姫、日本行きの服装を決める
さて、危険物というカテゴリーにより剣などが持ち込みが出来なくなったが、服は全部持ち込み可で」あった。しかし、汚れることも考え大量に持ち込んだのとだったので服がかさばり荷物が多い。
「う、やはり鎧は着ていくしかないのかな…」
一番のネックは鎧である。重い、でかい、堅い、そのためカバンに入らない。
鎧は戦闘時には攻撃から身を守り命を守ることができるが、移動時には重さや動きにくさなどから支障がある。さらに私の体力では長距離は動けない。
しかし、命が掛かっていると思うと着ていくべきである。だが、いざという時に逃げる時に重さで動きが遅かったり、体力がなくなり動けないことのリスクを考えると悩ましい。
靴は何足か持っていこう。靴が破損などにより裸足になり長距離歩くことになると尖った石など踏んだりなどして最悪致命傷になることもあるとセシリアちゃんが言っていました。
「鎧だとすごく目立ちますよ!靴が破損するような道もそうそうないです!」
なんか後ろで勇者が喋っているが、無視である。
こっちは魔境日本で生き残らなければならないのだ。
サバイバルでは、水は重要であるが湿度が高いということは雨の頻度も多いだろう。
セシリアちゃんがリザードマンの集落のある沼地では突然の大雨が多かったと言っていたから水の確保は大丈夫だろう。
「水でしたら、用意しますよ。日本は水は豊かな国ですから大丈夫ですよ」
勇者が何か言っているが、重要なことではないだろう。
雨!そうか突然の雨で濡れることを考えてなかった…。
セシリアちゃんも雨で濡れて大変だったと言っていた。
雨は自然現象である。いつ降るのか予測は出来ない。
そうなれば、いつ雨が降っていいように水を弾く水耐性の高い魔獣の皮を鎧の下に着ていこう。
「雨が不安なら、カッパでも傘でも用意しますよ」
勇者がよくわからない単語を使い、妨害しようとしている。
きっと濡れた時、服を脱がせる口実だろう。
勇者…貴様の考えなぞ、王国の姫エリカには手に取るようにわかるぞ。
「エリカ姫…さっきから全部声に出ているので、あなたの考えが手に取るようにわかりますよ」
勇者はさっきからうるさい。
だが日本に行く、格好は決まった。
悩んだが、やはり命は惜しいから鎧を着ていこう。
逃げる時に脱げば問題ないだろう。
下には水耐性の高い、海底神殿に現れるディープマンの皮を使った服を着ていこう。
見た目は悪いが必要経費である。
靴は沼地を歩いても水が入らず、耐久力の高いものを使いましょう。
最近、どこかの勇者が広めた『長靴』と呼ばれる靴を履こう。
これで服装は完璧である。これでどこに行っても大丈夫である。
「」
さっきから、勇者が静かですわね。きっと、私の格好に開いた口が塞がらないのでしょう。
※ある意味正解です。
さて、この完璧な装備に魔境に住む日本人が慌てふためく様が目に浮かぶようですわ。
※数時間後、日本で慌てふためく異世界人の姿があった。その異世界人は誰なのかは言うまでもないだろう。