表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あおはる  作者: 米糠
46/250

45.始まりの予感

 45.始まりの予感



 翌朝、陽翔は少し寝不足だった。


 昨日の夜のことを思い出しては、布団の中で無駄にもがいたせいだ。


(……マジで、どうすんだよ)


「由愛」って呼んだこと。


「陽翔」って呼ばれたこと。


 今までずっと「橘」だったのに、一度名前を呼んだだけで、こんなにも意識してしまうなんて。


(今日、普通に顔合わせられるのか……?)


 そんなことを考えながら、学校へ向かうと——。


「……おはよ、陽翔」


 待ち伏せしていたかのように、校門の前にいた由愛が笑顔で手を振ってきた。


「っ……!」


(い、いきなり名前呼び……!)


 まだ心の準備ができていなかった陽翔は、思わず足を止めてしまう。


「……お、おはよう」


「ふふ、なんか照れてる?」


「そ、そんなことねぇし」


「そっか。でも、昨日よりぎこちなくなってる気がするけど?」


「……気のせいだ」


 陽翔はそっけなく言いながら、さっさと歩き出す。


 ——けど、その横に並んで歩く由愛は、なんだか楽しそうだった。


「ねえ、これからも名前で呼んでくれる?」


「……え?」


「昨日だけ、じゃなくて」


 そう言って、由愛は少しだけ頬を染めながら、こちらを見上げてくる。


「陽翔に呼ばれるの、結構好きかも」


「……っ!」


(反則だろ、それ……!)


 心臓が跳ねる。


 昨日の夜から、ずっと由愛に振り回されっぱなしだ。


 でも、不思議と嫌じゃなかった。


 むしろ——嬉しい。


「……わかったよ」


「ほんと?」


「でも、お前も俺のこと下の名前で呼ぶんだからな」


「ふふ、もちろん」


「……ったく」


 ため息をつきながらも、陽翔の頬もほんのり赤く染まっていた。

ここまで読んでいただきありがとうございます。


この小説を読んで、少しでも「続きが気になる」「面白い」と少しでも感じましたら、ブクマと↓の☆☆☆☆☆から評価頂けましたら幸いです 。


感想のお手紙で「面白い」などのコメントをいただけると最高です!(本人褒められて伸びるタイプ)


お手数だと思いますが、ご協力頂けたら本当にありがたい限りです <(_ _)>ペコ




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ