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いちごシリーズ

いちご盗人(プロトタイプ)

作者: 斉河

 

 いちご大福に当たった。


 とはいえ誤解しないで頂きたいのは、当たったといっても『ひとつ余分にもろたでラッキー』、という意味では決してない、ということなのだ。

 もちろん引換券が付いていたわけでもないし、おみくじのように大吉と刻印が押されていたわけでもない。

 下したのだ。腹を。豪快に。

 なんとなく舌がピリピリしたし、いちごが妙に柔らかかったから嫌な予感はしていた。廃棄寸前の五十円引き商品ゆえに、仕方ないと言えば仕方ないのだけれど。

 しかしいくら割引価格と言っても食べずに棄てるのはかえって損。

 食欲と言うより小銭に勝てなかったアタシはどれだけ小市民だろう。


 滲む脂汗を真新しいパジャマの袖口で拭いつつ、ビオフェルミンの箱を戸棚から引っ張り出す。

 正露丸を買っておけばよかった。後悔しても時は進むばかりで戻ってはくれない。

 成り行きとは言え新婚なんだし、あの強烈な臭いの錠剤を置いておくのもねー、などと格好ばかり気にしている場合じゃあなかった。第一、糖衣Aなるものもあったはず。あれなら大して臭わないとみた。

 何故見落とした、阿呆め、アタシの阿呆め。


 ダイヤルを『浄水』に合わせて蛇口を開く。

 コップを構えたアタシを嘲笑うかのように『フィルター洗浄中です、しばらくお待ちください』という爽やかなお姉さんの音声が響いた。

(勘弁して)

 ビオフェルミンを握り締めた手で腹を押さえてうずくまる。

 広々とした新品のシステムキッチンは濃いブラウンの統一配色で暖かい印象なのに、ピカピカのフローリングは氷のように冷たい。

 なんとかマットの上に体を横たえると、ふっと意識にもやがかかった。


芹生(せりな)?」


 男の声が聞こえる。低すぎない、軽くガーゼで包んだみたいな、芯のない声が。

 ああ、アイツだ。直感的にそう思った。


「どうしたの」


 坂口肖衛(さかぐちしょうい)、まだまともな会話すらしたことのない、アタシの夫。

 もっさりした時代遅れのヘアスタイルとダサい形の黒ぶち眼鏡が特徴の三十八歳。

 来るな、寄るな、触るな。言いたいのに声が出ない。


 アタシはコイツが嫌いだ。

 大っ嫌いなのだ。


 ***


 最寄駅まで徒歩五分、庭付き犬付き外車付きの三階建て。

 外壁は防火だか防寒だか防汚だかの効果があるスベスベ大理石で、日がな太陽光を反射している傍迷惑な一軒家。


 ここが昨日からアタシの―― 坂口芹生十八歳の、住家。


 近所にちょっと古風な商店街があるせいか、耳を澄ませば絶えず人のざわめきが聞こえてくる、静かとは言えないけれど住みにくいこともない立地だ。

 引越し前、一人暮らしをしていた部屋は線路の真裏で、耳に入るのはもっと刺さるように冷たい音ばかりだったから、こういうのなら構わないと思う。

 あいさつが普通に交わせる街。昭和の雰囲気を残した、優しい街。

 いいところなのだ。この状況でなければ。


 前述で察して頂けたかもしれないけれど、アタシは高校卒業とともに好きでもない男のもとに嫁いだ。お見合い結婚だった。

 それこそ時代錯誤な話なのだけど、発端は親父の借金。

 言ってみればアタシは借金のかたに売られた可哀想な女の子なのだ。


 とはいえ親父ひとりを責めるつもりはない。家族のためだということは重々承知しているから。

 海外の投資会社がどうにかなったところで下町の小さな工場に影響が及ぶなんて始めは思いもしなかったけれど。

 しかしリーマンショック以前も以降も、打撃を受けたのはことごとく中小企業だったように思う。親父の板金工場も例に漏れず、あっという間に傾いた。ピサの斜塔も真っ青の傾斜角だった。

 で、つっかえ棒になるものはないかと探った結果、候補にあがったのがアタシってわけだ。

 ロリコン趣味の変態ってのはいつの時代にもいるもので、我が家は借金を返済してもらうために十八歳のピチピチ乙女(ちなみに未体験)を餌にすることにした。

 母は泣いていた。号泣だった。一緒になって弟も泣いていた。でもアタシは構わなかった。

 家族のためになるのなら、金持ちジジイのもとで悠々自適に暮らすのもいいかなって。

 しかし見合いの席で待っていたのはアタシの天敵とも呼べる男だったのだ。


「シヴィールの警備員!」


 和食屋の襖を開けるなり叫んでしまった。

 ちなみにシヴィールというのはちょっと前までインディーズだった5人組ロックバンドのこと。

 ビジュアルはややゴシック系で、音楽性は少しB'zに似ていた。つまりもの凄く上手かったのだ。

 メジャーデビューをしてからはすっかりライブに行けなくなったけれど(値段は上がったし人気がありすぎて席は取れないし)、アタシはヴォーカルのナツの大ファンだった。

 金髪でちょっと冷たい眼差しの、細身の美形。そしてとにかく歌声がセクシーな彼。

 地元のライブハウスでは出待ちなんて当たり前にしたし、楽屋に押しかけようとしたこともある。

 その度にアタシの行く手を阻んでくれた憎きガードマン。

 それが坂口肖衛三十八歳、見合い相手のロリコンジジイだったのだ。


「そこの女子高生、ルールが守れないなら来るな!」


 なんて毎回怒鳴ってくれちゃって、苛つくったらありゃしない。

 こんな皮肉、あって良いものか。たかが警備員に財産なんてあるわけないし。

 しかし奴は現金一括で親父の借金二千万を返済してくれ―― 現在に至る。


 誰か冗談だって言ってアタシの頬を叩いて。でもって悪夢から目を覚まさせてやって、お願い。


 ***


「ん――……」


 眩しい。

 気付くとアタシは広々としたキングサイズのベッドの中央で横になっていた。

 真っ白でフカフカの羽毛布団はベッドと同じ幅があり、一枚なのに充分暖かい。

 かなりの高級品に違いない。お値打ち品ではこうはいかないから。

 広い天井。どこ、ここ……あ、坂口の家だ、アイツの寝室だ。

 大きな格子窓から光が差し込む明るい空間は、恐らく二十畳ほどの広さがある。

 壁紙の淡いグリーンにナチュラルウッドの家具が並ぶ様は一見森林のようだった。

(アタシ、どうしてここにいるんだっけ)

 セミロングの黒髪を手櫛で整えながら体を起こすと窓際のソファで眠るその人の姿が目に入った。


「―― 肖衛……?」


 思わず呟いた名前に反応し、ピクリとその肩が動く。

 シャツの上からでもわかる、筋肉質な胸元はさすが警備員とでもいうべきだろうか。かといって決してガタイがいいわけじゃなくて、案外細身な体つきが案外セクシーでムカつく。

 でも、真ん中分けでボサボサの長い髪は嫌いだ。縁の太い眼鏡も。さらに口煩くてロリコンなわけだから全体で見れば最低だ。

 けれども。


「もしかして、運んでくれた……とか?」

「……、一応」


 独り言のつもりだったのに返事が聞こえて思わず飛び退いた。

 細目でアタシのビビりぶりを確認し、肖衛はふふっと意地悪そうに吹き出す。


「大事な奥さんがいちご大福にやられて苦しんでるの、ほうっておけないからね」

「し、知ってたの」

「うん、まあ、だって包装紙が捨ててあったし、芹生、俺の料理手つけずだったから」


 だってそれは。


「一服盛られるとか思った?」

「えっ」


 お見通しか。

 や、もちろんそれだけじゃないけどさ。なんとなく、これ以上アンタのマネーにたかりたくなかったっていうか。

 ちなみにいちご大福はアタシの自腹だ。


「馬鹿だね、そんなことしないよ。小細工なんてしなくても、君はもう俺に逆らえないんだから」


 得意顔で立ち上がる彼を見て、アタシは再びとび上がる。

 ヤバい。ここ寝室、アイツ男、そしてアタシ達夫婦。


「……おあずけは一晩だけにしてもらえると有難いな」


 そう言って、アタシを押し倒す強い力。流石に警備員、逆らうことは許されなかった。

 外されて行くボタン。はだけた肩口に這う唇。熱い息が胸元にふきかかる。


「やっ、……っ」

「昨日は家中うまく逃げ回ってくれたよね。そんなに俺が嫌い?」


 当然だ。 

 親父の借金を返済してくれたことに関しては有難いと思ってる。でも、アタシは元々コイツが大嫌いだったのだ。

 万が一その前提を取り消せたとしたって、この男はダサすぎる。近寄ればダサさが感染しそうなくらい。

 最先端を目指せとまでは言わないけれど、物事には限度ってものがある。

 まともに顔が見えないような髪型とダサ眼鏡につける好感度があるというのなら、その在処を教えて頂きたい。


「……ぅんっ……待っ……!」


 涙目で首をふる。やだ、怖い。やだよ。


「……もう充分だよ、待つのは」

「や、やだぁ……っ」


 後ずさろうにも後がない。

 やだ、そんなとこ触らないでよぉ……っ!

 しかしベッドの縁でアタシを抱き寄せた肖衛は、容赦なんてしてくれなかった。


「……ゃ、っあ――」

「芹生、せり、俺はずっと」

「いた、いたいぃ……!」


 耐えかねて両手を振り回す。蹴り飛ばしてしまいたかった。

 ちょっと良い奴かも、なんて思って損した。最悪だ。最低だ、こんな初めて。

 なんでこんなことになっちゃったの。


「いやあーっ!」


 力任せに平手打ちをくらわせる。

 趣味の悪い黒ぶち眼鏡がふきとんで、そして、同時にモサッとしたものがアタシの顔のすぐ横に落ちた。カツラだ。

―― え。

 思わずピタリと動きを止めて、彼の顔をまじまじ見つめる。


「しょ……い?」


 嘘。


 真っ直ぐ通った鼻筋と少し冷たそうな目許、金の髪。

 細い輪郭に並ぶ、見事なまでの麗々しいパーツ。

 どこかで観た、ううん、アタシがずっと遠くから見続けていた人の顔が、そこにあった。



「……な、な、ナツ――――!?」



 うそだ。

 肖衛がナツ? ナツが肖衛?

 意味不明だ。訳が分からない。しかし確実なことがふたつある。

 アタシは今憧れのナツと繋がっちゃってるってことと、

 この人と結婚しちゃったってこと。


「う、うそ、あ、あんた」

「バレちゃったか。うん、俺はナツです」


 肖衛はアタシを組み伏せたまま、説明は終わってからでいいかな、と余裕のない表情で笑った。

 冗談キツいよ。


 ***


 皮膚を一枚余分に被っているみたい。ベッドの中で寝返りをうっても、全身の感覚が薄くしか感じられない。

 ぼうっとした頭で隣に寝そべる男を眺める。

 少し短めの金髪と細身の身体、影のある面差し。どこからどう見てもシヴィールのボーカル・ナツだ。

 眼科に行くべきだろうか。視界が不明瞭なのかもしれない。

 いや、でも―――― 夢でもカンチガイでもかまわない。アタシの初めてはナツに捧げた、と思っていたい。


「うん、騙すつもりはなかったんだけどね、うん」


 相づちマイセルフでナツは後ろ頭をかいた。棘の形のシルバーピアスが星のようにキラリ光る。 


「ごめんね、痛かった、よね? だってずっと欲しかったものが目の前にあったらさ、普通、耐えきれないじゃない」

「ちゃっかり同意を求めないでくれる」

「はは。ごめん、まさか初めてだなんて思わなくて」

「もうその件はいいよ」


 良くないけどいい。だってもっと重要なことが―― 説明しなければならないことが―― 他にあるでしょ。


「なんで肖衛がナツなの。でもってアタシと結婚なんてしたわけ」


 ナツは、いや肖衛は、ええと、もうどっちでもいいや、とにかく彼はちょっと困ったような顔をして答えた。


「最初は単なる変装だったんだよね。ライブハウスから出る時の。でもその日、君に会って……チョコを貰ったんだよ」

「は? アタシ? なんで」

「覚えてないの?」


 うんうんと頷くアタシに、肖衛は残酷だねえとつぶやきを漏らす。


「おととしのバレンタインデー。俺を本物の警備員だと思ったのか、警備お疲れさま、ってちっちゃいチョコをね」

「そうだったっけ……」


 記憶にない。頭を捻るアタシを見下ろす彼の上半身は未だ裸だ。それを言ったらこっちは全裸だけれど。

 どうやって受け止めたらいいのか分からない。

 大嫌いなアイツに騙されたととるべきなのか、大好きなあの人と『美女と野獣』的シチュエーションを迎えたととるべきなのか。


「俺にとっては特別な出来事だったよ。警備員まで気遣うファンを目にしたの、初めてだったし。それ以来忘れられなくて、舞台の上からもずっと君だけを見てたんだから」


―――― へ。

 ナツが、舞台の上からあたしを?

 ポカンと開いた唇をついばんで、彼は笑う。


「あとはもう、警備員のフリを続行して君に近付こうとしたんだ。ぎゅうぎゅう押されて、どさくさ紛れに抱き締めてみたりとか」

「……そのわりにえらく怒鳴られた覚えがあるんだけど」

「だってセリ、怒った顔も可愛いから、つい」

「な、なにそれ、趣味ワルすぎ」


 言い返しながら少し疑問に思った。

 あれ、もしかして今アタシ、告白サレマシタカ?

 ナツで肖衛で夫でもある彼に―― 今更。

 だけど何だろう、悪い気はしない。嫌いと好きが半分半分、ごちゃまぜになっているせいかもしれない。

 どちらを優先させたらいいのかは、まだ見当もつかないけれど。

 少し照れ臭くなってきたアタシを抱き寄せながら、彼はふと意味深に目を細める。


「悪いのは趣味じゃなくて根性かもね。結局お金で買ったわけだから」

「んっ……ちょっ、……重、いってばっ」

「うん、芹生が逃げないようにね?」


 鎖骨のあたりにちゅっちゅっ、とキスの連続。くすぐったくて身悶えてしまう。


「や、あっ、……やめっ」

「やめないよ、まだまだ。大枚はたいてやっと手に入れたんだから。ね、ほらもっとよく見せて」


 そう言って例のダサ眼鏡をかけだすものだから、はり倒しそうになった。

 どこをどうよく見るつもりなのよ、この変態!

 近づいてくる顔をぐいぐい押し戻す。


「どうしてわざわざ格好悪い姿で迫るわけっ、最初からナツの姿で口説いてくれたら、アタシ」

「そういうの、長続きしないから。上辺だけの俺にキャーキャー言われたって困るし」

「でもそれ、いくらなんでもダサ……っ、あ、ダメ、だってば……っ」

「それに、こっちが本当の俺っていうか。この髪型と眼鏡、バンドをはじめる前の素の俺とほぼ同じだし」

「はっ!? 嘘でしょ」

「本当。でもってこの姿の俺にチョコをくれたのは芹生が初めて。嬉しかったなー」


 嬉しかったな、と彼は繰り返す。

 その性格は、想像していた『ナツ』よりずっと人間臭いというか、ホンワカしているような気がした。


「舞台の上の『ナツ』じゃなくて、本当の俺を見て。俺の全部を好きになってよ、芹生」


 無茶な。無理矢理テゴメにしてから言う台詞じゃないし。

 けれど突然真剣な顔で迫られて、ドキリとしてしまった。

 反則だ。もう、眼鏡の向こうの綺麗な瞳から目が逸らせない。

 肖衛の中のナツ。ナツの中の肖衛。両方がそこに透けて見えるみたいだ。

 よけきれずにキスを受け入れると、頭の芯からとろけそうになった。


「なんて、嫌がる君を無理矢理組み伏せてみたかったっていうのが本音」

「……最低だ、アンタやっぱり最低だ」

「最低上等。そうだなあ、そのうち最高だって言わせてみせるよ、……ベッドの中でね」


 しっかり第二ラウンドを開始しながら、いたずらっ子みたいに口角を上げる。心臓がぴょんぴょん、ウサギみたいにはねた。

 強引だけれど官能的な指先に酔わされて、甘いささやきに溺れそうになって、抵抗する力は先程よりすこし控えめ。

 ねえ、アンタってば、かなり恋愛下手でしょ。順番がことごとく逆だよ。でもね。


「しょう、肖、衛ぃ」

「うん?」

「あ、肖衛……っ」

「うん、最後まで、その名前で呼んで――……」


 夫婦になったこと、ひとまず後悔するのはやめようかな、とか。

 思う、よ?


 *** 


「肖衛、しょういーっ」


 風呂上がり、アタシはバスタオル一枚で自宅の中で迷子になるという貴重な経験をさせていただきながら夫の名を呼んだ。返答はない。

 この家はおかしい。中二階だとかピロティだとか、ごちゃごちゃしていて初訪問の人間には全然優しくない。

 アタシは昨日、いや一昨日越してきたばかりで、未だにトイレの数もわかっていない。

 困ったな。着替えの場所くらい覚えておけば良かった。


「肖衛……どこ」


 声がかれそう。妙に心細い。

 身体も冷えてきたし、シャワーでも浴び直そうかな、なんて迷っていると廊下の先にモッサリした頭のダサイ男が顔をのぞかせた。


「芹生、どうしたの、そんな格好で」

「どうしたもこうしたも……この家広すぎるよ。自分のいる場所がわからな」

「もしかして誘ってるの? もういっかいする? さっきの芹生、すっごく可愛かったー」 

「聞いてないでしょ。ていうか肖衛、家の中でまでずっとその格好でいるつもりなの?」


 尋ねながら視線を落とすと、コンビニの袋が目に止まった。

 それは彼の細い指先から重力に逆らわず垂れ下がっている。


「ちょっとコンビニに行ってきただけ。近隣住民にはこっちで認識されてるからさ。はいお土産」


 満面の笑みでそれを差し出し、肖衛は「今度はお腹こわさないようにね」と言う。

 袋を覗き込んだアタシは豪快に吹き出してしまった。

 これ……いちご大福。


「ありがと」

「俺も食べる。半分こにしよう」

「ええ? すごく分けにくそう」

「いいだろ。夫婦って感じでさ、こう、手で千切って」

「絶対偏るよ。アタシ苺は譲らないから」

「言うと思った」


 そんなところが好きなんだよね、と微笑むダサ眼鏡の男に胸がきゅんとしたことはまだ秘密にしておこう。


<fin.>

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いちご†盗人

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