姫、日本行きごねる
驕りで食う寿司は旨い
「エリカ姫、まず武装の解除をお願いします」
「!?」
武装解除ってどういうこと!?
私に死ねってこと!?
はっ!もしかして王宮に行くから武装は失礼ってことか。
「安心してください、この装備は礼装ですので相手に対して失礼になることはありません」
実は礼装ではありません。完全武装です。だって日本怖いもん!
「いえ、そんな大したところに行きませんし、行けませんので…」
ええ…じゃあなんで?とりあえず武装解除は危険だから拒否しよう。
「しかし、剣を持っていないと落ち着かないものでして…」
(一番落ち着かないのは、あなたと日本ですけどね!)
「エリカ姫、日本の法律で武器や危険物の所持が禁止されています」
法律!?そんな法律あるの!?王国や帝国どんな国でもないわよ!?
剣を鞘から理由もなく抜いたら罰されることはあるけど、
剣を持つことすら罰される国なんてどんな国よ!?
「待ってください!もし、魔物が出たらどうするのですか!」
ゴブリンくらいならあまり使いなれてない魔法でも倒せる。
一番の理由はあなたに襲われた怖いからです。
「安心してください。あっちの世界には魔物はいませんので」
魔物がいないということは魔物から取れる魔石はない。魔石は魔道具のメイン道具である。魔道具は明かりなど様々な用途で使用することができる。生活に欠かせないものである。そう、魔石は国の一つの資源。
そういえば、魔法という概念がない世界だった…。
日本の国民はどうやって生活しているのだろうか…考えたら胃が…。
「では、まずは剣を預かります」
ごめんなさい。
セシリアちゃん…名剣エンデバー…守れなかったよ…。
まずは?
「次は、銃も預かります」
「魔石銃もですか!?」
「ええ、武器ですから」
ごめんなさい。
シオンちゃん…あなたの気持ち持って行けなかったよ…。
「ポーションは危険物ではないでしょう、勇者様!」
私、もう必死です。なんでもいいからもって行きたいです!
「サーチ ポーション成分、日本に持って行ってからの危険性」
勇者がまた何か唱えている。不気味だ。
「このポーションは材料に危険性があります。こっちは魔力のない日本では駄目になります。
あとこれは、管理は悪くてもう駄目になってます。こちらは、日本の生物に与える影響を考えると危険です。さらにこちらは…」
うわー…。めっちゃいろいろ言われている。
ちゃんと説明されているから文句もいえないし、管理が悪かったやつはこちらの責任だし…。
誰ですか…管理の担当の人は…怒らないから申告してください(処罰はする)。
「最後にこれは猛毒ですね。後は大丈夫ですから」
毒!?
そういえば変な匂いだし、サーシャさんがくれたポーションが一本多い。
危ないところでした。
毒を入れたのは、心当たりが多すぎてわかりませんね…。
「ありがとうございます。後もう少しで毒を飲むところでした」
やるじゃないですかあの勇者くせに。
その後も勇者による厳しい持ち物チェックが続き、ナイフや弓矢はもちろん没収された。
食材はなま物は駄目だった。
大丈夫なのは、服やアクセサリー類、化粧品。後は保存食などであった。
果物ナイフも駄目なんて勇者はケチ。