表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
甘い蜜と黒い罠  作者: 本郷 愛海
1/18

小さな夜空の光たち

寒さで凍えそうな真っ暗な夜にキラキラと光るあの木々達は夢と希望を与える。





『ゆいーーっ!見てみろってほら!?俺が飾り付けしたんよこれ!すごくね?!』


マフラーを口も隠れるくらいグルグル巻きにしてその熱で頬っぺたが落ちそうなくらい赤くなった君は必死に訴える。




『えーー!うそやぁ。だってこーんな高いのに上まで届くわけないもん!』


ピンクのウサギの帽子とモコモコのピンクのブーツを履き、一生懸命背伸びして両腕を万歳して見上げる。




『今年はどうしてもゆいにこれ見てほしかったけ頑張ったんよ俺。』


さっきまで楽しそうに笑っていたはずの君は少しだけ悲しそうな顔をして呟いた。




『ありがとう!ゆいお父さんからカメラは持っていっちゃダメだって言われたから写真は撮れないけど、絶対絶対忘れないから!だからまた来年はもっともっとキレイなの見たいな!』


あまりの綺麗さと嬉しさで喜びが隠せないくらい満面の笑みで答えた。




『ゆいに見せれてよかった!来年はまた出来るかわかんねーけど、絶対忘れるんじゃねーぞ?』





なんでこんなにもキラキラした風景の中なのに君があまりにも消え入りそうなのかなんてこの時の私には全然 わからなかった。




そしてこれから二度とこのキラキラした木々を見ることはなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ