問
誰にだって昔、というより過去はあるだろう。時間は常に流れていて、ボクらが生きている"今"だって一瞬でも時が進めばそれはもう、"過去"なのだから。
"-"は過ぎた時間を忘れられない子だった。
過去を誇り、自慢し、馬鹿にされたと感じれば、猛然と抗議する。そんな過去を武器にし、しがみつく子だった。
きっと"-"は時間を浪費していることにも、気づいてないのだろう。
そんな"-"を見ているボクは気が気じゃなかった。ボクには自分自身に見えていたのだ。
上手くいかないことを他人のせいにして、「どうして?」と嘆くことを「どうすればいい?」と前を向くことに変えることも出来ない日々。その中心にいた自分…。
そんなボクから人は離れていった。
今でも人付き合いは恐く感じる。
あの頃の自分と変わっていないと思っているからかもしれない。
いつからだろう。"-"の「~の時のあたしだったら1位になってたよ。」「〜くらい昔やったよ。」という声に、ボクが耐えられなくなったのは。自分に似てるから思う。そんなことじゃ前なんて見えないよ、君が見たいのは、後ろ…過去なのか?、と。