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入宮
叔父の家で半年のスパルタ教育を受けて
私は一通りの後宮のしきたりや礼儀作法を身につけた。
それでも「まだ幼いからこれでいいか」というレベルだったと思う。
本当の輿入れのときは、私は何かの出し物に出演するような気持ちでいた。
輿入れと言っても、私はまだ8歳で、本当の「妻」になるには子供すぎて
嫁がせる大人たちも私に何も期待していなかっただろう。
それに輿入れは他の妻7人と一緒だったから、
本当に私はおまけみたいだった。
お姉さんたちはとてもきれいで、
ぴりぴりしていた。
珍妃などは私に悪いことばっかり吹き込んできたけど
もともと悪いものだと思っていた私は
怖いとは思ったけどショックではなかった。
美しく初々しい7人の新しい妃とおまけの私。
石畳の道には赤い布が敷かれ、どこもかしこも爆竹を鳴らす。
笛や太鼓の音楽が、それぞれ勝手に鳴り響くので騒音にしか聞こえない。
それでも京城はお祭り騒ぎで、皆が私たちを祝福してくれたと思う。
だって私は紅の輿の中から街の人たちの様子を見て
感動で胸が詰まったのだから。