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あおはる  作者: 米糠
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49.気づきたくない気持ち

 49.気づきたくない気持ち



「——ごちそうさま」


 陽翔は最後に残していた由愛の卵焼きを口に運ぶ。


「……うまい」


「でしょ?」


「ちょっと甘めだな」


「うん、お母さんが作る卵焼きがこういう味で、それが好きだから」


 そう言って、由愛はどこか懐かしそうに微笑んだ。


(……こういう表情、初めて見たかも)


 今まで由愛は「学年一の美少女」とか「クールで近寄りがたい」とか言われていたけど——こうやって話してみると、案外普通の女の子なんだと思う。


 だけど。


「——陽翔」


 名前を呼ばれるたびに、胸が少しだけ高鳴るのは、きっと普通じゃない。


「な、なんだよ」


「また、一緒にお弁当食べようね」


「……まあ、別にいいけど」


「ふふ、やった」


 その笑顔を見た瞬間、陽翔は思う。


(……これ、絶対やばい)


 もう“ただのクラスメイト”には戻れない。


 でも、それを認めたくなくて、陽翔は深く考えるのをやめた。


 ——気づいてしまったら、もう戻れなくなる気がしたから。

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