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無表情少女の歩む道  作者: 日向猫
第一章 異世界再誕
19/29

幕間5 アウラを待ちながら(秋津視点)

2011.3.15 一部加筆しました。



 アウラと出会って一年が過ぎた。


俺こと、秋津 博則はアウラのペットと化していた。










・・・・・・・・・どうしてこうなった。



初めはそんなつもりじゃなかった。


同郷の者に出会えた喜びで、判断を誤ったのだろうか?


しかし現状から抜け出すことは、今の俺には不可能だった。





なにせ、俺は今アウラの手によって保護されている状態だ。


この世界のことを知らず、言葉も理解できない。


しかも俺は人外だ。


アウラの保護無しで、まともな生活もできない有様だった。







【ぶっちゃけヒモだよな】






・・・・・・・・・・・・





言葉に出して予想以上のダメージを受けた・・・・・。





ペットでいい、ペットで。



ヒモよりまし(?)だ。




そんな今の俺の目標は、現状の改善にある。



少なくともアウラにペットではなく、相棒として認められる。



それが今の俺の目標だ。




















だが、やれる事は多くないので


とりあえず、この世界の言葉と読み書きが出来るようになるのが目標とする。











本日は、留守番を言いつけられてしまった。


出かけようとするアウラに、付いて行こうとしたが断られたのだ。


なんでも治療院とやらに行くらしい。


この世界における、病院のような所だというので自重した。



普段の俺は、アウラから言葉と文字を習うか身体を鍛えるべく運動している。


といっても教会の敷地内を走ったり、散歩くらいしかしてないが・・・・。


あとは寝そべり餌を食う。


あぁ、なんと怠惰な日々か。


かつて人間だったとき、生まれ変わるなら猫がいいと思ったが


犬になるのも悪くない。


もはや人間であった事など、遠い昔の事のようだ。


そんなふうに日々を過ごすか、アウラについて行く。


これが俺の日常だった。


ただこの日は、アウラが治療院とやらに行くそうなのでおやすみだ。


付いて行くのも駄目だしな。


ルシフとかいう神父と共に行く、とういのが気にはなったが。



俺とルシフの仲はあまりよくない。



初対面で武器を突き付けられたし、笑顔が胡散臭いしで気に入らない。


そして、俺の獣としての本能が、奴に油断するなと告げている。


奴もそれを察してか、必要以上に近づいてこない。


まぁ、奴の手をガブリとやってやったからかもしれんが。

















で今日は留守番だ。



【ふぅ・・・・】


正直やることが無い・・・・・・。





俺はこれほどまでに、アウラに依存していたのかと情けなくなった。


この世界で俺の行動範囲は広くない。



今も、教会の入り口付近でアウラを見送った後、そのまま寝そべって帰りを待つ。



俺の行動範囲が狭いのは、単にアウラの行動範囲が狭いからだ。


俺はアウラについて移動する。


一応、許可証として聖印の付いた首飾りを首から下げているから


町中を移動に自由に行ってもいいらしいが、かつて追われた恐怖は根深く


安全な者の傍が、一番安心できるのだ。


七歳の少女に依存する成人男性・・・・・。



【情けない・・・・】



ほんと情けない・・・・。


まぁここは、今の俺は犬だ!〔正確には幽鬼狼ファントムドラゴンというらしい〕


と開き直ることにした。



時折、俺の頭を気安く撫でようとする奴もいるが、そんなのは俺のプライドが許さない!


問答無用に噛み付くのみ!













・・・・・・・・・・・・女性は良いけどね。










寝そべりアウラの帰りを待つ。


心地よい風が吹く。


今日もいい天気だ。





こんな怠惰な日々から抜け出せる日が来るのだろうか・・・・・。













































本日も男のガキが、俺の頭を撫でようとした。



俺は前言通り、ガブリと噛んでやったとさ。



「アーーーー!」








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