勇者、初めての夜 おっさんと
書いたら、変なところ押して消えてしまった。
もう一度書いた…泣きそう…。
サーチの結果、多分俺が勇者の中で最弱であると判明した。
その後は偉そうな男のこの国の素晴らしさや魔族の残虐性について説明があった。
加護により力がついたことにより自信がついたものが
「魔族の行いを無視することはできない!みんなで邪悪なる魔王を打ち倒そう!」
力説しているのは、さっきサーチしたアレスという剣を生み出せる加護をもってる農家の4男。
きっと、与えられたチートに高揚しているな。それに農家の4男なんて扱いを考えれば想像できる。
さらに勇者ともてはやされたなら、後はもうあの偉そうな男の傀儡の勇者の完成だ。
アレス君の力説に大体の人は打倒魔王ムードであるが、俺はあの偉そうな男が悪と決まったわけでもないが、
気に入らないの静観の姿勢をとっている。
そんな態度がバレたのか能力が低いのバレたのか俺の部屋はおっさんとの相部屋だった。
それにしてもこのベッドの質も悪いな…。
「おお、調少年!せっかくの異世界の城なんだ、そんなつまらなそうな顔するでないぞ!
どんな環境でも楽しまないと、何事もうまくいかないぞ」
おっさんはそういうと2つあるベッドの1つに横になりくつろぎ始めた。
「そうですね、せかっくですから楽しみませんとね」
「そうだぞ!後、儂に敬語はいらんぞ。あんな堅苦しいのは苦手なのでな!」
「長い付き合いかもしれませんし、息苦しい環境も嫌ですよね。
では私も、もう私は少年という年ではないのでやめくださいね」
「おお、すまないな調青年。もっと砕けた話し方でもいいのだぞ」
日本人は幼く見えやすいと聞くが本当だんだな。
豪快なおっさんだ、この国の国王とは話していた時とは雰囲気が全然違うな。
だが、そんなより気になることがある。
「では、回りくどいのが嫌いなの単刀直入に聞くが、
なんでおっさんは俺の名前知ってるんだ」
そう、こっちの世界に来てから俺は誰にも俺の名前を教えていない。
だから、おっさんとは少し話をしていても俺の名前を知ってるはずがない。
「いい感じに言葉が砕けているな。さて、どうしてだと思うかな調青年」
おっさんは不敵な笑みを浮かべている。
「いや、こっちが聞いているんだが…」
おっさんは、答えようとしない。
「サーチ 目の前のおっさん」
【 名 前 】 シルヴェスター・テルヴァハルティラ
【 性別 】 男性
【 職 業 】 勇者 国王
【 レベル 】 25
【 体 力 】 1000
【 魔 力 】 550
【 攻撃力 】 850
【 防御力 】 1350
【 俊敏性 】 450
【 スキル 】 鑑定
礼儀作法Ⅲ
【固有スキル】 勇者の加護 王の加護
!?
このおっさん、異世界の王様だよ。しかもアレス君より強いよ。
「ん?わかったかな」
「え、ええと…鑑定のスキルですか?テルヴァハルティラ国王様」
「おお、そこまで分かるのか。それが君の加護の力かな?
あと、さっきみたいに砕けた話し方でいてくれ」
「ああ、わかった」
(鑑定なんてスキルあったら俺完全に役立たずじゃん!)
「あとこの鑑定のスキルだが、儂には名前とステータスしかわからないからな。
それで、勇者の中でステータスがあまりにも違う調青年に興味が湧いたんだよ」
「そうですか」
(良かったー、役立たずで追放される可能性はなくなったぞ)
「君の加護がどんなものか考えたが、君が人をみてあたふたしているのをみて、鑑定の上位の能力が君の加護ではないかと思ったんだよ」
(どんなに見てんだよこのおっさん!?)
「おっさん、国王じゃなくて探偵じゃないんですか」
「ははは、儂が国王なのは君がよく知っているんじゃないか」
「ははは、おっさんのせいで自分の加護に不安を感じてるよ」
「ところで君の加護の鑑定では、どこまでわかるのかな?試しにこの国について鑑定してみてくれ」
まあ、この国について興味あったし、おっさんに言われるがまま鑑定した。
「サーチ この国」
『国名 リプセット帝国
人口 約8千5百万人
面積 約9億㎢
ダンジョン数 15か所
国王 ウォルト・リプセット
王妃 アビゲイル・リプセット
・
・
・ 』
とりあえずここまでの情報をまとめた。まだ情報はたくさんあり、集めようとしたらすべての国民の名前もわかるが、その前に俺の脳みそがオーバーヒートしてしまう。
ここまでの情報を教えると、おっさんは真剣な顔をして
「調青年…君の能力は誰にも言わないほうが君のためだぞ」
え!?
おっさんとの夜はまだ終わらない。