黒い飴【4】
「朝倉さん大丈夫?!」
「朝倉ちゃんーー!大丈夫ーー?!」
「結菜大丈夫ーー?!トイレで倒れたって?!心配したよーーーー。。」
店長やスタッフのみんなが声を揃えてバタバタとバックヤードに入ってくる。
「本当にご迷惑おかけしてすみません!!もう大丈夫です。ちょっと気分が悪くなってトイレで倒れちゃったみたいで、真柴部長に運んでもらったみたいで。。心配かけてしまってごめんなさい!」
同期の葛城は目に涙を溜めて今にも泣きそうだ。
こんな事初めてだからみんなに心配かけてしまったよね。。
「朝倉さん、今日はもう勤務はいいから帰ってゆっくりした方がいいよ。一応病院にも行った方がいいと思う。棚卸は私達で何とかなるから。」
さっきまで険しい顔をしていた店長も優しい顔つきに戻りゆっくりと私に話しかける。
「でも私、ちょっと休ませてもらったのでもう大丈夫ですよ?かなりの量があるのに私だけ帰らせてもらうなんて申し訳ないです。」
この店舗で全ての洋服、雑貨をハンディ入力して、抜き取りするなんて余りに大変すぎるのに。
「でも。。今日無理してこの先朝倉さんが体調を壊して長引く方が私達としても凄く困るから。 」