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第2翔『蒼い少年』

全身を蒼で染めた少年、端種汀の瞳はすべてを吸い込むかのような魅力があるように勾には感じられた。

勾の肩には、いつの間にか取り出された、冷たく濡れたタオルが彼の手によって当てられていた。

「あ、ありがとう」

「どういたしまして」

勾と汀は幼なじみかのような親しさで会話をしているが、彼と彼女がはじめて出会ってから、そうそう時間は経っていない。

「勾さんってさ、なんか……懲りてない……みたいだね」

「うぅ……」

以前も全くといっていいほどに勾は同じ状況に陥ったことがあった。飛翔し、疲労したうえでの軽い熱射病であった。

「確かにあのときも汀君がいなかったら危なかったかもしれないけど、なんか、見たいって衝動は抑えられないんだよ、わたし。汀君はなったことないの?」

少しだけ目尻に涙を浮かべ、勾は問い掛ける。

「僕はないなぁ。基本的には何かに熱くなるってこともないと思うし。集中するのも、泳いでるときくらいじゃないかな」

子供っぽい仕草をする勾を微笑みながら見て、汀は答えた。

「どう、そろそろ身体も冷めた?」

「あ、うん。ありがとね」

「これ以上一緒にいたら、誰かに見られるかもしれないからね。僕はそろそろ行くよ」

「あ……」

汀が足を自分の家のほうへ向けようとしたとき、勾は声を上げた。

「どうかした?」

「うん。ちょっと聞きたいんだけどね、政府の方からわたし達の一族のところになんか来たんだけど、汀君のところにも来た?」

「それなら来たよ。有翼人のことも言ってたみたいだから多分同じくらいの日に」

苦笑いをしながら答える。

「大丈夫? 増えないかな」

「大丈夫だとは思う。慣れてるしね。でも用心するに越したことはない。そう僕は思う」

二人は顔を見合わせ、頷いた。


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