プロローグ
初投稿です。
至らぬ点も多くあると思いますが、軽い気持ちで見てやって下さい。
毎日更新は無理かもですが、なるべく早く更新します
……
ガギン! ドゴォ! ゴキッ!メシャッ!
ここは魔王城。繰り広げられる勇者と魔王の戦い。
城の周りの戦場では既に人類軍が勝利を収めていた。
あとは、勇者が魔王を倒せばこの戦争が終わる。
兵たちは皆、固唾を飲んで城の方を見つめ勇者の勝利を祈っていた。
長時間にわたる戦闘によって両者の体力はとっくに限界を超えており、もう決着は目前だった。
そのことを悟り、互いに距離を取る勇者と魔王。
場が静寂に包まれる。次の一撃で勝負を決めるつもりなのだ。自らの魔力を極限まで高めつつ、相手の様子を全感覚を以って見極める。永遠のように感じられる数秒が経ち、次の瞬間魔王が攻撃を放つ。それを真正面から打ち破るべく勇者も攻撃を放つ。威力はほぼ互角だが徐々に勇者が押されはじめたが、あと少しのところで耐える。死を前にし、脳裏に浮かぶのは共に戦って行く中で命を落としていった友人達。
負けられない ここまできて死んでたまるか 絶対勝って帰ってやる!
全てをかき消すような思いで、最後の力を振り絞る。
「うおおおおおああああああ!」
体が軋み、悲鳴をあげるがそんなのもう関係ない。
頼む、届いてくれ!
ズァン………‼︎
届いた…。何とか届いた。
「………見事…」
そう言った魔王はその場に静かに崩れ落ちた。
その姿を見た後、いますぐにでも倒れて寝たいという気持ちを抑えて外へ出て、祈るようにこちらを見る兵士達に応えるように言った。
「…我々の、……勝利だ!」
沸き起こる歓声。それはとても大きく、それ以外何も聞こえることはなく、いつまでもやむことがなかった。皆肩を抱き合い、泣いて、笑って、喜んだ。
この日この瞬間、百何十年にもわたって繰り広げられてきた魔族と人類の戦いが幕を閉じたのだった…
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勇者が魔王を倒した時、とある王宮の一室にあるもう使われることがないはずの、召喚陣から一人の青年が姿を現した。
「へっ…?何ここドコ?一体どうなってんだ?」
もう使われることがない陣からなぜ出てきたのか?
簡単な話である。ずっと前に召喚されていたが、出てきていなかったのだ。本来なら勇者達と一緒に召喚されるはずが、召喚陣の誤差により出てくるのがおくれてしまったのだ。そのせいで誰もが彼は死んだものだと思っていたのだ。
そんな彼の名は、神崎裕二