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ファントム トランサー  作者: 泰山木楓
2通りの世界
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第一話 学校へ行こう

眩い光が濡れた家の屋根を照らしている。その景色は光の差し込んだ川の様だった。昨夜まで降り続いていた雨が嘘のように雲一つない快晴だ。

時刻はとうに7時をまわっている。その為か朝日がカーテンの隙間からささやきかけるように寝ている人を起こそうと声をかけているようだ。目覚まし時計の音が鳴り響く。だんだん音が大きくなっていく。うるさいのか布団から手が伸び目覚ましを止める。その布団は丸みを帯びている。今日だけは起きないぞ、と言わんばかりに中で人がくるまっているのだ。「あゆむ~朝だよ、起きなさい」としたから声がするその声に反応をして答えを返す。「わかったよ。」布団に包まってるせいか鮮明に聞き取ることができない。布団の中にいたのは、あゆむこと立花歩だ。自称、朝に弱い体質の為、ぱっと起きることができないらしい。いつもなら、このまま30分位潜っている。しかし、今日は起きることを決心したようだ。布団からひょっこりと頭が出る。

(もうちょっと寝たかったのに……、でも今日は致し方無い)

歩は布団から出ると、おおきな伸びをした。

豪快に暗幕のカーテンを開けて、朝の日の光を浴びる。目の前に遮る物や建物が無い為暖かい。まるで39度くらいのお湯につかっているみたいだった。日の光を浴びた為か眠気がどっかへ飛んで行ったようだ。

時計を見ると、7時38分。歩の行動が突然速くなった。歩は中学3年である。今日は始業式、3年のしょっぱなから遅れる訳にいかない。制服に着替えるのにかかった時間は2分。起きてからの行動が遅いことが分かる。

すべて着替え終わり、急いで必要な筆記用具類をスクバ(スクールバック)に詰め込む。

どたどたと、階段を滑るように降る。今にも顔面から落っこちそうな速度だった。その速度のまま、ダイニングへ駆け込む。歩がリビングの時計を見ると、7時51分だった。歩はいつも家を8時に出るので、まだ9分はあった。時間があることを確認すると、ゆっくり椅子に座る。さっきの速度と焦りはどこにいったのやら。

 「起きるのが遅い!まぁ、いつものだけど。」とキッチンから声がする。歩の母の真由美だ。真由美は朝そうごはんをとうにすましており、食器のかたずけをしている。「朝早いから起きれない。」と歩は、真由美に反論した。「起きれないんじゃなくって、起きないだけでしょ。時間のせいにするんじゃない。」と真由美も反論をする。朝っぱらから言い合いが始まった。しかし、歩が時間の無いことに気が付き、急いで朝飯のパンを食べる。 

そして、食べ終えるとすぐに、使った食器をキッチンのシンクに置きにいった。置いたらすぐに、洗面所へと向かう。目にも止まらぬ速さで歯ブラシを取り出し、歯磨き粉をつける。適当とはいえないが、歯を磨くには速過ぎる程の速度だった。このまま磨き続けたら、歯ぐきから血が出そうな位だ。歯磨きを終え、歯磨き粉を吐き出す。口に水を含みうがいをする。全てを終えて、リビングへと向かう。リビングにあるスクバを担いで、玄関口に向かって走っていく。その途中で寝起きの歩の父、佳之とすれ違う。「父さん、行ってくる。」とすれ違いざまに言った為か、言葉がその場に残る。佳之は「いってらっさあーい。」とあくびをしながら見送る。歩は家を出て、走って通学するのであった。


時刻は8時18分、もう少しで学校開始のチャイムがなる。校庭を見ても人一人いない。昇降口に張り紙がしてある。クラス替えをした、クラスの発表だ。各学年の張り紙の前には、沢山の人であふれそうだった。歩は今年で中学3年。受験の年である。3年生用の張り紙に目をやると、すぐに教室へと走っていく。たまたま、歩のクラスは、一階であった。クラスの前扉の上には、3-1とあった。その表示を見て、教室へはいる。

学校内の教室が少し騒がしい。そんな教室の建付けの悪い前扉が不協和音を奏でるようにして開く。うるさいそして頭に残る音であった。5年前の3年生の代からから変な音がしている。どうにかこうにか音を鳴らさないようにしていたが、ここ最近またなり始めている。そして、歩が入ってきた。教室には見慣れた友達がいる。「歩!今年も一緒か、よろしく。」と一人の男子生徒が話してきた。「春樹もか~よろしく。」と返す。春樹こと叢雨春樹(むらさめ はるき)だ。幼稚園生の時から一緒の幼馴染だ。

歩は後ろの窓側に座る。今年の担任は佐藤先生だ。佐藤先生は、去年・一昨年と歩の担任だ。生徒と保護者からも信頼が厚く、指導の方法が熱血なのでパワフル先生と異名を持っている。その、パワフル先生が建付けの悪い前扉から教室へ入って来た。 パワフル先生(佐藤先生)は教卓の前に来ると「おはよう。今年の担任の、佐藤憲明だ!去年と一昨年も担任した人も居ると思うが、よろしく!。」という。みんなはそんな佐藤先生が好きである為、返事を返す。「出席をとるぞ!大きな声で返事をするように!えー。天尻。・・・・・・

立花。今年も一緒だな。よろしく!・・・・・」と全員の出席をとると、パタンと出席簿を閉じた。

 「今日から、新しい3年1組の仲間を紹介するぞ。」と言い、建付けの悪い前扉を開けた。前扉から、女子生徒が入って来た。髪は澄んだ黒で、ロングのストレート。身長もそれ程高くはない。クラスの大半がそんな事を思っている間に、教卓横まで来ていた。佐藤先生が、自己紹介をと促すと、その女子生徒は黒板に名前を書き始めた。倉光 蒼(くらみつ あおい) 名前を書き終えると、黒板に背を向けクラスの全員に向かって「倉光 蒼です。よろしくお願いします。」というが、恥ずかしいのか、少し顔が赤い。

クラスの男子は、可愛い!!!!!!!と、思っていた。でも、歩は違った。あまり興味が無い様だ。

「じゃあ、席はあの後ろの窓際の子の隣ね。」と佐藤先生は言った。蒼は先生に会釈をして指定された席へと歩みを進めて行った。後ろの窓際の子とは歩であった。蒼は歩を見て「よろしくお願いします。」と言い頭を下げた。歩は「俺は歩。よろしく。分かんないことあったら聞いて。」 

なんて、クールでレディーに優しい紳士なんだろうと蒼と勘違いをしている。ただ、歩は席が隣なのでついでに・・・と思っていたのだ。蒼が席に着き、ひと段落。歩たちはこれから、始業式と入学式を兼ねた式が行われる。


2時間後・・・歩は腰を抑えて教室へと帰ってきた。クラスの空気がおもい。疲労が溜まっている事を表していた。何人かはダウン気味・・・歩も相当の疲れが溜まっていた。蒼はダウンしている。

仕方がない。ずっと座りぱなし、祝辞の言葉は終わりが見えない、極めつけに新1年生の行動が遅い

。2時間と思える様な内容では無かった。「倉光さん、大丈夫?」と近くの女子生徒に声を掛けられる。

「正直・・・舐めてました。この学校の入学式・・・。もっと、簡単なものかと・・・。」と蒼が答える。歩の通う学校では入学式を「魔の式」と呼ばれ、入学式が好きな生徒は誰もいない。

 佐藤先生が教室へ入って来た。「今日の入学式は辛かっただろうが、みんな頑張った!」と言い。

明日の予定を話して、1日目の学校は終了した。

歩が荷物をまとめていると、蒼が「明日もよろしくお願いします。」と言って教室を後にした。

歩も荷物をまとめて教室を後にした。

 下校はいつも一人。何故かと言うと、すぐに家に帰りたがるからだ。今日も一人で足早に家へ帰る。


家に着き、時刻は12時23分。時計を見て、自分の部屋に向かう。

制服を脱ぎ、私服へ着替える。そしたらまた、一階のリビングへと向かう。そして、テレビを点けレコーダーにDVDを入れる。ここからは、歩の趣味の時間だ。テーブルの上にあった母、真由美が作った昼飯をテレビの前へと持ってきて食べ始める。歩の趣味は映画(アニメ)の鑑賞だ。。2本映画がある為5時間弱になる。歩はその映画に見入っていた。


映画が終わる頃には、青かった空も橙色になっていた。外からは、調子はずれのよいこチャイムが流れていた。歩は、昼飯をかたずけて自分の部屋にもどる。そして、歩はとてつもない疲労感と眠気に襲われた。

歩はベットに入ると、数分も立たず眠ってしまった。



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