小鳥は昨日
掲載日:2026/01/14
誰が為に
振るった剣を失って
鞘なき胸に突き立てる
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「お久しぶり」
気楽に笑いかける一つの声
「今日まででしたか」
「いや、昨日さ」
熟れた頬に語りかける
「忘れたなんてのは、嘘だろう」
「ええ、覚えていましたとも」
枯れた笑みが下を向く
「なら、行くか」
「私には、他にないですから」
立ち上がる者は先を知らぬ訳もない
「この終わりは分かっていたろうに」
「なに、分かりたくなんてなかったんですよ」
言葉は続くもここで終い
「小鳥が昨日、いきました」
一言、男は連れられた




