザクザク・・・)
ねぇ、星座に詳しい人? あの右の方にある三角のって何かの星座かな。 ほら、大きい星が二つ並んでて、その真ん中を降りると小さめの星があるでしょ?
(ザク、ザク・・・)
・・・わかってるよ。さっきからずっと聞こえてる。気のせいだったらよかったのに。
(ザクザク、ザクザク・・・)
何の音かって?
わかんない。でも、この音さ、なんか聞き覚えがあるんだよなぁ。
テレビかなぁ。最近ミステリーが大好きで、よく見るんだけど。
ザクザク・・・
あれ? なんかわかった気がする、この音って・・・。
ザクザク(ショベルを持って)、ザクザク(誰かが)、ザクザク(土を掘ってる?)・・・
ちょっと待ってよ、こんな夜中に土掘るってさ!
あぁ、なんか考えたら寒気がしてきた。
もう! せっかくの雰囲気が台無しだ。 やっぱり今日はゆっくり休もうっと。
そうだ、明日はエルダたちがやってくるよ。