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曖昧な5日目

長いのでぶった切ってみました。

で、何がどうしてこうなったんだっけ?


今、私を覆っている大きくて熱いのって、ナニ?


「なんであんたと帰るのが恒例になってるんざましょ……」

「帰り道が同じ方向で、同じクラスだから被ってるだけだろ」

「偶然の一致かぁ。 あっちゃんに云ったらどうなるかな」

「『偶然! あぁそれは何と神秘的で美しく、且つ素晴らしき事でしょう! さぁ私と一緒に心霊と精神と愛と幻の世界を目指してお祈りを致しましょう!! はーれるーやーぁ』」

「わぁーさっすがーぁ。 よっく解ってるーぅ」


小中高と幼馴染みの、所謂『不思議っ子』の友達の事を持ち出してみる。 長い茶髪を振り乱して、良く分からない愛の神様に忠誠を捧げる彼女はこの辺りの名物だ。 遠目から見ている分にはとても面白いが、絡まれると厄介な人だ。

過去の諸々を思い出して思わず遠い目になってしまった私に、あいつも溜息を吐きながら応じる。


「伊達に2年も同じ委員会にいねぇよ。 面白いから良いけどさ、毎回俺に責任が降りかかってくるのは頂けないな」


少しずつ暖かくなっているけれど、まだ5時だというのに太陽は寒い地上からさっさと逃げてしまっている。 私にはもう特に行事はない(帰宅部だから引退なんてないし卒業式に特に感慨が在る訳ではない)。 後は春を、新学期を待つばかり。 と云った時期のハズだ。


何もない。 特に、別に何か特別な事があった日ではないはず、だ。


「うー寒い。もう3月なのになぁ。マフラーと手袋が手放せない……」

「沖縄はもう温かかったりして、な」

「羨ましいなぁ。 良いねぇ、ビバ・南国」

「夏には北海道の事、ビバ・北国。 るーるるるるる。って云ってなかったか?」


何も言い返せない(実際その通りだ) 。 良いじゃないか。 思った事なんだから。 思いっきり顔を逸らして黙々と歩く。 駅前には沢山の人人人。 有名私立小学校の制服を着たちみっちゃいこ達がいっぱしにカレカノっぽく手を繋いでいる。 時代が進んだと感心するべきなのか、ませすぎだと嘆くべきなのか。


「今時は小学生も凄いなぁ。 見なよあれ。 キャー可愛いじゃんかあの男の子」

「……おまわりさーん、犯罪の匂いが隣から立ち込めてるんですー誘拐未遂ですー」

「誰がするか! 」


この腹の立つイケメンの頭を叩きながら、駅の構内に入った。 ふと、何の気なしに。 そう、特に何もなかった。 意識なんかしてなかった。 頭が、視線が、券売機とは違う方向に向いた。


其処にいたのは、綺麗な人だった。 ライトブラウンの髪の毛はくるくるとウェーブを描いて、今流行の髪型。 こぼれ落ちそうなくらい大きな瞳とぷっくりと柔らかそうな唇。 その頭には赤いチェック柄のベレー帽。 そのベレー帽と同じ柄のコートに、白のタートルネックとジーパン。 ロングブーツもベージュで、ファッション雑誌から抜け出してきたモデルさんみたいな人だった。 流行の綺麗なメイクを完璧にしているその人は、何故かこっちを目を大きく見開いて凝視していた。 そして、みるみるうちに長い睫に覆われた瞳に涙が溜まって。そしてキッと(何故か)此方を睨み付けてきた。 かと思うと、ずんずんと此方に近づいてきた。


「おい、どうした? 」

「え、いやなんか、あの女の人――――」

「ちょっと、いいかしら? 」


私が足を止めてる事を不審に思ったアイツが訝しげに声をかけてきた。 私はそれに返答しようと振り返った時、後ろから、泣きそうな、そして強い怒りの篭もった声が、した。 ん? と云う顔で彼女の方を見たアイツが「あ」と声を上げて、眉根を寄せて(あの女の人には負けるけど)困った様に、その人の名を呼んだ。



「レイカ……」

「少し、話があるの。 貴方達2人に、ね」




続きます。

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